酉年の大本命・わざわざ行きたい絶品親子丼3選!

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食の小宇宙“丼”をもっと知りたい&食べたい!

2017/02/16

酉年の大本命・わざわざ行きたい絶品親子丼3選!

栄養たっぷりで食べごたえのある親子丼。価格も比較的手ごろで、多くの飲食店のメニューで見かけるため、「迷ったら親子丼をセレクトする」という人も多いはず。酉年の今年、そんな星の数ほどある店の中から、心から「うまい!」と舌鼓を打てる東京の名丼店3軒を紹介!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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仕上げの卵とじの火の入れ加減で味わいが決まる

作り手の技が試される素朴な丼

鳥肉を卵でとじるという、一見シンプルだが料理人の力量が試される奥深い料理、親子丼。一口に親子丼と言っても、濃厚な味わいのモモ肉やあっさりとしたムネ肉、タマネギや長ネギなど、材料の使い分けでも数多くのバリエーションが存在する。

また、銘柄鶏やこだわりの卵をふんだんに使った“究極の親子丼”を目指す店もあれば、安価な材料でも工夫を凝らした“日常のごちそう”を生み出す店もある。今回紹介する「鳥料理専門店」「蕎麦の店」「街の食堂」の親子丼は、それぞれのこだわりを凝縮した一品ばかりだ。

タイプ別おすすめ親子丼はこちら!

1.高級な鳥料理専門店系なら!
「鳥つね自然洞」
2.伝統ある蕎麦店系なら!
「神田まつや」
3.気軽な街食堂系なら!
「御食事処 ときわ」


「鳥つね自然洞」(外神田)
特上親子丼(昼1600円、夜2060円)

卵の黄身と白身がゆるやかに混ざり合う

名古屋コーチンや比内地鶏といった、美味鶏を使った鳥料理専門店の「鳥つね自然洞」。夜はコースの鳥鍋が中心の高級店だが、一日にわずか20食限定で提供される半熟卵が印象的な「特上親子丼」が有名だ。

ご主人自ら丁寧に地鶏の掃除から仕込みまでを行う

ーー素材にはどういったものを使っているのでしょうか。

鳥つね自然洞店主・佐々木久哉さん(以下、佐々木さん)
鳥つね自然洞店主・佐々木久哉さん(以下、佐々木さん)
「夜のコースに出すのと同じ、比内地鶏と名古屋コーチンの両方を使っています。独特の食感を出すため、それぞれモモ肉とムネ肉をミックスしています。つまり、4種類の鳥肉を使っているわけです」
磨き上げられた銅の手鍋で手早く仕上げる
佐々木さん
佐々木さん
「鳥のコクを出すため割り下でさっとひと煮立ちさせ、地鶏の卵を回しかけて50秒ほどフタをして軽く火を入れます。地鶏のスッキリした味を活かしたいので、ネギ類は使っていません」

ーー卵がとろとろの半熟でおいしそうです。白身と黄身があまり混ざっていない理由は?

佐々木さん
佐々木さん
「黄身と白身では味がまったく違うので、混ぜすぎるとかえって味がぼやけてしまうんです。この方が黄身の味をしっかり感じていただけると思います。温かいうちに召し上がってくださいね」
「汁で喰う」と受け継がれるだけあってジューシーな仕上がりだ

ーー肉の味、食感が卵に負けることなく感じられます。タレを含んだ半熟の黄身がご飯に絡んで、のど越しが最高です。

佐々木さん
佐々木さん
「ありがとうございます。味に引っかかりがないように、タレに使う醤油とみりんは日本中のものを試してブレンドしてたどり着いたものなんです。『鳥つねの親子丼は汁で喰う』と代々伝えられてきましたので、私の代になっても理想の割り下を探し続けています」

食べ物の元祖や起源を正確にたどるのは難しい。しかし「鳥つね自然洞」は、近年定番になりつつある半熟スタイルの親子丼がブレイクするきっかけを作った店のひとつであることは間違いない。実はこの親子丼、材料費がかかりすぎて赤字なのだとか。専門店の心意気が生み出す味わいに感動したら、夜の鍋料理もぜひ楽しんで欲しい。

店は中央通りから一本入った静かな路地裏にある

鳥つね自然洞

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


「神田まつや」(神田須田町)
親子丼(1100円)

飾りの海苔も蕎麦店らしさを感じる

明治17(1884)年創業の手打ち蕎麦の店。時代小説家の池波正太郎氏が贔屓にしていたことでも知られる。創業当時の空気感を伝える店内は、いつも大勢の客のにぎわいで活気づいている。そばつゆは江戸の下町文化を継承する濃いめの仕上がりだ。

明治から続く神田まつやの伝統を守るご主人の小高孝之さん

ーーまつやさんの親子丼の特徴は?

神田まつや店主・小高孝之さん(以下、小高さん)
神田まつや店主・小高孝之さん(以下、小高さん)
「下町の蕎麦屋らしい濃いめの割り下に、干しシイタケと戻し汁を効かせています。干しシイタケを入れることで、味に力強さが出て卵料理にありがちなボヤケが出ないんです」
シイタケの香りを鳥肉とタケノコにも移していく

ーー細切りのタケノコも爽やかさと上品さがあります。

小高さん
小高さん
「蕎麦屋にとって、天丼が王様だとしたら、親子丼は女王様のようなもの。天丼は素材も高価な魚介類を使うし、油で揚げるので濃厚な食べごたえもある。だからこそ、女王の親子丼には繊細さと上品さが必要ですよね。親子丼を目当てに遠方から来られる方も多いのでうれしい限りです」
一手間も二手間もかけた老舗のこだわりが満載の丼だ

飾りの海苔の香りが、しっかり味のダシとよく合う神田まつやの親子丼。鰹ダシの効いたお吸い物にミツバが入っているので、箸休めで口にするとスッキリするのも嬉しい心配り。濃厚なダシの香りに包まれながら、繊細な親子丼を楽しむにはうってつけの店だ。

趣ある建物の中はいつも活気に満ちている

神田まつや

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


御食事処 ときわ(京成高砂)
親子丼(680円)

正統的でまっとうな親子丼。たっぷりのミツバがうれしい

京成高砂駅から歩いてすぐの住宅街にある「ときわ」は、地域住民や仕事で訪れる人々に愛される気の置けない街食堂だ。おトクな日替わり定食と並んで人気なのが親子丼。丼通の間では「見た目はごく普通だが、ひと味違う親子丼を出す」店として、知る人ぞ知る存在となっている。

ーーさっそくですが、親子丼をお願い致します! 親子丼のこだわりは?

御食事処 ときわ主人・市川智也さん(以下、市川さん)
御食事処 ときわ主人・市川智也さん(以下、市川さん)
「ウチは気安い街食堂ですし、気軽な値段で食べてほしいので高価な食材は使いません。肉を割り下で煮る前に、熱湯にくぐらせて臭みを抜いているくらいかな」
モモ肉は煮る前に熱湯にくぐらせてある

ーーわざわざ湯通ししているんですか?

市川さん
市川さん
「どうせなら、おいしい方がいいじゃないですか(笑)。高級素材でなくても、いいところだけ使ってあげれば、しっかりおいしいものが作れると思うんです」
壁に張り出された短冊メニューを見ているだけで心が躍る

ーーそれにしても短冊メニューを見ているだけでワクワクします。日本酒のセレクションも素晴らしいです。

市川さん
市川さん
「自分が酒どころの新潟出身だから、一日の終わりにはおいしいお酒を飲んでほしいんです。そろそろ取材が終わるようならオススメのお酒がありますよ(笑)」
オーガニックあずき茶ハイ(370円)は、カロリーゼロの小豆のお茶で焼酎を割ったもの
市川さん
市川さん
「『オーガニックあずき茶ハイ(370円)』と言うんですが、ウーロンハイのほかにもお茶系のお酒が出せないかと思って、焼酎を小豆のお茶で割ったらすごくおいしかったので店で出すことに。色もきれいでカロリーゼロだし、ポリフェノールも入っているので、なんか得した気分になりますよね」

ーーせっかくなので、遠慮なくいただきます! ほんのりと小豆の香ばしい香りがしておいしいです。クセがないので、食事をしながら飲むのにぴったりですね。

市川さん
市川さん
「自分は毎日の晩酌が欠かせないほどお酒が好きなんですが、シメには必ずご飯物を食べたい人なんです。居酒屋使いしてくれる人が多いのは嬉しいんですけど、ウチは食堂だってことは忘れないようにしています(笑)」

昼休みにランチを楽しむもよし、帰宅前に一杯飲みながら丼をかきこむもよしの、使い勝手の良さが光る心やさしい街食堂。親子丼に合う日本酒を探してみるのもオツかもしれない。

気軽に入れる食堂にこそ思いがけない名丼が待っている

御食事処 ときわ

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


鳥肉と卵がメインの親子丼ですが、店主の技とこだわりで三者三様のおいしさが感じられた。シンプルで食べ飽きることのない親子丼の名店は、何軒知っていても決して損にはならないはず。今回紹介したお店の親子丼を体験すれば、自分の街での“名丼探し”のヒントが見つかりそうだ。


取材メモ/三種の親子丼をいただいて、親子丼は作り手の真心が伝わりやすい料理だということがわかりました。

取材・文・撮影=杉山元洋

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