名店の味を守り続ける淡麗美味な「わんたんそば」/群馬

特集

【第9回】全国のタウン誌が選ぶ“本当にうまいラーメン”100選

2018/04/01

名店の味を守り続ける淡麗美味な「わんたんそば」/群馬

新幹線や多くの在来線が乗り入れる高崎駅から車で約10分。魚介の香るあっさりとした醤油ラーメンが評判の「支那そば なかじま」は、2008年のオープンから地元民に愛され続ける名店です。大ぶりのワンタンをはじめ、今では珍しい焼豚、1日寝かせた熟成麺など、そのこだわりを調査してきました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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原点は東京・目黒の「かづ屋」。そのポテンシャルの高さは群馬一!?

高崎でおいしいラーメン店といえば必ず名前が挙がる「支那そば なかじま」。ラーメン雑誌やグルメサイトなどでも常に高い評価です。メディアで紹介されるたびに目にするのは、目黒の「支那ソバ かづ屋」で修業を積んだというお話。群馬にもラーメン店はたくさんあるのに、なぜ都内で修業を? そんな疑問を抱きながら店へと向かいました。

\私が体験レポートします/

高崎駅から車で10分弱。「ウニクス高崎」の向かいにある「支那そば なかじま」の赤い垂れ幕が目を引きます
ライター吉岡
ライター吉岡
「1975年12月3日生まれ。埼玉県出身のフリーライター吉岡啓雄です。観光やイベント、グルメ情報誌を数多く手がけており、なかでも10年ほど前から携わっているラーメン雑誌はもはや趣味なのか仕事なのか自分でも分からないほど。暇さえあれば、群馬・栃木・茨城・埼玉など北関東を中心にラーメンを食べ歩いています」

必食の一杯といえば、高いリピート率を誇る名物の「わんたんそば」

厨房をL字に囲むカウンターは12席。天井高があるゆったりとした店内です
厨房で黙々とラーメンを作る中島さん。その立ち姿からは「孤高のラーメン職人」感が漂っています

カウンターの中から「いらっしゃい!」と出迎えてくれた店主の中島さん。温かみのある色合いでまとめられた内装とピカピカに磨き上げられた厨房設備など、店内はとても清潔感があります。オープンから10年近いというのにこれだけきれいに保たれているということは、日頃からきちんとお手入れしている証拠です。群馬の冬の風物詩である赤城おろしで身体の芯まで冷え切っていた私は、名物の「わんたんそば」(900円)をさっそく注文しました。

ライター吉岡
ライター吉岡
「高崎市内にもラーメン屋さんはいっぱいあるのに、中島さんはどうして東京のお店で修業をされたんですか? もともと『かづ屋』さんの味が好きで、よく食べていたとか」
店主 中島さん
店主 中島さん
「会社員を辞めてラーメン屋になろうとしていた私に、あの店の常連だった叔父が『かづ屋』に弟子入りしたらどうかと。実際に食べたら味も私好みだったし、ちょうどスタッフ募集もしていたもので、2001年から7年ほどお世話になりました」
ライター吉岡
ライター吉岡
「2008年というと、群馬ではまだ豚骨ラーメンが主流だったころですよね。そんな中で淡麗系のラーメンを出すってかなり勇気がいるように思いますが、実際オープンされてみて反響はどうでした?」
店主 中島さん
店主 中島さん
「確かに、オープン当時には群馬豚骨系が多かったように記憶しています。でも、ありがたいことに開店からすぐ認知されました。うちは幅広い年齢層の方に来ていただいていますが、コア層は30~40代です。濃厚なのはそろそろいいかなっていう世代の方にとって、求めていたジャンルだったのかもしれませんね」

名店「かづ屋」のDNAを受け継いだ、中島さん渾身のラーメンとは

一番人気の「わんたんそば」。昔ながらの端正なたたずまいと大ぶりのワンタンが目を引きます

透明感のあるスープは、鶏ガラとゲンコツに瀬戸内産のイリコ、昆布、カツオ節などの魚介ダシを合わせたダブルスープ仕立て。イリコの優しい香りが丼から立っています。全粒粉入りの熟成麺をすするとその香りが口に広がり、深い余韻を残します。
注目は大ぶりのワンタンと焼豚。ワンタンは皮から自家製で、毎朝仕込んだ出来立てを使うというこだわりよう。焼豚はハチミツを塗りながら低温でじっくり焼き上げる過程で、表面がうっすらと赤くなるのだとか。それにしてもこの価格でこのボリュームは素晴らしすぎ! 満足感がハンパないです。

まずは自慢の自家製麺から。全粒粉が練り込まれた麺にイリコの香りがふわ~っと乗ってきます
「かづ屋」のレシピを忠実に守るワンタンは、一般的なものとは違って肉団子のような丸い餡がぎっしりと詰まっています
主流の煮豚ではなく、こちらの店では昔ながらの焼豚をトッピング。赤みをおびたそのビジュアルが懐かしい!
ライター吉岡
ライター吉岡
「あっさりとした口当たりの中に動物系のコクと魚介の香りがまとまった完成度の高いスープ。最初はイリコの香りが軽やかに広がって、最後のほうになるとカツオの風味が立ってくるんです。手作りの優しさに満ちた味わいに、心まであったかくなります」

▼ラーメンDATA▼

・麺の太さ:中細麺
・スープの種類:豚骨・鶏ガラ・魚介・削り節
・スープの味わい:あっさり★★☆

取材メモ/取材で印象に残っているのは、スープも麺もすべて自分で面倒を見ないと気が済まないという中島さんの言葉。わずか3時間半の営業のために、毎朝7時から夜遅くまで麺打ちやスープ作りを行っています。そんな中島さんの原動力は「私がうまいと思うラーメンを一人でも多くの方に知ってもらいたいから」。修業先での教えをひたむきに守るその姿には惚れ惚れしました。

取材・文=吉岡啓雄 撮影=小嶋裕

※掲載の内容は2018年4月時点の情報に基づきます。
※2019年6月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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