古き良き昭和のラーメンを味わえる軽トラ屋台/群馬

特集

【第6回】全国のタウン誌が選ぶ“本当にうまいラーメン”100選

2018/03/11

古き良き昭和のラーメンを味わえる軽トラ屋台/群馬

日が暮れて街にネオンが輝く頃……そんな歌謡曲の一節がしっくりとくる屋台ラーメンが前橋にあります。軽トラの荷台で作る素朴なラーメンが生まれたのは2002年のこと。平成の時代にあって、今もなお昭和の香りを残す屋台ラーメンの魅力や、店主の熱い思いなどを取材してきました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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前橋唯一の屋台ラーメンは、県道沿いにひっそりとたたずんでいた

前橋から伊勢崎へと抜ける県道2号線。複合アミューズメント施設「ラウンドワン」やスーパー銭湯などが立ち並ぶにぎやかなエリアで、毎日19時にオープンする「屋台らーめん 好(ハオ)」。周辺でリサーチをすると、前橋市内ではただひとつの屋台ラーメンとか。一体どんなラーメンに出合えるのでしょうか。

\私が体験レポートします/

前橋駅から車で12分ほどの場所にある店舗。裸電球の明かりに照らされた屋台ラーメンへいざ! 
ライター吉岡
ライター吉岡
「1975年12月3日生まれ。埼玉県出身のフリーライター吉岡啓雄です。観光やイベント、グルメ情報誌を数多く手がけており、なかでも10年ほど前から携わっているラーメン雑誌はもはや趣味なのか仕事なのか自分でも分からないほど。暇さえあれば、群馬・栃木・茨城・埼玉など北関東を中心にラーメンを食べ歩いています」

わずか7席の狭小スペースで生み出す、ノスタルジック“中華そば”

ロードサイドにぽつりとたたずむ「屋台らーめん 好(ハオ)」。この明かりに釣られて来るお客さんも多いはずです
雷紋が描かれた手書きのメニュー表には、醤油・味噌・塩とそのアレンジ系も。屋台ラーメンの定番・ゆで玉子もあります!
店主の小池剛義さん。軽トラの荷台を改造した厨房で、先客のラーメンを作っています

客席よりも少し高い位置にある厨房で、ラーメンをせっせと作る店主の小池さん。軽トラックを改造した屋台には、ステンレス製のカウンターが造作されています。カウンターの上には胡椒と一味、そして割り箸入れに箱ティッシュ。折りたたみ式のイスには年季の入った座布団がポンと置かれています。ちょっと背伸びをすれば店主の手元まで見ることができ、その手際の良い仕事ぶりを見学できます。今夜は屋台初取材です。ここは王道の正油ラーメンでいきましょう。

師匠の味を継承するために屋台ラーメンを決意した

琥珀色のスープにキラキラと浮く油。具材のチョイスや丼など、どこを取っても「ザ・昭和」なラーメンです

大学を卒業後、医療機器メーカーで検査員として働いていた小池さんは、会社を辞めて食の道に進むことにします。そんな折に、屋台ラーメンを29年ほどやっていた知人が体調を崩し、やむなく店をたたむという話を聞きつけ、すぐに弟子入りを決意。3カ月の修業を終え、師匠の使っていた軽トラや厨房用品をすべて引き取って店を開いたそう。

その仕事ぶりはまるで精密機械。一杯のラーメンに込めたこだわり

ラーメン丼に醤油ダレを入れ、寸胴からスープを注ぐ小池さん。丼の下には料理用のデジタル式スケールが置かれています。「きっちり量っておけば味を均一に保てますから」。クオリティを保つ目的とはいえ、ものすごいこだわりです。小池さんは最後に「まあ、私に腕がもっとあればこんなことする必要ないですけど」と謙遜。師匠の味を守るという信念からなんですよね、きっと。

動物系スープに香味野菜の香りをとじ込めたシンプルな醤油味。その懐かしい味わいが体じゅうに染みわたります
ベースは鶏ガラと豚のゲンコツ、それに玉ネギやニンニクなどの香味野菜。4時間ほど煮詰めてうまみを引き出します
深さのある茹で釜から麺を上げるため、柄を長くした特注のザルを使用。これも師匠が考案したこだわりの道具です
ライター吉岡
ライター吉岡
「じつにおいしかったです! モチッとした中華麺に鶏ガラスープの組み合わせが懐かしいですね。このスープや麺は師匠直伝のものなんですか?」
店主 小池さん
店主 小池さん
スープの材料にレシピ、チャーシューの製法まで、すべて教わった通りにやっています。麺も、師匠が使っていた県内の製麺所から同じものを仕入れています。師匠が考案したこの味とスタイルを守り続けるのが私の役目ですから」
ライター吉岡
ライター吉岡
「小池さんが店を開いてから、師匠は食べに来たことはあるんですか?」
店主 小池さん
店主 小池さん
「体を悪くしてやむなく店を辞めましたから、恐らく未練があったのでしょうね。1度も来てくれませんでした。この店をオープンさせてからしばらくは、師匠の味を懐かしんで食べに来るお客さんも多かったですよ。だから味を変えるなんてマネはできない。今後もずっとこの味でいきます」
ラーメンをいただいたあとも、終始この笑顔で取材を受けてもらいました
ライター吉岡
ライター吉岡
いつか食べた記憶のあるラーメン。スープをひと口飲んだ瞬間にそんな思いが頭に浮かびました。ナルトにメンマ、チャーシューといった昭和のラーメンに欠かせない脇役たちもまた、郷愁を誘います。飲んだあとに、小腹が空いたときにふと食べたくなるラーメンが、師匠の時代から数えると40年以上もスタイルを変えずにあることに感謝です!」

▼ラーメンDATA▼

・麺の太さ:中細麺
・スープの種類: 豚骨・鶏ガラ
・スープの味わい:あっさり★★☆

Yahoo!ロコ屋台らーめん 好
住所
群馬県前橋市天川大島町1100-2

地図を見る

アクセス
前橋大島駅[南口]から徒歩約6分
片貝駅[出口]から徒歩約38分
城東駅[出口]から徒歩約41分
電話
090-5818-2745
営業時間
19:00~23:00
定休日
荒天時
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/取材中に常連さんから「丼を持ってくればテイクアウトできるよ」と教えてもらいました。持参した丼や鍋にラーメンを入れて持ち帰りできるそうで、週に数回はオーダーが入るようです。そして土曜日には、店のすぐ隣におでん屋台も登場します。こちらも小池さんお手製のおでんが楽しめる週末だけのお楽しみ。プライベートで来たくなったら土曜日にします!

取材・文=吉岡啓雄 撮影=小嶋裕

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