50年もの間、頑固一徹 塩ラーメン一本!/大阪

特集

【第6回】全国のタウン誌が選ぶ“本当にうまいラーメン”100選

2018/03/11

50年もの間、頑固一徹 塩ラーメン一本!/大阪

大阪屈指の繁華街・梅田で、50年以上の長きにわたり安定した人気を博す「揚子江ラーメン」。創業以来塩ラーメン一本で営業を続けてきた同店ですが、そこにこだわり続ける理由を知りたい! ということで、塩ラーメン誕生当時のお話や、作り方のこだわりなどを聞いてきました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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すまし汁のような清廉なビジュアル。さりとてその味わいは?

「揚子江ラーメン」といえば、あまりにも澄み切った清湯スープで知られるお店。かといって、食べてみると味が薄いというわけではなく、しっかりと鶏のうまみが感じられる味わいでクセになると評判です。かく言う私も、梅田周辺に用事がある時は無性に食べたくなって、つい足を運んでしまいます。いつかは聞きたいと思っていたその作り方を教えていただくことになりました。

\私が体験レポートします/

車も人もごった返す交差点の角地。地下に降りていくというシチュエーションにもワクワクします
ライター平井
ライター平井
「徳島県のタウン誌でライターとして16年勤務した後、2009年に独立。拠点を大阪府高槻市に移し、ライター&編集者&カメラマン&デザイナーとして活動しています。徳島時代からラーメンが好きで、『徳島ラーメン』メジャー化の黎明(れいめい)期に関わりました。関西に来てからも週4回はラーメンを食べますが、50歳が近づいているので、ラーメン以外の食事はできるだけ低カロリー食を心がけています」
清潔感のある店内。席数は30席ほどです

ルーツは四川料理にあり!

1964年創業の「揚子江ラーメン」、オープン以前は四川料理のお店をされていたそうです。その時、コース料理で提供していたスープをベースにして、塩ラーメンのスープを作っています。ダシに使っているのは豚骨と鶏ガラとモミジ。それにしても、これだけ澄んだ色をしているのはどういう炊き方をしているのか気になります。「炊く時間と火加減が重要ですね。季節や気候によっても違いますし、骨の部位や産地によっても加減が違うので、慎重にやっています。少しサボるとすぐに濁っちゃうので(笑)」と店長の平松さん。豚骨を1~1.5時間、鶏ガラは早めにダシが出るので、その日によって微妙に炊き時間を変えているそうです。

「ラーメン」(670円)。見よ! この透明感。芸術的です
ライター平井
ライター平井
「かなり繊細な作業に思えますが、炊き時間や火加減以外に気を付けていることはありますか?」
店長 平松さん
店長 平松さん
「鶏ガラや豚骨の産地は業者さんにお願いして、一定の産地や一定の部位を持ってきてもらうようにしています。あと、鶏ガラは絶対に冷凍されたものを仕入れないことです。ウチでは生の鶏ガラを仕入れて、手に入れてから冷凍保存するようにしています。その方が濁りなく仕上がりますし、何より味がいいです」
ライター平井
ライター平井
「それでもうまくいかない時もあるんでしょうか?」
店長 平松さん
店長 平松さん
「ありますね(笑)。いや、今はもうほとんどないですけど。時間や火加減は自分のさじ加減でどうにでもなりますが、材料は来てみないと分からないですし。だから材料には気を遣うようにしています」
丁寧で繊細な仕事をした結果がこちら。これだけ澄んでいるのに、寸胴からは鶏の深い香りが立ち上ります

味の決め手になるのは、やはり塩

そしてメインになるのは、やはり塩です。「揚子江ラーメン」では、普通の塩よりも若干ミネラルが多い塩をセレクト。ミネラルがあまりに多いと味が柔らかくなり過ぎて、パンチの効いた味にならないそうです。入れる量も多過ぎず少な過ぎず。「ひと口飲んでちょうどいい、ではダメなんです。やはりスープを最後まで飲んでいただきたいので、飲みきった時にちょうどいいと感じてもらいたいですね」。この言葉を発した時の平松店長の表情はキリッと引き締まっていて、塩ラーメンに賭ける熱い思いを感じて私も背筋が伸びました。

味の塩梅について熱く語る平松店長
麺を持ち上げると鶏の甘い香りが鼻腔をつきます

口の中でというよりは胃袋の中で広がる味

さて、味のおさらいをするべく一杯注文しました。まずはスープをいただきます。鶏の香りが口の中で広がり、塩のサッパリ感の中に甘い風味が。麺はストレートの細麺で、気持ち良くつるんと喉を駆け抜けます。うまみが体全体に染み渡り、スープまで飲み干して完食した時に、マックスの極上感を与えてくれるようです。「やさしくてサッパリしているけど、パンチのある味」。そうおっしゃった平松店長の言葉が、理解できました。そして、こってり系ラーメンが主流の中、塩一本で長く営業を続けられている理由も、よーく分かりました。

チャーシューは豚モモ肉を使用。スープの味を損なわないように、味付けは控え目
テーブルに置かれている揚たまねぎ。スープの風味を引き立てるアクセントとして
ライター平井
ライター平井
「何度も訪れているお店ですが、ラーメンに対する思いを聞いてからいただいたので、格別おいしく感じました。『塩梅』という言葉がありますが、まさに塩を振る塩梅が、この店の人気を支えているのだと実感。丁寧で繊細な仕事ぶりと人柄にも『やさしい味』を感じることができました」

▼ラーメンDATA▼

・麺の太さ:細麺
・スープの種類:鶏ガラ・豚骨・モミジ
・スープの味わい:あっさり★★★

取材メモ/お店は大阪の大動脈・新御堂筋沿いで、「堂山町」という大きな交差点の北西角にあります。繁華街にも近く、車でも電車でもアクセス抜群。営業時間も長いので、いつでも気軽に行くことができます。

取材・文・撮影=平井和哉 撮影=中村純代

※掲載の内容は2018年3月時点の情報に基づきます。
※2019年6月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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