大阪随一の繁華街・ミナミの中心から少し外れたところにある、今一番アツイエリア「ウラなんば」。そのエリアの中でも屈指の人気店が「麺屋丈六」です。オープン時から大阪のご当地ラーメン、高井田ラーメンにこだわり、その味を進化させ続ける「丈六」。なぜご当地ラーメンにこだわるのでしょうか?
Yahoo!ライフマガジン編集部
見た目は真っ黒! されどその味わいは至ってさわやか
高井田ラーメンは元々、東大阪市と大阪市東成区の境あたりで、戦後間もなく発展したご当地ラーメンのことを指します。スープは鶏ガラメインで、カエシには濃口醤油などを配合したものを使い、真っ黒なスープが特徴。また、麺は太麺ストレート、ネギはザク切りにするのも高井田ラーメンの統一ビジュアルです。「麺屋丈六」では、この地で営業を始める2年前、大阪・天保山でお店を始めた時から高井田ラーメンを提供しているそうです。
\私が体験レポートします/
- ライター平井
- ライター平井
- 「徳島県のタウン誌でライターとして16年勤務した後、2009年に独立。拠点を大阪府高槻市に移し、ライター&編集者&カメラマン&デザイナーとして活動しています。徳島時代からラーメンが好きで、『徳島ラーメン』メジャー化の黎明(れいめい)期に関わりました。関西に来てからも週4回はラーメンを食べますが、50歳が近づいているので、ラーメン以外の食事はできるだけ低カロリー食を心がけています」
まずは店主 丈六さんにお話をお聞きしました。
- ライター平井
- ライター平井
- 「元々は天保山でラーメン店を始めたんですね?」
- 店主 丈六さん
- 店主 丈六さん
- 「いや、始めたのはもう少し前です。脱サラして1年弱ラーメン店で修行をして、2003年頃にお店を出しました。ところがラーメン作りをなめていまして(笑)、3年半ほどで一旦店を畳みました。それで大阪の有名店で修行させてもらって、2008年に天保山のテナントに入りました」
- ライター平井
- ライター平井
- 「高井田ラーメンを始めたきっかけはなんだったんですか?」
- 店主 丈六さん
- 店主 丈六さん
- 「やっぱり観光客の多い場所なので、何か大阪的なウリになるものが欲しいと思っていて。個人店以外で、大阪に根付いているラーメンといえば高井田かなと。僕は和歌山出身なので、当時は和歌山ラーメンもやってましたね」
ゴクゴク飲める漆黒の液体
「麺屋丈六」の高井田ラーメンのカエシは、昆布ダシに醤油、みりん、酢を合わせた伝統的な作り方。ただ少し違うのは、通常濃口醤油を使うところを、さしみたまりにしていることです。それによって風味がまろやかになる上、旨味とコクが増すのです。そしてベースになる鶏ガラスープは、有名店でしっかり学んだ技術を生かし、鶏のうまみを極限まで引き出した絶品。これらが丼の中でマリアージュし、真っ黒な見た目を裏切る至福のスープが完成します。麺は硬質の小麦、プライムハードを使った自家製麺を、練った後1日半ほど熟成させて提供。ゆで時間は5分と若干長めで、少し柔らかくかつしなやかな喉越しが楽しめます。
コミュニケーションを何より大切に
場所柄、有名人や観光客も多く訪れるお店。近隣のお客さんや常連がなかなか入ることができないことも多いそうです。その代わりにSNSなどのコミュニティで、限定ラーメンの情報を発信して楽しんでもらったり、毎月第1日曜の朝7時からオープンする「おはようラーメン」というイベントを行っているそうです。そんなサービス精神旺盛なスタイルも、こちらの魅力かもしれませんね。
味や素材に対するこだわりは? と尋ねると「ホンマに何もないねん」と豪快に笑う丈六さん。お客さん一人一人に対して軽妙なトークと最高の笑顔で接客している姿が、リピーターを生む秘密なのでしょう。ちなみに前述の「おはようラーメン」が抽選券を配って入店してもらうほどの人気ぶりなのだとか。そして、ほとんどが常連さんだそうです。
▼ラーメンDATA▼
・麺の太さ:中太麺
・スープの種類:鶏ガラ
・スープの味わい:あっさり★☆☆
取材メモ/各地で行われているラーメンイベントへの出店も多いそうです。もしかしたら大阪以外でも「高井田ラーメン」が食べられることがあるかもしれません。ラーメン好きは要チェックです!
取材・文・撮影=平井和哉 撮影=原田喜和
※掲載の内容は2018年2月時点の情報に基づきます。
※2019年6月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。