気仙沼・大島の「生ワカメ」×「シルク麺」=極上の一杯!/宮城

特集

【第4回】全国のタウン誌が選ぶ“本当にうまいラーメン”100選

2018/02/25

気仙沼・大島の「生ワカメ」×「シルク麺」=極上の一杯!/宮城

今回ご紹介するのは、仙台市泉区にある「五福星(うーふーしん)」。熱い思いと飽くなきこだわりに満ちたラーメンが生まれる場に潜入しました。年配の方にも愛されるラーメン作りの秘訣に迫ります!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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スペシャリストがいるラーメン店

「五福星」は、ここの味に惚(ほ)れ込んだファンが行列を作る人気のラーメン店。その秘密は“その道のスペシャリストがいるから”。どんなお話を聞くことができるのか、今回取材ができることになってついついテンションが上がっちゃいます!

\私が体験レポートします/

「早く人気の一杯を食べたい」と、ダッシュでお店に向かいます
ライター及川
ライター及川
「宮城県生まれ、宮城県育ち。生粋の宮城県人、フリーライターの及川恵子です。ラーメン店では『いらっしゃいませ~。何名様ですか?』『あ……、ひ、ひとりです』というやりとりが定番。さすがに時々さみしくなります」

まだ知らぬワカメの味に出合いました!

広々とした店内。昼夜問わず、連日多くのお客さんでにぎわいます

この店イチオシの一杯「肉ワカメらーめん」(1080円)。どうやらここでいただけるワカメは、私たちが普段口にしているワカメとはまったく別物のようです。

早坂さん、おいしさの秘密を教えてください!

店主の早坂雅晶(まさあき)さん。宮城のラーメン界では“唯一無二”な存在の方です
ライター及川
ライター及川
「早坂さん! 人気ラーメンの『生ワカメ』の秘密ってなんですか?」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「気仙沼大島のワカメ漁師・村上さんがこの店のためだけに育ててくれているワカメです。毎年1〜3月の極寒の海で採れるワカメを直送してもらい、マイナス85℃の冷凍庫で海水ごと凍らせることで、1年中おいしい生ワカメが提供できるんです。総計1トン以上送ってもらってるんですよ」
ライター及川
ライター及川
「マイナス85℃!? そして1トン!? 冷凍するだけでも大変な作業になりそうですね」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「あはは、そうですね。このワカメは“南部ワカメ”といってとても希少なもの。シャキシャキを超えた歯ざわりと噛(か)みごたえのよさが特徴です。旬の時期にしか食べることのできない生ワカメを、塩漬けではなく1年を通して“生”の状態で食べていただけるのがうちの自慢です」

冬の海で漁師が命がけで採る肉厚ワカメ

これがその“南部ワカメ”。見た目からも肉厚なのがわかります

まず真空をかけてマイナス25℃まで一気に凍結させてから、マイナス85℃の庫内に並べて保存。ちなみにこの冷凍庫、血液や細菌を凍らすこともできるものだとか……。なんだかもう科学の実験のようです。

こだわりのワカメを使った一杯を早く食べたい!

テキパキと進む作業に目を奪われます

私、ワカメは脇役だと思っていました。そのイメージが、この一杯でガラッと変わることになるのです。常識を覆すラーメンに出合えるだなんて、あまりにも衝撃的!

いざ、実食!

やっとご対面! まずはワカメをいただきます!
ライター及川
ライター及川
「こ、これは……、私の知っているワカメじゃない! シャキシャキの上、“ジャッキジャキ”の歯ごたえ! 器を覆うチャーシューも絶品ですね!」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「しっかり食べている満足感がすごいでしょ? そうそう、ワカメとバラ肉って味の相性も栄養のバランスもすごくいいんですよ」

見よ、この美しい緑色!

肉厚で強い歯ごたえ。「なんだ! このワカメは!!」
ライター及川
ライター及川
「私、今までこんなにおいしいワカメを食べたことがないです!」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「太平洋の外海で育てるので、潮の流れにもまれる分肉厚になるんです。本当に漁師さんには感謝の気持ちでいっぱいですね」

繭(まゆ)から作る“シルク麺”とは!?

この一杯に込められたこだわりは、私の想像のはるかに上をいくのでした……
ライター及川
ライター及川
「うわさに聞いたのですが、こちらの麺はシルク(絹)が入っているとか」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「繭を塩酸分解して逆浸透法で塩酸を抜くとたんぱく質だけが取り出せるのですが、その中にはニカワ質の成分が残っているんです。それを60℃の低温で湯煎し溶解させることできれいに取り除き、残った上質なたんぱく質だけを麺に練りこんでいるんです」
ライター及川
ライター及川
「!?!? 早坂さん、何か特別な分野の研究でもされていたんですか!?」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「いやいや!(笑)。やっぱりラーメンを作る以上、おいしさを求めるためにしっかり味を突き詰めていくとこうなるんです!」

ラーメンの核となる沖縄の塩「ぬちまーす」

食べれば食べるほどそのおいしさに驚きが止まりません!
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「そうそう。お店で使っている塩は『ぬちまーす』。これは、海水が気化して霧状になったところから分離させて作る塩。この塩の使い方を知ろうと、日本中から人気ラーメン店の店主が勉強にいらっしゃるんですよ」
ライター及川
ライター及川
「おお……。塩にワカメにシルク麺と、こだわりがたくさんですね。これからこんなラーメンを作っていきたいという目標はありますか?」
店主 早坂さん
店主 早坂さん
「僕の原点は『医食同源』。流行りに左右されたり、ブームに合わせて小手先で作ったような味は嫌なんです。最後には、究極に軽いのにおいしく感じるラーメンを作れたらいいですね。いつかは『ここのラーメンがおすすめだよ』とお医者さんに言ってもらえるような一杯を作りたいです」
ライター及川
ライター及川
「おいしさはもちろん、食べる人への思いが込められたラーメン。スープをすすり麺を味わえば、それだけで心がじんわりと満たされます。ああ、あの味わいを思い出して頭の中が肉ワカメらーめんモードでいっぱいに……。よし、明日のお昼にまた行こうっと!」

▼ラーメンDATA▼

・麺の太さ:中太麺
・スープの種類:豚骨・魚介・削り節・昆布
・スープの味わい:あっさり★★☆

取材メモ/店主・早坂さんのラーメンに懸ける深くて熱い思い。この記事には書ききれなかったのですが、極上の一杯を求めるために、話は人間の進化論や人口問題などにも広がり……。興味のある人はおやじさんを訪ねてみれば、「ここまで奥が深いのか!」と圧倒されること間違いなしですよ。

取材・文=及川恵子 撮影=齋藤太一

※掲載の内容は2018年2月時点の情報に基づきます。
※2019年6月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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