岐阜・西濃 氏神での神前結婚式で現代によみがえる十二単の魅力

2018/02/07

岐阜・西濃 氏神での神前結婚式で現代によみがえる十二単の魅力

多くの衣を重ね着する平安時代の女性の衣裳、十二単。季節や行事により、色や柄の組み合わせが定められていました。過去の文献から独学で十二単を制作し、貸し出しや着付けを行う伊富神社宮司の加納克也さん。美しい衣裳を通して、神前結婚式や結婚奉告祭の伝統を地域に根付かせようと活動しています。

中広

中広

氏神での神前結婚式を地域に広めたい

独学で制作法を学び十二単を生み出す

宮中や公の場所で用いられる晴れの装束として、平安時代の中期に現在のかたちが完成したと伝わる十二単。単や五衣、打衣、表着、唐衣などを着重ね、裳をつけて、頭部を釵子で飾ります。

そのすべてを制作し、貸し出しや着付けを行っているのが、岐阜県安八郡の伊富神社を始め、33の神社で宮司を務めている加納克也さんです。加納さんが十二単をつくり始めたのは、今から約20年前。結婚式で衣冠を着たいと考えたのがきっかけです。大学図書館で文献を探し、およそ半年をかけ、独学で衣冠と十二単を完成させました。

加納さんが手づくりした十二単。重さは約13kg、布を重ね着するのでとても暖かいそうです。男性が着用する衣冠の衣裳も用意されています。笏は人差し指、中指、薬指を前、親指と小指を後ろにして手に挟みます

「昔からものづくりが好きでした。母が縫製の仕事をしていた関係で、子どものころから作業を見たり、まねをして着物を縫ったりしていたので、結婚を機に『自分でつくってみよう』と思い立ったんです」と加納さん。女性が手に持つ桧扇や、木靴まで自作しています。

結婚式の参列者から「私も着てみたい」との声があがり、衣裳の貸し出しを始めました。近年の貸し出しは1年に3~4件ほど。インターネットでも告知しているため、全国から問い合わせが入ります。貸し出しと着付けのために、宮崎県まで出向いたこともあるそうです。一昨年は石川県立歴史博物館の着付け体験用衣裳を制作。今年は6、7件の衣裳制作を請け負いました。


体験会を多く実施。歴史的な衣裳に親しみを

加納さんがこれまでに貸し出し用として制作した十二単は、単4色、表着6色7種、唐衣5色6種。利用者の好みや体格に合うように制作していくうちに増えていきました。

当初は時間がかかっていた作業にも慣れ、現在一式をつくるのにかかる期間は1カ月ほどです。「本物の十二単は絹を使用しますが、扱いやすさを考え、主に化学繊維を用いています」と加納さん。小袖や長袴、桧扇を含めると、十二単一式の重量は約13㎏にもなるそうです。

社の入口から社殿までは、加納さんが先導してくれることも。清らかな横笛の音が雰囲気を盛り上げます。横笛も加納さんの手づくりです

制作でもっともむずかしいのは、唐衣の襟部分。縫い返しのない独特な縫い方で、きれいなかたちを出すには細心の注意が必要です。脇の部分のつくりは動きやすいようにアレンジ。五衣から表着までの7枚はグラデーションになるように1㎝ずつ裄丈を小さく仕立てます。ずれが生じると色がきれいに出ないため、一つひとつの作業に細心の注意を払います。

地域では、各神社の祭りに合わせた着付け体験会や十二単についての講演会を定期的に実施。毎年4月初旬に安八郡の名木林神社で十二単を着る氏子結婚奉告祭を行っています。

子どものときから歴史ある衣裳に親しんでもらいたいと、新入学児童の健康や学業成就を祈念する勧学祭、七五三祈祷でも、去年から子ども向け着付け体験会を開催しています。

4月に名木林神社で行われた着付けの体験会。子どもへの着付けもしました

地元で行う本式の神前結婚式。氏神との結びつきを強める

近年は、神前結婚式を選ぶ人が増えてきているといわれています。「ご自分の氏神様の前で式を挙げるのが本式ですから」と加納さん。十二単の貸し出しでは現地に同行し、簡単な作法を指導することも。

三三九度は最初の2回軽く口をつけ、3回目で飲み干すのが正しい作法。新郎には笏の持ち方や懐への入れ方も教え、伝統の継承に力を入れています。

今後の目標は、神前結婚式を地域により根付かせていくこと。「十二単は、普段の生活ではなかなか着る機会がないですから、良い記念になると思います。それに神前結婚式を挙げてもらえるのは、神社にとっても喜ばしい。ご自身の氏神様の神社にお問い合わせいただければ、ご快諾いただけると思います」

氏神は、私たちの祖先が古くから祈りを捧げてきた存在。平安時代からの由緒正しい衣裳や厳かな神前結婚式を通して、氏神との結びつきを強めてほしいと話しました。さらなる関心を集めるため、加納さんは新たな十二単制作に取り組みます。


正月に伊富神社と名木林神社で古代米のふるまいを実施

古代米 黒米

加納さんは地域の古代米や伝統野菜の栽培にも力を入れています。古代米は、黒と赤それぞれのもち米やうるち米など5種。野菜は、琉球王朝秘蔵の薬草といわれるウコン、古くからこの地域でつくられてきたサトウキビ、伊吹山の伊吹大根などを栽培しています。「地域で昔から食べられていたものを残したいと思っているんです」と加納さん。毎月4日に名木林神社の境内で開催される朝市やインターネットを通じて購入できるほか、正月には伊富神社と名木林神社で古代米の無料ふるまい(1人1袋)も予定しています。

\西濃の主な神前結婚式スポットはこちら/

Yahoo!ロコ南宮大社
住所
岐阜県不破郡垂井町宮代1734-1

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アクセス
垂井駅[南口]から徒歩約19分
電話
0584-22-1225
営業時間
通年 5:00~18:00
定休日
年中無休
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Yahoo!ロコ日吉神社
住所
岐阜県安八郡神戸町大字神戸1

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アクセス
広神戸駅[出口]から徒歩約9分
北神戸駅[出口]から徒歩約14分
池野駅[出口]から徒歩約36分
電話
0584-27-3628
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Yahoo!ロコ三輪神社
住所
岐阜県揖斐郡揖斐川町三輪1322番

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アクセス
揖斐駅[出口]から徒歩約31分
美濃本郷駅[出口]から徒歩約58分
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ大垣八幡神社
住所
岐阜県大垣市西外側町1-1

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アクセス
大垣駅[近鉄出入口]から徒歩約8分
大垣駅[出口]から徒歩約9分
大垣駅[南口]から徒歩約9分
電話
0584-78-4977
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Yahoo!ロコ伊富神社
住所
岐阜県安八郡安八町牧

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アクセス
岐阜羽島駅[南口]から徒歩約53分
新羽島駅[出口]から徒歩約54分
電話
0584-64-4343
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ名木林神社
住所
岐阜県安八郡安八町大森

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アクセス
岐阜羽島駅[南口]から徒歩約25分
新羽島駅[出口]から徒歩約27分
江吉良駅[出口]から徒歩約39分
電話
0584-64-4343
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ結神社
住所
岐阜県安八郡安八町西結584

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アクセス
横屋駅[出口]から徒歩約22分
東大垣駅[出口]から徒歩約30分
十九条駅[出口]から徒歩約36分
電話
0584-64-3111
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