岐阜・西濃 日本BMXフリースタイルパークのトップライダー

2018/02/08

岐阜・西濃 日本BMXフリースタイルパークのトップライダー

2020年の東京オリンピック追加種目、自転車競技BMXフリースタイルパーク。技の難易度や完成度の高さを競う競技です。日本の第一人者としてBMX界を牽引してきた高木聖雄さん。BMXの魅力、オリンピック出場への決意を聞くため、練習拠点とする上石津町・緑の村公園を訪ねました。

中広

中広

BMXとの衝撃の出合い。プロライダーまでの道のり

東京オリンピックの追加種目となり注目を集めたBMX。速さを競うレースや、技を競うフリースタイルなど、さまざまな種目があります。高木聖雄さんは、ジャンプの高さやトリック(空中で行う回転技)を競うBMXフリースタイルパーク種目の選手。2011年から5年連続で日本チャンピオンに輝き、2015年には本場アメリカシリーズコンテストでのプロ優勝など素晴らしい戦歴を持っています。日本で一人しかできない技を武器に、いま一層、新しいトリックに挑み続けているプロライダーです。

BMXフリースタイルパークは、1分間の演技を2回行い、合計得点を競います。技の難易度や完成度だけではなく、トリックの組み合わせなど選手のオリジナリティーも評価の対象。「自分にしかできない組み合わせ、ジャンプを見せたいと思っています」と高木さんは語ります。

(C)YBP PROJECT・Ryuta Iwasaki

高木さんの出身地は岐阜県養老郡。BMXに出合ったのは14歳のときです。たまたま見たBMXの動画に心を奪われました。以前から自転車が好きでジャンプを繰り返していた高木さんは、「今まで目立たなかった自分が武器とするのはBMXだ。これで頂点を目指そう」と決意します。

しかし、当時はBMXの知名度が低く、練習できるBMXパークが国内にほとんどありませんでした。高校生になった高木さんはアルバイトで貯めた資金で倉庫を借り、手づくりのジャンプ台や着地台を設置。独自のBMXパークをつくります。

その後、岐阜県上石津町の緑の村公園の協力で練習場を移転。情熱を絶やすことなく日々練習に明け暮れ、17歳でプロライダーに昇格しました。


世界との差を縮めるため、日本の練習環境を整える

高木さんは国内トップ選手に名を連ねた2009年、初めての海外遠征を経験しました。そのとき、海外ライダーのレベルの高さや層の厚さに圧倒されました。海外ではホームセンターで簡単にBMXが手に入り、いたるところにBMXパークがあります。練習のために福岡から岐阜にやってくる人がいるほど練習場が少ない日本とは、環境が大きく異なります。

「初めてレジーランプというジャンプ台で練習したのですが、それまで国内で何百回、何千回やってもできなかった技が、いくつも成功できたのです。『これは魔法のジャンプ台だ』と思いました」と高木さんは当時の驚きを語ります。

地元・上石津BMXパークや愛知県あま市のHi-5スケートパークで小中学生を対象にしたスクールを週6日開講

レジ―ランプとは着地点のシート下に何層ものスポンジマットが仕込まれ、落ちても転んでもリスクが少ないジャンプ台です。失敗の恐怖を軽減し、思い切りよく技に挑戦することができます。また、海外の選手は地元で親しい人の理解や応援を得て、安心して練習できる環境が整っています。その違いが世界との実力差に大きく影響しており、世界の頂点に立つためにはBMXの魅力を伝え、気持ちよく練習できる場をつくらなければと痛感した高木さん。自分のためにも、日本の後輩たちのためにも、地元にレジ―ランプをつくろうと決意します。

半年でバックフリップができた中学生も。世界でトップクラスのプロの指導を「優しくて絶対できるようにわかりやすく教えてくれる」といい、高木さんはみんなの憧れです(C)Hi-5スケートパーク

しかし、日本で5年連続チャンピオンのプロライダーでも生活は厳しいもの。配送業や運送業のアルバイトで費用を集め、構想から2年後の昨年、練習拠点である上石津にワールドカップとほぼ同様の規格の巨大なレジーランプを完成させました。現在、レジ―ランプは、上石津のものを含めて日本に2台しかありません。

高木さんは「地元サポーターが機材の運送用トラックを貸し出してくれたり、作業を手伝ってくれたりしました。そうした支援が何よりもうれしかったです。いまも心から感謝しています」と、当時を振り返ります。


東京オリンピックを目指し、自分だけのジャンプに挑む

高木さんは選手としてだけでなく、エンターテイナーや指導者としても活躍しています。全国各地のエアーショーやイベント、有名アーティストのステージに参加。地元では、週6日ペースで2年以上、小中学生に指導をしています。

だれでもできる技を突き詰めて、『聖雄の技が見たい』と求められる、エンターテイナーを目指し、高木さんは練習を続けます。難度の高い大技になれば危険度は増しますが、できる限り安全を確保し、恐怖心を克服するために転び方も練習。「必要なのは冷静さや情熱だと生徒に伝えていますが、それ以上に大切なのが『行くぞ』という気合いです」と、高木さんは快活に笑います。

高木さんは2018年、28歳で選手からの引退を予定していました。しかし6月にBMXフリースタイルパークが東京オリンピックの追加種目となり、「人生に一回のチャンス。出場するしかない」と奮い立ちました。

今後の成績が選手選考にも関わるため、一試合ごとに結果を残していきたいと高木選手。現在よりも自分らしさを確立させ、「オリンピックでは必ず、自分だけのジャンプに挑みたい」と熱く意気込みを語ります。

高木聖雄 TOSHIO TAKAGI プロフィール

岐阜県養老郡出身で1989年生。高校卒業後に地元の製造業に就職したことも。現在は上石津町とあま市でインストラクターをし、出演依頼があれば全国で「聖雄のジャンプ」で観客を沸かせます。今年7月、妻の亜紀さんと結婚。その支えも心強く、より高くより高度なジャンプにトライできます

Yahoo!ロコかみいしづ緑の村公園
住所
岐阜県大垣市上石津町上多良前ヶ瀬入会1-1

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電話
0584-45-2287
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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