日本一広い川幅から生まれた埼玉・鴻巣市の新名物

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気取らず楽しめるB級グルメが好き!

2018/02/19

日本一広い川幅から生まれた埼玉・鴻巣市の新名物

市内を流れる荒川の幅が、日本一と認定された埼玉県鴻巣市。これをテーマに市内の店が力を合わせ、食で地域を盛り上げようと奮闘している。川幅グルメの発案者である鴻巣市役所の羽鳥敦さんと、協力者の皆さんに話を聞いた。

中広

中広

川幅グルメに込める地域愛

川幅日本一に着想を得たご当地グルメでまちをPR

鴻巣市名物の川幅グルメ。今、その知名度が県内外でじわりと高まっている。市内24軒の店舗が、それぞれ幅広で長さのある商品を開発。どらやき、ケーキ、せんべいと内容も多岐にわたる。なかでも多いのが、川幅うどん。常識を越える幅広麺は、箸でつかむのがやっとで、すくい上げた様子はまさに大きな川のようだ。

川幅をテーマにしたグルメが開発され続けている理由を教えてくれたのは、川幅グルメの発起人であり、当時、鴻巣市商工観光課に在籍していた羽鳥敦さん。

「鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川の幅は、日本一。これをきっかけに市をPRしたいと考え、川幅グルメを思いつきました」。

2015年に開催された、第12回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦には12万人もの人が来場。40店がエントリーした中、川幅グルメが優勝した

国土交通省が定める川幅とは、河川敷を含めた堤防間の距離。御成橋のたもとに、川幅日本一2537メートルと刻まれた標柱が建てられたのは、2008年だった。市をあげて観光に力を入れようとしていた羽鳥さんたちは、これに着目。その上で、「名物を作ろうとしたら、食は外せないと考えました」と続ける。

鴻巣市をはじめ埼玉県北部は、昔から粉食が親しまれてきた地域。うどんやそばのメニューと日本一を絡めたい。市内の複数店で提供できたら、インパクトがあるだろう。川幅にちなんだ幅広麺などおもしろいのではないか。標柱の序幕から1年もしない2009年、市内の商店主たちに相談をしたところ、面白そうだと快諾したのが、めん工房久良一の店主、小峰久尚さんだった。

鴻巣市は巨大なひな段飾りで有名。小峰さんは当時、ひな祭りのイベントに合わせたメニューを考案し、地域を盛り上げる取り組みに挑戦していた。

川幅鉄火丼 1,050円(数量限定) 寿司桶からはみ出るほどのマグロの柵を、日本一の川幅に見立てた鉄火丼が名物 ■問 ご馳走Dokoro かねはち(清水慎一さん) ■電話 048-595-3446

「商店街の仲間で、小麦の名産地である鴻巣市をアピールしたいと考えていました。そんな矢先に羽鳥さんから提案されたものだから、早速次の日には試作を始めました」と、小峰さんは笑顔を見せる。

幅広麺の製造について、小峰さんは同じ市内にある吉見屋製麺所の社長の関口泰弘さんに話を持ちかけたが、当初、関口さんは難色を示したという。理由は、幅広の麺は普通の製麺機で作れず、一本ずつ包丁と定規で切り揃えて手作りする必要があるから。さらに、出来た麺は重みがあって竿に干せないので、乾燥させるために広げる場所を用意しなくてはならない。

しかし小峰さんの熱意に押されて試作を重ね、やがて古い製麺機を幅広麺用に改良。安定した量を供給できる体制を整えた。「これは、いける」と、羽鳥さんたちは手応えを感じたそうだ。

川幅ケーキ 750円 完全無農薬・有機栽培された、こうのとり米を使用したケーキ。ふんわりと優しい口当たりが特徴。 ■問 低糖質スイーツ&カフェ SASSY (野口俊さん)■電話 048-541-0713

イベントでの躍進を契機に利用者も提供店も増加

鴻巣市に新しい食の名物を誕生させよう。その動きが、大きな転機を迎えるきっかけとなったのは、埼玉B級ご当地グルメ王決定戦だった。

2010年に行われた第6回大会で、川幅うどんが準優勝したのだ。大会に挑む様子のテレビ密着取材や、メディア紹介回数の増加につれて知名度が高まり、7回目の出場となる2015年の同イベントで念願の初優勝を飾った。

「本当にうれしかったですね。こうしたイベントは開催地が有利で、その時の会場は草加市。でも12万人が来場した中で1位を獲得し、大きな自信になりました」と、小峰さんは振り返る。

川幅ラスク 450円 長さが30cmもあるラスク。甘くて香ばしい、キャラメルの味付けがされている ■問 創作洋菓子 梛の樹(吉野聖仁さん) ■電話 048-598-8979

イベント会場で食べた人が、友達を連れて鴻巣市に来てくれる。川幅グルメに賛同してくれる店も次第に増えていった。

羽鳥さんも小峰さんも、「鴻巣市は、観光で大きくアピールできるものが弱いと思っています」と口を揃える。「でも、自分たちのアイデアをきっかけに、多くの人がまちを知り、来てくれる。やり方は様々だと気付きました」。

川幅グルメの運営を引き継いだ、鴻巣市観光協会事務局の長谷川達也さんと、鴻巣市環境経済部観光戦略課主事の川並勇輝さんも、「先輩方が残してくれたものを広げていきたい。今後も、皆さんに広く知ってもらえるように頑張ります」と、言葉をつなぐ。新たに川幅グルメに参加したいという店の相談も相次いでおり、食以外のジャンルへ広がる可能性もあるそうだ。

川幅りんごのケーキ 350円 ケーキで川の幅を、クリームで水の流れを見立てて飾った、りんごを使ったケーキ ■問 ギャラリーカフェ ストーク(谷口敏郎さん) ■電話 090-1122-9127

隣りの行田市は、最近までテレビドラマが放映されていた影響から、賑わいを見せる。これを弾みに、ロケ地巡りの観光客には、昼食で鴻巣市の川幅グルメを食べてほしいと、全員が意気込む。観光客にとっても、市が勧めるメニューならと、気軽に店選びをできるだろう。

「鴻巣市に来た人が、川幅グルメって何だろうと思ってくれるだけでいいんです」と長谷川さん。それが興味をもってくれた第一歩だからだ。最近は、訪日外国人数の増加に伴い、市内店舗で幅広麺を食べる外国人観光客の姿も、見かけるようになった。

地域を愛する人々の熱意と創意工夫で、盛り上がりを見せる鴻巣市の新名物。当地から市外、県外、そして国外へ。川幅グルメの名が広まっていくのを期待したい。

川幅せんべい 157円 国産米を100%使用し、昔ながらの製法で1枚ずつ職人が手焼き。味の種類が豊富 ■問 本手焼 おおとり(大塚克恵さん) ■電話 048-541-0373
川幅まんじゅう 120円 生地に吉見町の特産であるいちごジャム、餡にレーズンを使い、表面は川の流れをイメージ ■問 御菓子司 もみじや(菊池紀行さん) ■電話 048-542-0150
川幅うどん(乾麺) 515円(6枚入り) 埼玉県産小麦を100%使用。もちもちとした麺は、うどん以外の料理にも使える ■問 吉見屋製麺所(関口泰弘さん) ■電話 048-541-0161
Yahoo!ロコ鴻巣市観光協会
住所
埼玉県鴻巣市人形1-4-20

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アクセス
鴻巣駅[東口]から徒歩約15分
北本駅[東口]から徒歩約36分
電話
048-540-3333
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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