真珠のゆりかごを爽快クルーズ 賢島遊覧船組合の英虞湾島めぐり

2018/03/04

真珠のゆりかごを爽快クルーズ 賢島遊覧船組合の英虞湾島めぐり

入り組んだリアス式の英虞湾には、 賢島をはじめ、大小六十余りの島々が浮かぶ。自然の風景が楽しめる、賢島遊覧船組合の島めぐり。船長自らが、真珠養殖やリゾート、 伊勢志摩サミットにまつわるエピソードを紹介している。

中広

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英虞湾に六十年余 賢島遊覧船組合

伊勢志摩サミットの舞台となった賢島から海へ出て、志摩を眺めてみよう。緑と青のコントラストが美しい英虞湾には、大小さまざまの島が無数に浮かぶ。真珠筏で作業する人や、ときにはナマコ漁の船にも出合える。海に面して建つリゾートホテルも華やかで、豊かな自然だけでなく、志摩の生業が垣間見える。

遊覧船は、志摩で欠かせないアクティビティのひとつ。「観光はお客さんが来てくれるのを待つ商売。サミットで賢島のネームバリューはあがったけれど、観光業は波があって、なかなかに厳しい」と遊覧船を運営する竹内安平さんは話す。  英虞湾島めぐりは、昭和三十三年に賢島遊覧船組合によって始まった。船を所有する三人で結成されたが、現在、船主は二人になった。

遊覧中は、さまざまなアングルから景色を見ることができる。船長のガイドは50分間。湾内の景色だけでなく、真珠養殖をはじめとする水産業や、リゾートホテルのエピソードなど、乗客を飽きさせない話は必聴

船舶は初期投資だけでなく、維持管理や修理費にも費用がかかる。停泊する三隻の色鮮やかな遊覧船は、自分たちでペンキを塗っているという。

船長たちは長く勤める人が多く、竹内さんは「操業してから一回も人身事故はないなあ。お客さんを楽しませる案内をしながら船を安全に運転するのは、なかなか若い子では難しいやろなあ」と、後継者の心配をする。老若男女の客を五十分間の航路で飽きさせるわけにはいかない。賢島遊覧船組合の遊覧船は、表情豊かな自然だけでなく、ガイドのおもしろさによって、乗客の満足度が高いという。船の安全を守りながら舵を取り、志摩の魅力を伝えているのだ。

切符売り場は賢島駅から徒歩1分の場所にある。出港を待つ間は、駅の伊勢志摩サミット記念館や商店街をぶらりと散策できる。船内には、真鍮の時計や海上安全の御札などがあり、クルージング気分も高揚

郷土愛あふれるガイドで穏やかな湾内を巡る

遊覧船の乗り場は、近鉄賢島駅を出てすぐにある。一番乗りの乗船客は、「水がきれいやわ」と海を覗いて声を上げた。特に冬の英虞湾は、底まで透き通るほど。青い海をキャンバスに、点在する大小六十余りの島々が複雑に混ざり合い、自然が織り成す日本の原風景を楽しめる。波穏やかな湾内では、船酔いの心配がない。

出港してしばらくすると、前方に小型船を発見。早速、船長・藤谷富明さんのガイドが始まる。「あの漁師さんはナマコ取りの名人。今の時期はナマコの旬です。水温が低いと透明度が高いので、あのように水の中を覗いて、ナマコを探してるんです。見つけると棒で突いて採ります。見とってください、じきに仕留めますよ」とスピーカーから実況中継が流れる。見事、船上の漁師はナマコを採り上げ、遊覧船に向かってニッコリ。船内は驚きの声で満ちる。

操舵室の後方に自由席が設けられ、1階は天候に左右されない客室となっていて、雨でも風の日でも快適。2階のデッキに出れば、潮風を感じて眺めはバツグン

海上に筏や黒いブイが見えると、英虞湾で盛んな真珠養殖を紹介。「真珠を育てるアコヤ貝を籠に入れていますが、定期的に掃除をするんです。真珠の珠を取り出すのは十二月から一月末ぐらいで、ちょうど今が待ちに待ったシーズン。すでにアコヤ貝を海から揚げて、小屋で作業していますよ。海沿いに八百〜九百軒建っていますが、真珠業者は今では最盛期の二割ぐらいです」と真珠のゆりかごと呼ばれる英虞湾の、厳しい現状も語る。

緑が美しく映える養殖網は、海苔つくだ煮の原料となるアオサだ。英虞湾内ではカキも養殖されている。釣り筏もいくつか浮かんでいて、この時期は、クロダイやカレイ、サヨリが釣れるそうだ。

しばらくすると、船は島と島の間の、狭い浅瀬へ舳先を向けた。「今からここを進んでいきます。ずいぶん浅いです。これ以上浅いと通るのは無理でしょうね。万が一、底をすってしまったら、後ろに座っている方は押してくださいね」と冗談交じりのアナウンス。小回りがきく船だからこその航路を走り、海も島もかなり身近に感じられる

波静かな英虞湾を楽しいガイドで案内しますよ!

夕陽の景勝地として有名な登茂山、漁師や海女が暮らす和具エリア、志摩の郷土料理・手こね寿司、そして志摩観光ホテルでのサミット秘話など、幅広いジャンルで志摩をガイドする。地中海村やアマネム、定期船が運行する間崎島をはじめ、伊勢えび祭りで知られる浜島など、英虞湾をぐるりと囲む志摩のまちや施設、見えるもの全てを語る様子は、郷土愛に満ち溢れている。

ガイドに耳を傾けていると、五十分はあっという間。発着場に船が戻ると、乗客から一斉に拍手が起こった。

\英虞湾島めぐりにLET’S GO!/

「賢島宝生苑」 賢島で一番大きな宿泊施設。源泉を引いた天然温泉の露天風呂からは、朝夕の英虞湾の風景が楽しめると人気だ
「小島と小島の間へ」 小回りがきく船だからこその航路で、狭い島々の間を進む。オープンの2階席からは海の透明度も間近で確認できる
「志摩観光ホテル」 サミットの舞台となった志摩観光ホテルは、左にベイスイート、天守閣のように右奥に見える建物がクラシック
「湾内唯一、個人所有の島大高崎島」 干潮時には陸地が現れ、小島に渡れる大高崎島。養殖筏がそこかしこにあり、その合間を縫って進む
「ミキモト真珠養殖場多徳島」 真珠王と呼ばれた御木本幸吉が、明治期に初めて真珠養殖に成功した場所として知られる神明浦の島
「樹木に囲まれた恵比寿像」 島の突端に現れた恵比寿像。海や商売に縁のある恵比寿像や大黒像に深い関心を寄せていた御木本幸吉が建てたもの
冬が旬のナマコ漁
GOAL!

観光地・賢島の魅力を海上から眺めてみよう

真珠養殖が盛んな賢島に、電車が開通したのは昭和四年。昭和二十六年から、近代的な開発が急ピッチで進行し、ホテルや旅館、民宿、志摩マリンランドなどの施設が競うように次々と建てられた。周辺は観光基地として外観を一変。昭和四十五年、近鉄特急の乗り入れにより、観光客は急増した。竹内さんは「昭和六十年ごろが、よお流行ったなあ。大王崎の灯台や海水浴のお客さんも多かった」と記憶する。

英虞湾島めぐりでは、伊勢志摩国立公園に指定される恵まれた自然、そして人々の営みを、海上から改めて見つめ直すことができるだろう。
※参考文献『阿児町史』

Yahoo!ロコ賢島遊覧船組合
住所
三重県志摩市阿児町神明賢島

地図を見る

アクセス
志摩神明駅[出口]から徒歩約11分
鵜方駅[出口2]から徒歩約14分
鵜方駅[出口1]から徒歩約17分
電話
0599-43-1048
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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