全国から挑戦者たちが集う名古屋のデカ盛り店3選

特集

デカ盛り好きなら制覇したい! 東名阪の人気9店

2018/03/02

全国から挑戦者たちが集う名古屋のデカ盛り店3選

名古屋は知る人ぞ知るデカ盛りグルメの聖地。お腹に自信のある猛者たちが噂を聞きつけて、全国からやってくるのだ。そこで今回は、地元在住のフードライターが難攻不落の3店をご紹介!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

挑戦者ウェルカム!な
正統派デカ盛り店はココだ!

【でらうまいデカ盛りグルメ3店】
1.洋食亭 寅安(天白区)
2.店麺多房 あいうえお(平針)
3.カフェテラス ダッカ(高岳)

数年前、テレビで頻繁にデカ盛り店を取り上げていた時期があった。中にはテレビウケを狙った確信犯的な店も少なくはなかった。実際に食べに行っても、要予約や数量限定だったり、値段が異常に高かったりと、かなりハードルを高めに設定してあるのだ。しかし! 今回紹介するのは、「いつ何時、誰の挑戦でも受ける!」というアントニオ猪木的スタンスの、いわば真のデカ盛り店。とくとご覧あれ!

\私がナビゲートします/

永谷正樹

永谷正樹

フードライター

山のようにそびえ立つ
特製唐揚げ定食

「洋食亭 寅安」(天白区植田山)

「究極の旨さ安さに挑戦」とのキャッチフレーズに偽りはない

定食屋の定番、唐揚げ定食。唐揚げはご飯をおいしく食べるためのおかずなのか。いや、ご飯はあくまでも箸休めにすぎず、唐揚げでお腹を満たしたいという人もいるはずだ。
そんな“ご飯派”と“唐揚げ派”の双方が納得する唐揚げ定食を出す店が天白区植田山の住宅街に佇む「洋食亭 寅安」。最寄り駅は地下鉄鶴舞線塩釜口駅だが、徒歩約30分。決してアクセスが良いとはいえないものの、腹を空かせた猛者たちが訪れるという。

味わいのあるメニュー。どれも驚くほど安い

店内には、洋食店ならではのメニューがズラリ。どのメニューにも「特製」の冠が付いておいしそう。しかも、安い。選ぶのに迷ってしまうが、ここはやはり「特製唐揚げ定食」(780円)だ。

定食に付くご飯。左から、小盛、中盛、大盛。裏メニューに約1.5キロの特盛もあるが、大盛を完食した人だけが注文できる

メニューを選んだら、次はご飯の量。小盛(約300グラム)と中盛(約500グラム)、大盛(約900グラム)から選べる。しかも、ウレシイことにどれも値段は同じ。大メシ喰らいなら、迷わず大盛をセレクトするだろうが、本当に食べられる量を注文しよう。

数あるメニューの中でも人気の「特製唐揚げ定食」(780円)。日によっては売り切れてしまうことも

これが「特製唐揚げ定食」のご飯大盛。皿の上にそびえ立つ、その様はまさに唐揚げチョモランマ。子供のゲンコツほどの大きさの唐揚げが1、2、3……。なんと、11個もあるではないか! こりゃ食べ応えがありそうだ!

絶妙なバランスで積み上げられた唐揚げが美しい(笑)

唐揚げを横から見ると、こんな感じ。まさに、山そのもの(笑)。
さて、肝心な味だが、しっかりと揚げてあるのか、衣のサクサク感が最高。噛むごとに肉汁とともにスパイシーな味わいがジュワッと広がり、モーレツにご飯を掻き込みたくなる。ごはんのおかずにはぴったりの味付けだ。
どうしても食べられないときは、持ち帰り用のパック(20円)をもらおう。

店主の山本康雄さん。鶏肉は一日約16キロも使用するとか

「ウチの唐揚げは、冷めてもおいしく食べられるから、持ち帰って夕飯やお弁当のおかずにしているお客さんもいるよ」と、店主の山本康雄さん。

「オムライス大」を注文するには相当な覚悟が必要だ

「特製唐揚げ定食」に限らず、すべてのメニューはデカ盛り。中でも、もっとも完食するのが困難といわれるのが「オムライス大」(1000円)だ。店内の貼り紙には、「お一人で完食できる方のみご注文ください」とあるが、山本さんの厳しい「審査」をクリアせねば注文を受け付けてくれない幻のデカ盛りメニューなのだ。
「まず、定食のご飯の大盛を3杯食べた人だね。それと、食べ終わるのに1時間も2時間もかかると、他のお客さんに迷惑だから、30分前後で完食できる人だね」(山本さん)と、そのハードルはかなり高い。

「オムライス大」(1000円)。スープとサラダ、漬物も付く

今回、特別に作っていただいた「オムライス大」がこれ!ご飯を圧縮して、お皿ぎりぎりに盛り付けてある。その様はまさにナゴヤドーム。その上には自家製のデミグラスソースとケチャップが半分ずつかけられている。具材は鶏肉と玉ネギ、マッシュルームとシンプルだが、洋食店ならではの上品な味わいだ。

店主のおもてなしの心がデカ盛りに
「洋食亭 寅安」は、フランス料理店やホテルで修業した山本さんが2000(平成12)年に開店させた。もともとボリュームは多い方だったが、今ほどの量ではなく、時が経つにつれてだんだんと増えていったという。それは、山本さん自身の体験が背景にあるようだ。
「19歳のときに大阪で一人暮らしをしていたんだよ。お金がないけど、お腹いっぱい食べたいといつも思ってた。だからお客さんにいっぱい食べてもらいたいんだよ」(山本さん)と、デカ盛りは、山本さんのおもてなしの心そのものなのだ。

マニアの間で「史上最強」と
評される驚愕のデカ盛りメニュー

「店麺多房 あいうえお」(平針)

スタイリッシュな店構え。 07年9月にリニューアルオープンした

名古屋はおろか、全国にその名を轟かせているデカ盛り店が天白区平針にある。それが1980(昭和55)年創業の「店麺多房 あいうえお」だ。
オープン当初は、サンドイッチやカレー、ピラフなどの軽食が中心だった。デカ盛りの店に変貌を遂げたのは、平針という場所柄ゆえのことだった。

二代目店主の永田国大さん。 98年に1年間イタリアで修業した経験を持つ

「平針界隈は大学が多く、食べ盛りの学生さんたちのお腹を満たしてあげたいという思いから、大盛パスタをはじめたんです。当時は父が店を切り盛りしていましたが、本場の味を研究しようと、何度もイタリアに足を運んでいました」と、二代目店主の永田国大さん。

「なつかしのナポリタン」(1380円)。熱々の鉄板の下には溶き卵が流してある

何を隠そう、私も学生時代に「平針にスゴイ店がある」という噂を聞きつけて食べに行ったことがある。並盛のはずなのに、他店の大盛というボリュームに大満足だった。写真は、熱々の鉄板でいただく「なつかしのナポリタン」(1380円)。言っておくが、これが並盛である。その重量は450グラム。普通の人なら満腹だろう。ちなみに900グラムとなる1UPは+300円、1.5キロになる2UPは+800円だ。
「パスタは、一日に最低でも10キロ、週末には20キロは使います。ある日突然、店で使っているパスタ会社の社長がイタリアからわざわざ表敬訪問に来ました。年間、尋常ではない量のパスタを使っているので、いったいどんな店なのか知りたかったのでしょう(笑)」(永田さん)

「病気ライス」(1400円)。炭水化物好きにはたまらない一品だ

ここのデカ盛りメニューは、何もパスタだけではない。むしろ、オリジナルのデカ盛りメニューも充実しまくっているのだ。
いちばん最初に生まれたのが、この「病気ライス」(1400円)。大盛のカレーライスと焼きそば&焼きうどんが一つの皿に盛られている。その重量は、なんと、約1.8キロ! 炭水化物の含有率はどうなってんだか(笑)。
「30年ほど前に、賄いで作ったのがきっかけです。で、食べたスタッフが『こんなに食べたら病気になっちゃう』と。その瞬間にメニュー名が決まりました。当時、完食は困難といわれていましたが、今ではビギナーズラックですね」(永田さん)

「トルコライス」(2500円)。長崎のそれとは内容もボリュームもかなり違う

「あいうえお」=デカ盛りというイメージが定着したきっかけとなったのは、写真の「トルコライス」(2500円)。25、6年前に常連客から、長崎に「トルコライス」なるローカルフードがあると聞いて、見よう見まねで作ったのがコレだ。
永田さんによると、インド(カレー)と中国(チャーハン)、イタリア(パスタ)の真ん中にあるのがトルコとのことだが、中央に鎮座しているのは、ドイツのハンブルグ発祥のハンバーグ……。ま、細かいツッコミはナシの方向で(笑)。

デカ盛り化の情熱が止まらない!
「ちなみに重量は約2.8キロありますが、これの大盛を平らげてしまうお客さんもいるんですよ。大盛は、5~6キロになる1UP(+800円)と7キロオーバーの2UP(+2000円)を用意していますが、小柄で華奢な女性のお客さんが2UPをペロリと完食してしまいました」(永田さん)
常人ではとても理解できないが、大食いマニアにとって「トルコライス」は比較的完食しやすいメニューだという。パスタにたっぷりとかかったトマトソースの酸味が口の中をリセットし、次のひと口へのファイトが湧くのだ。気合いを入れて作ったものの、あっさりと完食された永田さんは、デカ盛りクリエイターとしての創作意欲に火がついた。

「でらモコ」(3800円)。おかずとしてのポテンシャルが低いナポリタンとサラダがご飯の行く手を阻む。ステーキでどれだけごはんが食べられるかで勝負が決まる

そこで誕生したのが、大食いマニアたちの間で「史上最強」と評される「でらモコ」(3800円)だ。もう、カオスすぎて何だかよくわからない(笑)。
その中身は、お皿の半分にそれぞれナポリタンスパと白ご飯がテンコ盛り。さらにその上には約700グラムのビーフステーキと目玉焼き、ウインナー6本、レタスやトマト、キュウリなどの野菜、厚切りトースト1枚分の食パン。総重量たるや、なんと4キロオーバー。果たして、これを完食するお客はいるのだろうか?

永田さんが手にしているのは、「トルコライス」や「でらモコ」に使うお皿。その大きさから、どれほどのボリュームなのかがわかるだろう

「開店前、駐車場に車を止めてラジオ体操をしている方がいたんです。開店と同時に店に飛び込んできて、コレを注文しました。ウンウンと唸りながらも3時間ほどかけて完食しました。準備運動までして挑んでくださって……。めちゃくちゃ気合いが入ってますよね。料理を作る私もファイトが湧きました(笑)」(永田さん)
大食いマニアたちの心境は、「そこに山があるから」と答える登山家と同じなのではないか。「なぜ食べるのか」との問いに「そこにメガ盛りメニューがあるから」としか答えようがないのだ。よくわからないけど(笑)。

客の雰囲気で量を決める!?
難攻不落のチャレンジメニュー

「カフェテラス ダッカ」(高岳)

入り口のそばに鎮座するマネキン人形が“パラダイス”感を演出

通常、デカ盛りメニューは、メニューブックや店内のPOPなどにその重量が明記されている。重さはチャレンジするか否かを決める重要なファクターなのだ。
しかし、東区代官町の『カフェテラス ダッカ』には、オキテ破りの独自ルールがあるという。それは……。

マスターの服部寿雄さん。40年間にわたって厨房でフライパンを振り続けている

「一応、量の目安は書いてあるけどね。オーダーが入ると、厨房の中からどんな人が注文するのかチェックするんだ。で、これは完食される、ヤバイなと思ったら、量を増やしちゃう。つまり、オレがルールなんだよ。だって、負けたくないんだもん(笑)」と、マスターの服部寿雄さん。
「カフェテラス ダッカ」は、1979(昭和54)年に開店。近くには、お嬢様学校として有名なファッション専門学校があり、そこに通う女子学生がランチやお茶に訪れる、エレガントな喫茶店だった。
状況が一変したのは、2007(平成19)年。専門学校が閉校し、女子学生たちの笑顔が咲き誇る花園のような雰囲気は消えて、男性客の野太い声が店内に響くようになったのだ。

客のリクエストから生まれた「ピラフバーグ」(1000円)

女子学生と比べて食べる量もハンパではなかった。サービス精神旺盛の服部さんは、彼らの食欲を満たしてあげたいと思い、ピラフやスパゲティー、焼きそばなどの量がだんだんと増えていったのだった。
また、ピラフとハンバーグの両方を食べたいというお客のワガママなリクエストにも応じた。それが写真の「ピラフバーグ」(1000円)である。ちなみにこのボリュームで並盛。他の店だったら特盛だ。

裏メニューから定番へ。そして……
「ただでさえ量が多いから、大盛は常連のお客さん用の裏メニューだったんだよ。でも口コミでウワサが広がって、いつの間にか定番になっちゃった。今では週末になると、大食いのお客さんが全国からやって来るよ」(服部さん)
「カフェテラス ダッカ」では、大盛のさらに上をいく特盛を「チャレンジメニュー」として、挑戦を受け付けている。ただし、過去に大盛を完食していることが条件だ。
チャレンジメニューは、焼きそばやミートスパ、ピラフなど10種類。中でも難易度が高いのが、鉄板に盛られたケチャップ味のイタリアンスパゲッティーだという。

「イタリアンスパゲッティー並盛」(800円)。強火でイッキに仕上げてあり、麺にしっかりとケチャップの味が染み込んでいる

イタリアンスパゲッティーといえば、小腹を満たすにはぴったりの名古屋の喫茶店では定番の軽食メニューである。
しかし、ここの「イタリアンスパゲッティー」(800円)は、やはり並盛でもかなりのボリューム。軽食というよりも重食だ(笑)。これが特盛になると、いったいどんな量になるのだろう。コワイけど見てみたいような気もする。そんなことを考えていると、

完成した「イタリアンスパゲッティー特盛」をドヤ顔で出す服部さん

「ハイ、イタリアンの特盛、できたよっ♡」と、服部さん。満面のドヤ顔でカウンターから巨大なイタリアンスパゲッティーを差し出した。あまりのデカさに、思わず二度見してしまったではないかっ(笑)。なっ、何じゃそりゃ~!

「イタリアンスパゲッティー特盛」(1600円)。そこいらの大食いでは太刀打ちできない、難攻不落のデカ盛りメニューだ

6キロはあるかな。イタリアンの難易度が高いのは、まず、ケチャップの酸味にヤラれるんだよね(笑)。それとケチャップが“糊”となって、麺と麺をくっつけるから、ミートやインディアンと違って沢山盛り付けることができるんだよ。それでも去年は15人が完食したよ。もう、悔しいったらありゃしない」(服部さん)

手前の並盛が可愛らしく見えるほどデカい!

「イタリアンスパゲッティー特盛」(1600円)と並盛を並べるとこんな感じ。
注目してもらいたいのは、特盛の皿の下から見える黒い部分。実はこれ、鉄板なのだ。熱々の鉄板に盛り付けたスパゲッティーを皿にのせて、その上からスパゲッティーをくわえているのだ。服部さんの勝利(?)にこだわる執念がうかがえる。
ちなみにチャレンジメニューの完食に失敗した場合、店中に聞こえるくらいの大きな声で謝罪するのがルールだ。

接客を担当する奥様の育世さんと。

「こっちは客商売だからさ、いつもお客さんに『すみません』って謝ってばかりでしょ。だから、逆にお客さんから謝ってもらうと、思わずガッツポーズをしちゃう。いやぁ、毎日仕事が楽しくてたまらないよ(笑)。いつだったか、小柄で細身の女の子がペロッと完食したんだよ。しかも、その後に彼氏のハンバーグをつまんでいたこともあった。ムチャクチャ悔しかったけど、『おいしかったから完食できました』って。そう言われるのがいちばん嬉しいね」(服部さん)
ここ「カフェテラス ダッカ」のチャレンジメニューは、食うか・諦めるかの、まさに胃袋の格闘技。お腹に自信のある方はぜひ完食して服部さんをヘコませてくれ!

取材メモ/どの店でも「デカ盛りメニューを20分足らずで完食した」とか「小柄な女の子が涼しい顔で平らげた」という大食いマニアたちの武勇伝を聞きました。その反面、メニューにほとんど手を付けず、写真だけ撮って帰る人がいることもよく耳にしました。記事にも書きましたが、デカ盛りメニューは、お客さんにお腹いっぱい食べてもらいたいという思いで作っているのです。写真を撮りたいがために注文するのは明らかにルール違反だと思います。自分のキャパシティに合った量を注文しましょう。

取材・文・撮影/永谷正樹

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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