犬養裕美子のお墨付き!日常の最高「トラットリア・ダディーニ」

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2018/04/25

犬養裕美子のお墨付き!日常の最高「トラットリア・ダディーニ」

“アナログレストラン”はレストランジャーナリスト犬養裕美子が選ぶ「いい店」。作り手がその場できちんと料理をしていること。小さくても居心地のいい空間とサービス、かつ良心的な値段。つまり人の手、手間をかけた「アナログ」で「アナ場」な店。第48回は白山「トラットリア・ダディーニ」。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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毎日食べても飽きない! パスタソースの基本に感動する

初めて訪れるイタリアンレストランで、あなたなら何を選ぶか。私には仕事柄決めていることがある。
パスタならラグー(ミートソース)かポモドーロ(トマトソース)。手打ちパスタがあればタリアテッレ(幅広麺)や具を包んだカペレッティなど。その店のシェフの、手仕事の具合や味のセンスがわかりやすいもの。つまり、定番メニューで基礎技術を見たいと思うのです。

白山商店街に赤いひさしの外観。夜でも小学生以上のお子さまはOKだが、ファミレスのように騒ぐのはNG

3年前2014年9月にオープンした折の取材以来、久しぶりに伺った「トラットリア・ダディーニ」。今回やっぱりここのパスタは間違いないと納得したのが「タリアテッレ・ラグー・ボロネーゼ」だった。
ラグー(煮込み)・ボロネーゼ(肉と香味野菜を煮込むソース)は、肉と野菜のうま味がバランスよく調和している。 肉のうま味が生きているのにあっさりした味わい。それでいてコクがあるという不思議なソース。そのうま味をタリアテッレのひらひらとした薄い食感が際立たせる。

ボロネーゼの故郷であるボローニャでは、ボロネーズに合わせるのは手打ちのタリアテッレでなければいけないという厳格なこだわりがあるという。たしかにタリアテッレこそが最高のパートナーだと思う。さすがボローニャで2年修業した沼尻芳彦シェフならではの一皿だ。

「タリアテッレ・ラグー・ボロネーゼ」1300円。黒毛和牛、国産の豚の粗びきにレバーを少し足すのが隠し味。人参、セロリ、タマネギ、ニンニクの野菜と一緒に煮込むが、全体に上品で優しい味に仕上がる

沼尻シェフに「常連さんの注文率が高いパスタは?」と質問したら「スパゲッティ トマトソース」というメニューの中でもっともシンプルで安いものだった。
「ただ、トマトを煮て作るだけですよ」というが、作り方を見ていたら、なんと1人前でも注文があってからソースを作る
最初にニンニクと新鮮なチェリートマトをオリーブオイルで火を通し、皮は取り出して、その後にホールトマトを入れて煮込む。シンプルだからこそ、火を入れている間は目が離せない。水分は飛ばしたいがフレッシュさは逃したくない。そのギリギリのところで火入れは終了。できあがったソースは甘くて酸味もあり、トマトのおいしさを丸ごと抽出してパスタにからめて味わっているかのようだ。

トマトソースは注文があってから作る。だから一人ひとりいつも同じレベルに仕上がるのだ
「スパゲッティ トマトソース」950円。麺はイタリアの高級ブランド「マルテッリ」使用。余計なことだが、この値段では安すぎる!

メイン、ドルチェ。見慣れたメニューに発見あり

パスタよければすべてよし! セコンド(メイン料理)の料理名を見ると、おいしそうな素材が並ぶ。「熊本県産えこめ牛ランプ肉」「千葉県産花愁(かしゅう)豚肩ロース」「群馬県産せせらぎポーク」などの肉はすべて炭火焼き。焼くのに50分はかかるので、最初のオーダー時に忘れずに。

「熊本県産えこめ牛ランプ肉」は、はやりの赤牛ではなくホルスタイン種だというが、熊本産のブランド米「えこめ」(「え~米」という意味)を食べさせて育てた牛。これが赤身だけど、やわらかく、かみしめると肉の味がすっきりと味わえる。周りにまぶした特製ハーブ塩も一味違う。ローズマリー、セージ、ローリエ、コリアンダー、レモン、ニンニクなどの香りが肉の風味をアップさせる。つけあわせのルッコラもさわやか。満足感いっぱいの一皿だ。

「熊本県産えこめ牛ランプ肉の炭火焼き」3000円。約200gは二人でシェアして十分な量

最後のお楽しみ、ドルチェは奥さまのレシピ。毎日、3種類ほど用意されているドルチェはイタリア菓子を代表するシンプルなティラミス(マスカルポーネのケーキ)、ボネ(チョコレートムース)、フルーツのお菓子など。
特にティラミスは写真の通り山盛りのボリュームで出てくるが、マスカルポーネ、生クリーム、卵を同割で泡立てて混ぜたエアリーな食感。あっという間に食べてしまう軽さ。ティラミス好きに限らず、一度は味わってほしい。

「ティラミス」700円。2~3人分はあろうかという大きさだが、食べ終えると、一人占めしたかったと悔やむおいしさ
沼尻シェフは東京出身。地元、東京都内で基礎を学び、イタリアへ。手打ちパスタのエミリア・ロマーニャの州都・ボローニャの近郊で2年修業

沼尻シェフが恵比寿で独立したのがもう15年ほど前。客席から調理中の姿が見えるのを嫌い、キッチンは中が見えないように閉ざされていた。その後何店かを経験して、今のオープンキッチンのトラットリアを出すとは意外な展開だ。

店内

「キッチンは一人でやっているので、客席を気にしている余裕ありませんよ」と言うが、ちゃんと出すタイミングを見計らっている。時々、シンプルな中にもリストランテのスタイルが挟み込まれる。こんなスゴイシェフが白山の商店街で料理を作っているのだから、東京はまだまだ奥が深い!

Yahoo!ロコトラットリア ダディーニ
住所
東京都文京区白山5-2-7 フォーエムビル1F

地図を見る

アクセス
白山(東京都)駅[A1]から徒歩約1分
本駒込駅[1]から徒歩約8分
東大前駅[2]から徒歩約10分
電話
03-6801-5022
営業時間
月 18:00~21:30(L.O.) 火~土 11:45~13:30(L.O.)、18:00~21:30(L.O.)
定休日
日曜・第3月曜
口コミ・写真など

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