アンコウ鍋より歴史の古い漁師料理「どぶ汁」

アンコウ鍋より歴史の古い漁師料理「どぶ汁」

2016/03/17

創業から60年以上たつ水戸市の「山翠」では、茨城の郷土料理を多数食べられる。なかでも珍しいのは「どぶ汁」。アンコウ鍋のルーツとも言える漁師料理を、水戸の老舗で味わいたい。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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漁師料理が
いつからか高級料理に

水戸市の郷土料理店「山翠」は、茨城県の郷土料理をバラエティ豊かに楽しめることで人気だ。定番のアンコウ鍋はもちろん、奥久慈軍鶏や納豆料理まで、定食やコースで多数用意している。数ある郷土料理の中でも注目したいのが、アンコウ鍋のルーツとも言える「どぶ汁」だ。

その昔、茨城県の漁師たちが食べていた漁師料理。アンコウはその独特のビジュアルの影響からか、昔はたくさん獲れてもあまり売れなかったらしい。そこで漁師たちは売れ残ったアンコウを自分たちで調理して食べていた。

船の上で作ることが多く、水があまり使えなかったために、水を使わずに野菜やアンコウから出る水分だけで作り、肝や味噌を入れて味付けしたのが「どぶ汁」のルーツ。売れ残りとはいっても、アンコウは栄養価が高く、漁師たちのスタミナ源としても重宝された食材だった。

具材はアンコウのほか、白菜、ネギ、大根、ゴボウ、シュンギク、エノキ、豆腐、コンニャク。栄養価が高く、味噌が染み込んだ野菜がおいしくてどんどん食べられる

味は味噌仕立てで、濃厚なのが特徴。アンコウ鍋は「どぶ汁」にダシ汁や醤油を加えたものを指す。「山翠」では現代人の味覚に合わせ食べやすくするため、少しダシを加えたオリジナルの「どぶ汁」にアレンジしている。

アンコウが丸々一匹が入っている

「山翠」の「どぶ汁」はアンコウの肝を溶かしこんだ味噌を使用し、丸々一匹が味わえるようになっているのが自慢。時間をかけて丁寧に下処理をしているため臭みはなく、歯ごたえのいい食感がクセになるのだとか。茨城出身で女将歴約28年の高野さんは「最後は雑炊で締めます。コースに付いているのでぜひダシの出た雑炊を味わってほしいです」と語る。

店を手際よく切り盛りするのは、看板女将の高野さん。店は1Fと2Fがあり個室も多い。地元の人たちの普段使いから、お祝い事や接待の席にまで幅広いシーンで使える

「どぶ汁」は11月末〜3月中旬までの寒い時季が旬。肝に脂がのっている、本当に寒い時季しかおいしく食べられないとのこと。「山翠風 どぶ汁」は1人前5940円で、2人前より(要予約)。味噌の香りが食欲をそそり、コースで満腹になること間違いなし。

「山翠」には「どぶ汁」以外にも茨城の郷土料理や、釜飯、定食、そばなどもあり、ランチとディナーのメニューは共通。多彩な茨城の郷土料理を存分に味わえるのがうれしい。

老舗らしい、趣のあるたたずまい。水戸駅と、偕楽園の中間地点くらいの場所にある。水戸に行った際は、茨城を感じられる料理に舌鼓を打ちたい

※掲載の内容は2016年3月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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