約120年の歴史が詰まる、奈良県吉野口駅 人気の駅弁3選

特集

【第6回】地元色満載! 全国のタウン誌が選ぶ人気駅弁

2018/06/03

約120年の歴史が詰まる、奈良県吉野口駅 人気の駅弁3選

1896年に南和鉄道(和歌山線の前身の一つ)の終着駅である「葛駅」(現在の近鉄葛駅とは別)として開業し、延伸した後、1903年に「吉野口駅」に改称された。開業時からの古い木造駅舎がその時代を感じさせる。そんな歴史ある駅舎内で、奈良の風土と歴史を物語る駅弁を販売している売店がある。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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1911年創業。100余年、変わらない場所にある「柳屋」

1912年に、吉野軽便鉄道(現在の近鉄吉野線の前身)が吉野口駅〜吉野駅(現在の六田駅)間で開業し同社と国有鉄道の共同駅となったことがきっかけで、人の往来が増えることを見込み、「柳屋」は吉野口駅の駅舎内に売店を置くことに。製造元は駅より徒歩約3分のところにあり、現在は15〜20名ほどで調理から梱包まで一つひとつ手作業で行なっている。

\私が体験レポートします!/

JR奈良駅から電車で1時間ほどで吉野口駅に到着!

最近、事務所と家に引きこもりがちな“ぱーぷる”編集部なっさん。それ故なのか、外出した際はかなり寄り道をするため、予定の時間に戻ることは少ない。最近、お弁当といえばケータリングしか口にしていなかったので、今回の取材がとても楽しみ。寄り道もできそうだ……。

この周辺は、線路が通る前は人力車で混雑していたという
桜や紅葉などが迎えてくれる吉野口駅のホームと、この風景になじむ売店
待合所にも併設されている。ドロップなどの懐かしいお菓子もたくさん

みどりの窓口はないが、みどりの駅弁屋があるホームは珍しい。駅弁の他には、ジュースやビールなどのドリンク、駄菓子類など旅のお供が並ぶ。約60年前、智弁学園の野球部に所属していた方が「キャラメルをここで買ったことを覚えているよ」と、懐かしむことも。

海なし県の郷土料理「柿の葉寿しミックス」

「柿の葉寿しミックス」8個入り(サバ4個、サーモン4個)1100円

柿の葉寿しの歴史は諸説ある。江戸時代中頃に紀州の漁師が年貢を納めるお金を捻出するため、傷まないように塩でしめたサバを、吉野の村に売りに行ったところ、なかなか海の幸が手に入らない山村の人々は大変喜んだ。その魚と酢飯をあわせ、さらに抗菌作用や防腐作用のある柿の葉で包んで食されたという説がある。

\いざ実食!/

寿司箱に入れて押しをかけることで、柿の葉の香りとネタの旨味がシャリに染み渡る

現在は、奈良県の郷土料理として親しまれている柿の葉寿しだが、かつては夏祭りや秋祭りに欠かせないハレの日のご馳走だった。各製造元によって味付けが微妙に異なるので、味比べをして楽しむのもオススメ!

一口サイズなので、8個入りでも一人でペロリと完食できる

「柳屋」で一番人気の柿の葉寿しは、シャリが少し甘めで、サバもしっかり漬け込んでいるため、サバの生臭さが苦手な方でも食べやすい。サバを甘酢に漬け込む時間は通常は20分だそうだが、気温や湿度の関係で季節によって変えるというこだわり。そのこだわりからか、「ここの柿の葉寿ししか食べられない」というお客さんもいるとか。

甘辛アサリ貝が癖になる「きぬ巻 時雨寿司」

「きぬ巻 時雨寿司」(10個入り)480円

「柳屋」のオリジナル弁当。酢飯にアサリ貝の時雨煮(佃煮)を挟み、さらに海苔の代わりにコンブで酢飯を巻いている。シンプルな味ながらも、その珍しさから購入していくお客さんもたくさん。

\いざ実食!/

その名の通り、きれいなきぬ衣を纏っているような酢飯

北海道産マコンブで、酢飯を横一文字に包んでいる。コンブは現代人に不足しがちなカルシウムやビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、“海の薬草”ともいわれている。特にマコンブはコンブの高級品ともいわれ、清澄な出汁が取れる。その豊かな風味を感じながらふんわりと口の中で溶けていく瞬間を楽しんで食べてほしい。

身のしっかりとしたアサリ貝も存在感がある

生姜と醤油、砂糖などで甘辛く炊いたアサリ貝の釜炊き時雨煮は酢飯とかなり相性が良い。一口で頬張って食べるとその相性の良さを確かめることができる。また、アサリ貝には多くの鉄分が入っているため、海の幸をおいしく栄養を取りながら味わえる。

アユを丸々1匹使ったぜいたく弁当「鮎ずし」

「鮎ずし」820円

初夏の風物詩ともいわれるアユは、5月後半から漁が解禁となる。独特の香気をもつことに由来して「香魚」、一年で一生を終えることから「年魚」など様々な漢字表記がある。奈良では、吉野川の源流の地でもある川上村が、アユをはじめアマゴなどの淡水魚の宝庫とされている。

\いざ実食!/

インパクト大の弁当は、頭から尻尾まで食べられる

生のアユが豪快に使われている「鮎ずし」は、下処理にかなりの時間がかかっている。まず、内臓をきれいに出してから、骨を一本一本丁寧に抜いていく。そこには、頭から尻尾までおいしく味わってほしいという思いがある。希少なアユを時間をかけて調理していくことから「鮎ずし」は普段は店頭に並んでいないので、電話予約必須だ。

アユのしっとりとした食感は新鮮だから楽しめるもの

生のアユと聞いて、まず疑問に思うのは「青臭さはないの?」ということ。でも、それが驚くほど感じない。それは前述した通り、丁寧な下処理がされていることと、レモンの酸味が青臭さを消してくれているからだろう。酢とレモンが相まって、マリネのような感覚なので、柿の葉寿しとは違った風味。生のアユを使用した寿しを構内で販売している駅はとても珍しいので、ぜひ一度味わってほしい。

Yahoo!ロコ株式会社 柳屋 JR吉野口構内営業
住所
奈良県御所市古瀬442

地図を見る

アクセス
吉野口駅[出口]から徒歩約0分
葛駅[出口]から徒歩約19分
薬水駅[出口]から徒歩約21分
電話
0745-67-0017
営業時間
月曜・水曜〜日曜7:00~17:00、火曜7:00〜14:00
定休日
無休
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/「柳屋」で取材を終えた後は、お決まりの寄り道を。今回向かったのは、駅から徒歩約5分の場所にある「阿吽寺」。椿の名所でも知られるここは、万葉集にも詠まれたらしい。境内の大日堂の前で椿を愛でながらお弁当を食べるのも風情がある。

取材・文・撮影=田中那津美

月刊タウン情報ぱーぷる

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毎月25日発売、450円

「週末・休日のお出かけをもっとハッピーに!」をコンセプトに、奈良に精通した編集者が選りすぐった情報をお届けするマガジン。発行エリア:奈良県内の書店・コンビニ、一部京都・大阪、発行部数40000部。

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