お昼からワインを飲みたくなる。ビストロ的なベーカリーカフェ

2018/04/07

お昼からワインを飲みたくなる。ビストロ的なベーカリーカフェ

神奈川県平塚市と中郡大磯町の境界あたり、静かな住宅街の中にそっと佇むベーカリーカフェ『Raccolta Cafe+Bakery』。ふつうのベーカリーカフェは《ベーカリー》中心であることが多いけれど、ここは抜群においしい料理を食べられる《カフェ》の方が主役なのだとか。

海の近く

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カフェであり、パン屋であり、ビストロ的でもある『ラコルタ』

閑静な住宅街の中にある『Raccolta Cafe+Bakery』

えー、そんなところにパン屋さんなんてあったっけ? カフェもやってるの? ランチもおいしいなんてすごくない? わかった、今度絶対行ってみるね! 楽しみだなあ!
なんて言葉を聞いたばかりなのに、次に会った時にはもうラコルタにハマっていた、というような知り合いが最近やたら多い。この店の小麦粉には、何やらスペシャルブレンドした惚れ薬でも入っているんじゃないかと思うほど。
「そんなところ」とは、車でアクセスするしかない、大磯町と平塚市の境界あたりにある静かな住宅街。最初のころは寂しいところに思えたが、今では、おいしいものが隠れるにはもってこいのエリアのように見えてくるから不思議なものだ。

主役はカフェ、ベーカリーはオマケ?

パンのショーケースは奥の方にさりげなく。ラコルタの主役はこのカフェ空間

石造り風の瀟洒な建物。木の扉を開けた瞬間、いわゆるパン屋をイメージしていた人は驚くかもしれない。まず目に飛び込んでくるのは、小さなテーブルが連なるカフェ空間。パンは突き当たりのガラスケース周辺に並べられているが、さりげないというか、控えめというか。
あらためて店名を見れば、ここはCafé+Bakery。そう、どちらかと言えば、ベーカリーがプラス=オマケのポジション。そのオマケがおいしいことも確かなのだが、実は、本来の主役であるカフェがまた、さすがの素晴らしさなのである。

「オマケ」だというベーカリーのパンも、主役に負けないおいしさ。持ち帰りの分もついあれこれ買ってしまうという人が多い

「食べてくれた人のエネルギーになってほしい」

ラコルタがこの地に開店したのは2年前のこと。それまで店主の長瀬洋行さんは、都内でイタリア料理店を経営していた。その店でシェフを務めていたのが、のちに妻となった奈津子さんだ。料理人歴18年。《生ハムとチーズとオリーブ》以外は、すべて自分で作るつもりで料理に打ち込み、体を壊したこともあった。
だから、イタリア料理店を閉じ、3軒のパン屋で1年ずつ修行をして、ラコルタを開いた時点では、「アンパンの餡とか、おいしい既製品があればうまく活用して、もうムリはしない」と心に決めていたと言う。しかし、やはり、それは長続きしなかった。「岩手の兄から自然栽培の大納言が送られてきた時、思わず餡を作ってしまった」と笑う奈津子さん。

くるみ入りライ麦30%のパンが一番人気

昨年うみちかでインタビューした際に聞いた、「命を失って冷えた食材に作り手の体温を与えてあげるのが料理」という思いは、今も変わらない。野菜や果物は「一番良い状態に成長した途端に採られちゃう」し、肉や魚も「本当はキッチンに来たかったわけじゃないはず」。だからこそ、「やるからには自分がどうなっても、全力でおいしいものを作ります。食べてくれた人のエネルギーになってくれますように、って願いながら」。

ビストロでいただくような絶品ランチが魅力

本場のものに勝るとも劣らないバインミー(ベトナム式サンドイッチ)

洋行さんが「カフェと言うよりはビストロのような仕込み」と表現するランチは、季節感あふれるキッシュや、豚や鳥、羊などの煮込み料理とパンのワンプレートが定番。そして、いつもつい追加したり持ち帰ったりしてしまうのが、バインミー(ベトナム式サンドイッチ)だ。
実は奈津子シェフ、バインミーを一度も食べたことがないそうで、いわばこれは妄想バインミー。なのに本場よりずっしり重めのパンと手間暇かけたナマスレバーペーストの組み合わせが、何とも絶品なのである。妄想料理人、おそるべし。

Raccolta Café+Bakery

住所:神奈川県中郡大磯町高麗1-15-6
電話番号:0463-74-4552
営業時間:10:30~18:00
定休日:月・火

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

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2016年4月創刊、葉山から湯河原まで、相模湾沿いの暮らしを楽しむための月刊フリーマガジン。毎月ひとつのテーマのもと、どこよりもディープに海辺の《オイシイモノ》を紹介しています。

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