いま最も熱い「進化系ジビエ料理専門店」注目の3店を紹介!

特集

2016年注目のトレンドグルメ

2016/04/29

いま最も熱い「進化系ジビエ料理専門店」注目の3店を紹介!

ジビエとはフランス語で狩猟による天然の鳥獣肉のこと。近年、ジビエ料理が脚光を浴びるなか、定番では飽き足らず、アグレッシブに攻める店が増えている。ブームを牽引するジビエ×フレンチや希少部位の炭火焼に珍味系までが登場! ある意味、度を超えた貴重な体験必至のジビエ料理店を紹介。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ジビエ料理店が増えているワケとは

増加の背景には、どうやら野生の鳥獣による農作物被害が影響している。今回各店で似たような話を聞いた。害獣駆除の目的で猟師が鳥獣を捕獲しても、食肉としての利用はごく僅か。ほとんどが捨てられているとか。ジビエの安定した供給先が無い点にニーズを感じた店もあるようだ。

ただ、それだけではないのもミソ。野山を駆け回るなど、自然に生きる鳥獣は栄養たっぷりでヘルシー単純に美味い。グルメなら必食もの。未知なるジビエ料理を味わい尽くそう!

1.Nico Chelsea(ニコ チェルシー)

粋な古民家ビストロでワインに合う気軽なジビエ×フレンチに感動

茅場町駅前の大通りから脇道に逸れ、さらなる路地へ入ると、そこだけ過去にタイムスリップしてしまったのではないかと錯覚を起こすくらいに古めかしく、美しい佇まいの古民家が現れる。

先陣を切って紹介したい正統派、ジビエ×フレンチが堪能できるビストロ「Nico Chelsea(ニコ チェルシー)」だ。神田の「ジビエフレンチ ニコ」や五反田「焼ジビエ 罠」なども手掛ける株式会社夢屋が2015年12月25日にオープンした。

築60年以上の古民家を改装。古い日本建築の良さをあえて生かしている

入口の引き戸をガラリと開けると、「お邪魔します」とつい声に出したくなるほど、誰かの家に訪れたような気安さもある。中に入れば、古さと新しさが調和したレトロモダンなインテリアが一気に気分を高揚させてくれる。古民家好きやリノベ好きの心をも掴む内装だ。シェフとの距離も近いカウンター席に腰を据えたら、最大の魅力であるこの店でしか味わえないジビエで仕立てたフレンチの数々が待っていた。

1Fは立ち寄りやすく、カウンターとワイン樽のテーブルを備える。和洋折衷で昭和レトロ感たっぷり。玄関脇の急な階段を上った2Fにもシックなテーブル席や個室がある
写真手前「自家製ジビエのシャルキュトリー5点盛」(1380円・税別)、右奥「鹿と胡桃のポテトサラダ」(450円・税別)。左奥「セレストルージュ」(グラス680円・税別)は世界でここと系列店しか飲めない

ジビエでワインが進む
インパクトのあるひと皿を

「自家製ジビエのシャルキュトリー5点盛」(1380円・税別)は、タンパクでさっぱりした柔らかな兎のバルティーヌや1カ月以上熟成させた鹿のサラミ、舌でとろけるダチョウのパテなどがひと皿で楽しめる。「鹿と胡桃のポテトサラダ」(450円・税別)は、弾力のある鹿挽き肉とマヨネーズを使わずにワインとビネガーで味付けしたポテトサラダの相性がいい。

ほかに「樋熊のパプリカ煮込み」(880円・税別)、「蝦夷鹿もものタルタル」(850円・税別)、「兎のパイ包み焼き」(1280円・税別)、「本日のジビエ料理」など、25種以上のオリジナル性の高いジビエ料理がそろう。

マスタードとビネガーでマリネした雉肉を炭火で焼く
フレンチ歴25年以上の樋口シェフ
焼き上がった雉肉をカットして盛り付けたら出来上がり!
「雉半身の炭火焼 ポロ葱グリーンマスタード」(1480円~・税別)。最小限の味付けでも、身の詰まった雉肉は高タンパクで奥行きのある味わい。さっぱりしているので胃に負担が少ない

ジビエでしかもフレンチと言うと、どうしても敷居が高いイメージがあるかもしれない。だが同店はコストパフォーマンスにも優れ、お酒と合うようにひと皿で完結するメニューを心がけている。

店内には熊のはく製が飾られたワインセラーも設け、国産とフランス産ワイン計約70種から、ジビエ料理に合うワインを選べる。

質のいいジビエ肉を1頭ごとに思いを込めて仕立てる

取り扱うジビエは鹿、猪、兎、樋熊、鴨、雉などで、あまり馴染みがないものまで食べられる。全国各地の猟師さんなどと直接会い、信頼関係を築いた取引先からのみ仕入れているので、品質も安全性も確か。

カウンター越しにシェフとの会話も楽しめる。オープンキッチンで鳥獣肉を捌く場面を拝めるかも
靴を脱いで上がる2Fは明治後期から昭和初期の洋館をイメージ。本棚には洋書が収められ、鹿のはく製や薪ストーブ(使用していない)も配されている
2Fには個室も。古家具店などで調達した照明や格子窓がノスタルジックな赴き

ジビエを調理する際のコツがあるのか、樋口シェフに聞いてみた。

「野生の鳥獣肉は、育ち方や生息していた地域によって性質が異なります。1頭ごとに身の詰まり方、筋肉の付き方、臭みの度合いが違うので、1頭として同じ調理法や味付けになりません。1頭ずつ、丁寧に向き合ってどう調理するかを決めていきます」

フレンチで長年鍛えたカンを頼りに、腕を振るうのだとか。ひと皿ずつ、思いを込めて創作された料理は、ジビエ本来の肉のうまみや持ち味を引き立たせる。

Yahoo!ロコ茅場町 Nico Chelsea(ニコチェルシー)
住所
東京都中央区日本橋茅場町3-3-3

地図を見る

アクセス
茅場町駅[2]から徒歩約2分
八丁堀(東京都)駅[A5]から徒歩約3分
八丁堀(東京都)駅[B1]から徒歩約5分
電話
03-5643-7799
営業時間
[月~金]17:00~23:30[土]16:30~23:00
定休日
日曜日・祝日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

2.炭火焼ジビエ 焼山 中目黒店

希少部位までじゅうじゅう!
ジビエの炭火焼肉専門店

この写真は何の肉を焼いているだろう?正解は本文中に!

パチパチと炭が音を立てながら、網の上の鳥獣肉を焼き上げる。焼き途中の肉から舞い上がるゆらぐ煙と共に香ばしい匂いが漂い始め、思わず生つばをゴクリ。徐々に焼き色が入っていくそのお姿は、鳥獣たちの一部だということをまじまじと見せつける。見るからにうまみがギュッと詰まった肉質が、人間の奥深くに眠る野生の血を騒がせ、食欲に訴えかけてくる。

その場所で繰り広げられるのは、七輪を囲み、鳥獣肉をつつき合う、まさに日本古来より続くローフードの世界を垣間見られるエンタテイメント!

貴重な食材が味わえるジビエの焼肉専門店「炭火焼ジビエ 焼山 中目黒店」は2016年2月9日にオープンしたばかり。「宇田川カフェ」などを仕掛けたLD&Kが力を入れる新業態で、ジビエ界の注目株だ。

メタリックなダクトが剥き出しに。天井をぶち抜いているので、開放感がある。左脇は靴を脱いで上がる座敷の席

醍醐味は何と言っても、火を通す前の鳥獣肉のリアルな質感や色を感じつつ、それらを自らの手で焼いてシンプルに味わうこと。これに尽きる。頭ではわかっているつもりでも、調理されたものしか口にしない食事では、生き物の命をいただいて生きているのだということを実感しづらい。同店の珍しい食材はそんな鈍った頭に衝撃を与え、気づいたら目の前のお肉の主である鳥獣たちに感謝の念を唱え始めるに違いない。

希少な「鹿の骨付ロース」(1580円・税別)。なかなか見る機会のない骨付き肉。今にも踊り出しそうな形だ。鹿肉は火が通りやすく、やわらかくジューシーだがしつこくない
「猪モモ西京味噌漬け」(920円・税別)。西京味噌の上品な甘味が弾力のある猪モモ肉と相性ぴったり

スクープ! いま一番旬なジビエとは意外にもカラスだった!

なかでも必食なのは希少部位!定番の鹿や猪であっても、滅多にお目にかかれない「骨付きロース」(1470円~・税別)を提供している。骨付きなために、食べ方が自然とワイルドになるのは否めない。肉を西京味噌や辛味噌に漬けたメニューもそろえる。辛味噌漬けは、「山の香味野菜セット」(750円・税別)を頼んで、香味野菜で巻いて食べると韓国のサムギョプサルさながらでおすすめだとか。

そして一番大事なことを伝えたい。今、最高に熱いメニューがカラスヒヨドリだということだ。実は、冒頭の写真ではカラスヒヨドリを焼いていた。

写真手前は「カラス足付き」(980円・税別)、写真奥は「ヒヨドリ」(1羽1200円・税別)。カラスの黒く鋭い爪がリアル

初体験! カラスとヒヨドリは美味だった

あえて写真には残さなかったが、来店時には本日のおすすめということで、羽根をむしる前の冷凍されたカラスをテーブルに持ってきて披露してくれる。心の準備をしておこう。最初は間近に見るカラスに衝撃を受けたが、よく見ると可愛い瞳をしていた。愛着が湧いてきて、最後には爪先の部分を握りながら、足の肉にかぶりついていた。

山林で甘い蜜柑や実を食べて育ったカラスは焼いている最中に熱でピクリと足が動いてしまうほど、身がキュッと締まっていて臭みもないレバーのような味わいが結構いける。

骨まですべて、体全体を余すことなく捧げてくれているヒヨドリを口に入れるには少し躊躇したが、感謝の気持ちを込めて咀嚼したら、ポリポリと香ばしい。お酒に合いそうだ。

タレには、九州甘口醤油か焼肉のタレを。5種類(天草の塩、柚子胡椒、粒マスタード、ニンニク、パクチーペースト)の薬味もお好みで。鳥類はシンプルに塩で食べるのがおすすめ

同店のジビエは主に九州地方より独自に仕入れており、市場に出回ることの少ない食材も提供している。母体会社のLD&Kは大分県に「焼山 本店」を2016年3月25日にオープンし、ジビエの地産地消も目指す。また、同県に自社工場も開設し品質の良い食肉を安定して供給していく計画だ。

3.米とサーカス

異彩を放つ「米とサーカス」
発掘ジビエ&珍味の世界へいざなう!

最後に潜入する「米とサーカス」は、ちょっとした異端児。そもそも立地からして、高田馬場駅から徒歩約1分と近いはずなのに、奥深い見つけにくい場所にある、かなりのくせもの。

『夜霧に包まれ、酒の酔いも加わり、右も左もわからず細い路地をふらふらとさまようと、突然現れる獣出没注意の標識。思わず足を止め、先を見上げる。そこには、赤や緑、黄色のネオンがまばゆく光る妖しげなアングラ感ハンパなさすぎるサーカス小屋がそびえたっていた!』

突如現れる「獣出没注意」の看板。見上げれば壁にツタが這う妖しげな2階建ての建物が
アジアのサーカス小屋をイメージし「田園に死す」「スワロウテイル」などの映画からもインスパイア。アンティークのテーブルや端切れのガーラントなど、バラバラなようで実は絶妙にハマった可愛く妖しい空間

妄想の世界でやや暴走しているが、「米とサーカス」との理想的な出会いを表現するなら、冒頭のような感じだろう。

同店は純粋なジビエ料理から目を丸くするような珍味系まで、ぶっとんだ…いや、失礼、ユニークなメニューをたくさんそろえる居酒屋。好奇心旺盛な人なら、その全貌を体験せずにはいられないはずだ。

獣と珍味のカーニバルへようこそ!

では、数ある獣料理のなかから、2割にも満たないが一部をお見せしよう♡ 鳥獣たちが血沸き肉躍りだすのをとくとご覧あれ。

「カンガルーのしぐれ煮」(690円)

まずは、「カンガルーのしぐれ煮」。いたって普通のしぐれ煮に見えるかもしれない。オーストラリアで育った野生のカンガルーは筋肉質だからか、ぎっしりと身が詰まっていた。ひとくち味わってみると、味がちょうどよく浸みて、やや固めの肉で噛み応えも充分。ちびちびとお酒を飲むときのお供によさそうだ。

「鰐舌の自家製スモーク」(760円)

二番手はワニだ。同じくオーストラリア産。さっぱりとした爽やかな味でやわらかくペロッと食べられる。ただ、ワニ舌と聞くとどうしてもワニとディープキスするような気がして…。「鰐の天プラ」870円も人気がある。

「ウサギ肉の塩麴唐揚げ」(890円)

ウサギ肉の唐揚げは、鶏肉に近いが、鶏肉よりもタンパクであっさりしてやわらかい。これがウサギだと告げられなければ、「うまい鶏の唐揚げだったなあ」なんてつぶやいてしまうかもしれない…。

「ラクダ肉のとんぺい焼き」(780円)

オーストラリアでコブを揺らしながら歩いていただろうラクダの肩ロースを使っている。ラクダの肉は固く、叩いてほぐしてから調理するそうだ。薄いのに弾力があり、その身の詰まり具合からとんぺい焼きの一片をかじろうとしたが一筋縄ではいかず、ひとくちでいってやった。なかなか食べ応えある逸品だ。

そして大トリを務めるのは珍味系の彼。何を隠そうタイに生息していたウシガエルの皮を炙ったおつまみ。

「カエルの皮炙り」(480円)

「カエルなんて絶対食べられない!」と思っていたけれど、皮を炙って本来の形がよくわからなくなると人間は感覚が麻痺するようだ。

普通のおつまみに見えてきたのでひとつ口にする。するとあら意外。パリパリとして、スルメをさらに香ばしくしたような味。咀嚼した後にほろ苦さが残り、割とクセになる。

ほら…怖くない…(風の谷のナウシカ風に)

どうだっただろう、サーカス団員の鳥獣+珍味たちのパフォーマンスは。常人にも理解できるクオリティだったのではないだろうか。
ただ、安心してほしい。鹿や猪、熊などの定番のジビエ料理も充実している。鹿や猪のしゃぶしゃぶ、熊の味噌鍋、鹿のハンバーグもぜひ食してほしい。

店では和食をベースにしたジビエ料理に合わせるお酒として日本酒を推している。

2Fから螺旋階段を下りると1Fはカウンター席が
カウンターに置かれたタツノオトシゴを漬けたお酒

ちなみに、今年5周年を迎えるこちらの店。最初は訪れた人から「食べる肉ないね」と言われたそうだが、昨今のジビエ人気のおかげで、お客様もエスカレートしてくれているらしく、わざわざワニを食べに来る方もいるくらいになったとか。求められると、ついやりすぎるのか、最近はジビエではないが昆虫の食べ比べセットなるものも登場したそうだ。その進化に期待が高まる。

Yahoo!ロコ米とサーカス
住所
新宿区高田馬場2-19-8

地図を見る

アクセス
高田馬場駅[西武線早稲田口]から徒歩約1分
高田馬場駅[2]から徒歩約1分
高田馬場駅[JR早稲田口]から徒歩約1分
電話
03-5155-9317
営業時間
【月・火・水・木・金・土・日】17:00~5:00(L.O 4:30)
定休日
無休(年始のみ)
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材・文=荒幡幸恵+mogmog gizmocchi 撮影=松本順子、山崎あゆみ

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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