話題の“クラウドファンディング飯”で絶対押さえておくべき3店

話題の“クラウドファンディング飯”で絶対押さえておくべき3店

2016/04/29

グルメ×IT化の最前線。ネット上でプロジェクトをプレゼンして賛同者から資金を募るクラウドファンディング。このサービスを利用して開業する飲食店が食通の間で爆発的人気を集めている。2016年グルメトピック大本命! クラウドファンディング飯で押さえておくべき注目の新店3店をご紹介。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ブームの仕掛人が分析する
クラウドファンディングが
おいしいワケ 

グルメ界に吹き荒れるクラウドファンディングブームの秘密を探るべく、クラウドファンディングサイト最大手の「Makuake」を直撃! 取締役の坊垣佳奈さんにお話を伺った。

「オフィスのある渋谷はおいしいお店も多いですし、スタッフは一人暮らしが多いので外食率が高いですね。個人的にも食べ歩きは大好きです!」(坊垣さん)

「クラウドファンディングを簡単に言うと、一般の人がお金を出して、お金を集めている方が実現したいことをみんなで形にしていく仕組みです。『Makuake』は出資者に対してお金を戻すのではなく、モノや権利で返していく方式なので、ネットでモノを購入する感覚で誰でも簡単に参加できます。うちはロボット開発からアニメ制作まで幅広く扱っていますが、飲食店は非常に成功率が高いんです。なかには食通で有名なアンジャッシュ渡部健さんのオススメとして紹介されたお店もあるんですよ」

実は今回のグルメ特集で取り上げた「セララバアド」や彦摩呂×はあちゅう対談でも話題に上った「ローストホース」も「Makuake」出身。いまやグルメ界の「スター誕生」的登竜門となっている。

「ローストホース」の馬肉料理に、はあちゅうも夢中!

「クラウドファンディングという新しい手法を利用するオーナーさんですから、総じて発想が柔軟。だから新しい食べ方の提案や新しい空間の提供など画期的なアイディアを打ち出すお店が多いんです。クラウドファンディング飯が美食家の方から注目を集めている秘密はそこにあるのでは」と坊垣さんは分析する。

そんな数々の名店を世に送り出してきたブームの仕掛人、坊垣さんも驚いたという大注目の新店3店がコチラ!

1.CROSSOM (十花)

プロジェクションマッピングを楽しめる特別室

日本初の日本酒吟醸熟成肉を
ミートキープできる
完全会員制の劇場型焼肉店

日本一予約が取れない焼肉店として有名な「六花界」グループ代表、森田隼人さんが今年1月に立ち上げた超話題の新店。特許庁より権利を取得した日本酒吟醸熟成肉を主軸に、30品以上に及ぶコース料理を通して日本酒とお肉のめくるめくマリアージュを楽しめる。

完全会員制で住所・電話番号は、一切非公開。ここは食を楽しむ秘密クラブだ。「世界中を探しても、うちでしか食べられないものだけを出す」と森田さんが断言する通り、この店では一晩でいくつもの“初体験”を経験することになる。

鴬谷駅の某コンビニ前で集合しスタッフのアテンドで店まで移動。とある一棟の建物に肉食系が夜な夜な集うが、住所は決して明かされない。写真は入口扉から見た1Fの内部写真

コースは料理と日本酒飲み放題で1万2000円。3カ月のシーズンごとに変わるメニューには、すべての料理にサプライズが施されており約2時間のコースを森田さんのよどみない口上に導かれながら食べ進めていく。

「これから召し上がっていただくのは作ったばかりの葉巻です。煙が上がってしまっておりますね。火災報知器が鳴ってしまってはいけませんから、まず火を消していただけますか」(森田さんの口上実況再現)
「火消し壷が右側にございますので、そちらでよく葉巻の火を消してください。皆様、火はちゃんと消えましたか? そしたらその葉巻を、どうぞ召し上がってみてください」(森田さんの口上実況再現)

この料理で表現されているのはすき焼き。湯葉やパンで作った葉巻の中に、醤油や砂糖で煮込んだ熟成肉が仕込まれ、火消し壷に見立てた卵黄につけて客自らが料理を完成させる。灰皿の灰はタマネギで作るこだわりようだ。

「Makuake」の坊垣さんは「食を舌だけではなく五感で楽しめるお店でアトラクションに乗っているよう気分になる。森田さんはエンターテイナー」と表する。

ウナギとしてサーブされるが実は和牛。シビレやミノなどのスムージーに自然薯を加え焼き上げる。脂の乗った最高級のウナギと思い食べている途中、森田さんが種明かし。海苔でウナギの皮まで再現

「常識を覆したい!」
肉業界を背負った男の
大いなる野望

日本酒吟醸熟成肉は酒母といわれる麹を利用し、特別にあつらえた熟成庫で2〜3カ月熟成される。麹の香りが立ち上るお肉は、もちろん日本酒と合わないわけがない。この世界初となる熟成工法で特許庁より権利を取得した。もちろん、食べられるのはこの店だけだ。さらにボトルキープならぬミートキープというシステムでも特許庁から権利を取った。

森田さんがウキウキと説明する。「次回に食べていただくお肉をお帰りの際にキープしていただくんです。自分のお肉がどうなっているか、次が待ち遠しくなりませんか?」

熟成肉の状態を酒母を吹きかけながらチェックする森田さん。「難しいと言われる日本酒と肉の相性を追求していく中で、それなら肉を酒に合うように変えてしまおうという発想から研究を始めたんです」(森田さん)
通常の熟成肉と違い、カビが生えないので捨てるところがほとんどない。麹に含まれる乳酸菌のほのかな酸味とナッツのような熟成薫が楽しめる
300以上の酒造を訪ね歩いた森田さんが、料理に合わせセレクトした4種の日本酒が好きなだけ味わえる。「森田さんなら」と貴重な日本酒を酒造から直接譲り受けているんだとか
2Fにはプロジェクションマッピングマッピングと料理の融合を体験する特別室が。六花界グループ全店に通った人、もしくはクラウドファンディングで入室権利を購入した人しか入ることが許されない秘密の小部屋

店の会員権や招待券などがリターンに設定され、「Makuake」の飲食店ジャンル史上最高額となる1000万円超の支援を集めた。だが、森田さんの野望はもっとでかい。

「焼肉はとても多くの人に愛されているのに、肉のスペシャリストである作り手を板前やシェフとは呼ばない。その現状を変えたかった。敢えてクラウドファンディングを利用したのは、僕たちの新しい挑戦をより多くの方に発信したかったからです。焼肉屋の常識をこの店から覆していきます

2.鮨 須賀

大人の社交場、カウンターで江戸前寿司(すし)を

旬を逃さず、手間を惜しまず
絶滅危惧の江戸前寿司(すし)の
未来を“握る”大将の心意気

素材の旬を見極め、丁寧な手仕事を施すことで、その旨味を最大限に引き出す江戸前寿司(すし)の伝統技法を継承する店。「寿司(すし)を握って31年」という大将の浅香秀雄さんが、今ではなかなか食べることができなくなってしまった“本物”の江戸前寿司(すし)のおいしさを若い人にも伝えたいという想いを胸に、クラウドファンディングを決行。「Makuake」の坊垣さんは「お寿司(すし)屋さんの参加は初めてでとても驚いた」という。だが、目標額の3倍もの支援を集め、今年4月に渋谷でのれんを掲げた。

お客様は時間とお金をかけてきているから、その空間を大事にしたいと仕事には手を抜かない。「回るお寿司(すし)に10回行くんだったら、一度カウンターのあるお店で食べてみてほしいね」(大将)

江戸時代、職人たちはネタをできるだけ長くおいしく保つため、苦心して様々な手仕事を施した。「寿司(すし)屋の仕事は手間がかかってなんぼなんです。でも、それをきちんとやる店が激減しているのが現状です」大将が悔しそうにこぼす。

締める、漬ける、煮るという手仕事が江戸前の本髄。魚そのままの味わい以上に旬の旨味を凝縮させて食べさせるのが江戸前の職人の腕の見せどころだ。大将は毎日8時間かけてネタを仕込む。それは店を開けている時間よりも長い。

春の時期においしいハマグリ
一つずつ手で開け煮込んでいく。仕込んだら1日ほど寝かせて、おいしさのピークを迎える最高のタイミングを待つ
大将自慢のかんぴょう巻の仕込み作業。国産かんぴょうを吊るし仕込むたびにカットする。大将のかんぴょう巻を食べて、かんぴょう巻の概念が覆ったと「Makuake」スタッフも感動したとか
江戸前寿司(すし)は透明なお酢ではなく赤酢を使用することが多い。大将自らブレンドした赤酢を使い、濃厚でインパクトのあるシャリに仕上げる。赤酢をまといふっくらとしたシャリに江戸前のネタがよく合う
「女性ひとりのお客様も大歓迎。不安だったら来る前に一本お電話を。予算に合わせて握ります。例えば、お酒と握りで1万円もあれば充分満足していただけるはず」(大将)

自家製の赤酢を使ったシャリが江戸前特有の旨味の強いネタを支える。両者の個性を際立たせた、まさに職人技。大将は少し目を潤ませ語る。

うちのを食べたら他で食べられないと言ってくれるお客様もいて嬉しいですよ。実は、急きょこの店を出すことになって途方にくれていた時、クラウドファンディングを勧めてくれたのもお客様でした。支援者の半分も馴染みのお客様です。お陰様で店のハコは立派になりましたが、寿司(すし)の起源は気軽なファストフード。人との絆を大切に、気取らない寿司(すし)屋であり続けたい」

3.C by favy

西新宿の路地裏にオープン

ヨーロッパ各国で大流行中! 
ウワサのムール&フリットを
国産ムール貝で味わう

蒸したムール貝に付け合わせのフライドポテトを添えた「ムール&フリット」が本場ヨーロッパさながらのボリュームで食べられる。東北の漁港からほぼ毎日直送されるという鮮度バツグンの国産ムール貝を使用し、約20種のフレーバーで提供する。もともとはベルギー発祥の料理だが、今やヨーロッパ各国で大人気に。世界的ブームフードが西新宿で味わえるとあって、連日大盛況なんだとか。

「Makuake」の坊垣さんの周りでも人気の様子。「支援に参加した知人の満足度がとても高いんですよ」

左から時計回りに白ワイン蒸し(1280円・税別)、アンチョビが利いたプッタネスカ(1680円・税別)、ヘルシーフライドポテト(100円・税別)、三角島産レモン使用のレモンペッパー(1480円・税別)
まずは身を一つフォークでつまみ、その貝殻をトングにする
しっかり貝を開いてつまむ。これが本場流の食べ方!

「これまで日本で食べられるムール貝といったらパエリアの飾り程度のものでしたが、ヨーロッパでは白ワイン片手に山盛りのムール貝を食べるのが一般的です」店長の米山健一郎さんが教えてくれる。

ワインに合う料理はムール貝のほかにも。生ハムはコスパでもムール貝に引けをとらない人気メニューだ。

人気の生ハム盛り合わせ(1500円・税別)と季節の根菜 自家製マイルドピクルス(590円・税別)。ワインは白ワインを中心におよそ40種。グラスワイン(400円・税別)もコスパ最強!
シンプルで大人っぽい店内。客席からはキッチンが見える
ムール貝のおいしさを知り尽くす店長の米山さんがキビキビと料理を仕上げて行く

なんと、クラウドファンディングで支援した会員は白ワイン蒸しのムール貝が980円で食べ放題! これまで最高3.5kg食べた人もいたんだとか。お店的には大変だが、米山さんとしてはそれが嬉しい。

「そうやってムール貝のおいしさを知ってもらえたらいいんです。最終的には支援者が350人ほど集まりました。通常は開業してからどのように集客するか考えますが、開業前にお店を応援してくれるお客様を見つけることができるのはクラウドファンディングの大きな魅力。お客様は店の財産ですから」(米山さん)

1.CROSSOM (十花)

住所・電話:非公開
※完全会員制

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

2.鮨 須賀

住所:渋谷区桜丘2-8
電話:03-6778-8906
時間:18:00〜24:00(LO23:30)、土曜18:00〜23:00(LO22:30)
休み:日曜、祝日

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材・文=梅川晃代+mogmog gizmocchi /撮影=齋藤ジン、川野結李歌

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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