トロトロ、コリコリの《レア焼き鳥》で衝撃の初体験!(後編)

2018/05/28

トロトロ、コリコリの《レア焼き鳥》で衝撃の初体験!(後編)

神奈川県葉山町の『庭つ鶏』。こちらで出される鶏肉は、とにかく鮮度抜群なのが特徴だ。焼き鳥なのに刺身のようなおいしさもプラスされた《初体験》テイストを、ぜひ。

海の近く

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店主がさばいた鶏を、完璧なタイミングで食べられる贅沢。

『皮パリもも焼き』。名前を見ただけで、「これ絶対注文しよう!」と思ってしまう、『庭つ鶏』の看板メニューだ

上の写真にご注目。これぞ『庭つ鶏』の看板メニュー、その名も『皮パリもも焼き』なり。このビジュアルを見れば、皮目パリパリに焼けたもも肉をがぶりとかじると、ジュワジュワ〜と肉汁がほとばしって……みたいな味を想像するかもしれないが、そこは『庭つ鶏』、皿に盛られた肉はかなりのレア焼きだ。
皮目のパリパリでカリカリな食感を楽しんでいると、その奥から、トロトロコリコリした刺身的な旨味が押し寄せてきて、なんだこのナマっぽさは! なんだこのねっとりとした甘みは! とコーフンしまくり、最後にはとても焼き鳥とは思えない味わいに、うっとりしてしまうのである。

「できるだけレアに近い状態で」

もも焼きを堪能したら、ささみ、レバーなどお好みの部位を。新鮮な《ふつうの鶏》がそこまでおいしいことに、ただただ驚かされる

「刺身で出すもも肉と、焼いて出すもも肉は同じものだから、皮以外はできるだけレアに近い状態で食べていただきたいんです」と大高一仁さん。同じ半ナマ系であるささみの湯引きやたたきともまったく違った、鮮度抜群なもも肉ならではの、めくるめく初体験テイスト。
 この店のルーツは、品川の旗の台にある『鳥樹』という人気店とか。
「ぼくは昔から生っぽい肉が好きで、焼き肉屋へ行っても、いい肉はちょっとしか焼かない、あんまり網を汚さないタイプなんです(笑)。『鳥樹』の刺身や焼き鳥が好きで、3年ほど働かせてもらいました。免許を取り、鶏をさばくのも、刺身を出すのも、串焼きじゃないのも、『鳥樹』のスタイルなんです。まあ、焼き物はここまでレアじゃないですけど(笑)」。

肉が一番おいしくなるピークタイムを計算して、鶏をさばく

そして2004年、大高さんは五反田に『庭つ鶏』を開店。オープンキッチンで鶏をさばくライブパフォーマンスを見ながら新鮮な鶏を楽しめる店は、焼き鳥好きを中心に話題を呼び、一躍人気スポットとなった。
「五反田店をスタッフに任せて、葉山へ来たのは4年前。このイタリアンだった洋風の建物をスタイリッシュに改装するのではなく、あえて外観はそのままにして、浅草の雷門みたいな大きい赤提灯をぶら下げてみたんです(笑)」と大高さん。その狙い通り、店の名は憶えていなくても、「でっかい赤提灯があるアヤしい洋館」を知っている人は多い。
現在、五反田店では生の鶏を出していないので、刺身類が食べられるのは、この葉山店だけだ。「鶏はしめてから15時間後くらいが最もおいしい」と言われているそうで、『庭つ鶏』でも、その時間を計算して鶏をさばき、熟成させている。もも、むね、ささみ、首肉の4種類からなる刺身の盛り合わせを頼めば、そのピークの味が一番ストレートにわかるだろう。ただし、平日などは刺身盛りが限定5セット前後ということも多いので、お早めに。

大きな赤提灯をくぐって入ると、店内は意外にもカフェレストラン風。なかなか夜に行けない方は土日限定のランチタイムにどうぞ

甘く、とろけるレバー焼き!

皮パリもも焼き刺身を堪能したら、あとは生ビール片手に、好みの焼き物を攻めるべし。ささみ、レバー、砂ギモ、ハツ、軟骨、皮など8種類あり、イチオシはレバー。箸で持つとプルプル揺れるカタマリを舌の上に載せれば、甘いジュレのようなレバーが(そう、レアな鶏はどのパーツも甘い!)体温で溶けて液体のように広がっていく。ああシアワセ、ビバビバ、プリン体。『庭つ鶏』レバー焼は、メニューの《飲み物》のところに入れた方が、いいのではないだろうか。

自らも「レアな焼き加減の肉が好き」という大高さんだからこそ、店で出す鶏肉の鮮度には徹底的にこだわっている

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2016年4月創刊、葉山から湯河原まで、相模湾沿いの暮らしを楽しむための月刊フリーマガジン。毎月ひとつのテーマのもと、どこよりもディープに海辺の《オイシイモノ》を紹介しています。

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