金沢・大樋美術館「大樋焼歴代長左衛門」の美に浸る風雅な時間

特集

雨の日デートに使えるアートなスポットまとめ

2018/05/16

金沢・大樋美術館「大樋焼歴代長左衛門」の美に浸る風雅な時間

金沢は「茶の湯」が盛んであるのは周知のこと。今回ご紹介するのは、江戸時代初期から350年以上、卓越した技術と伝統を守る楽焼・大樋焼窯です。歴代・大樋長左衛門の作品をゆったりと拝観し、金沢市指定建造物であるお屋敷で茶をいただける、金沢・茶の湯旅をご紹介しましょう。

LINEトラベルjp 旅行ガイド

LINEトラベルjp 旅行ガイド

なおぢ はるみ

なおぢ はるみ

旅するデザイナー

金沢と京都を拠点に、旅するデザイナーとして活動する、グラフィック&インテリアデザイナーです。デザイン性のある宿や、穴場のカフェ・茶房、女子へのお土産探しにぴったりのキュートな雑貨店を見つけるのが得意!

大樋焼の歴史を語る美術館

黒い鉄骨とガラスが特徴的な建物

「大樋長左衛門窯・大樋美術館・大樋ギャラリー」は、金沢駅からもアクセスの良い橋場町のバス停から徒歩1分。観光名所の東茶屋街や近江町市場、兼六園からは徒歩15分という金沢散策の王道エリアにあります。

隈研吾氏設計による歴史的建造物と調和するように建てられた、黒い鉄骨とガラスが今様なギャラリーを横目に、石路のエントランスを進んで、中ほどから左の建物へ。まずは、美術館の入館受付を済ませましょう。

十代長左衛門作(陶冶斎)の陶壁と勅使河原宏氏が監修した前庭「風庭」をゆったりと眺めながら、敷地の奥にある大樋美術館へ。館の中に入ると、1F・2F・3Fに陳列室があります。まずは1F、初代・長左衛門と裏千家四世仙叟宗室の作品から観ていきましょう。

注目の作品を数多く展示

初代・長左衛門は、一見質素でありながら、人の心を惹きつけて離さない豪快で斬新な作品を数多く残しています。

なかでも、ぜひ観ておきたいのが、黒釉鳥香炉。これが本当に江戸時代のものなのかと驚くほど、モダンで創意に満ちた作品です。他に類を見ない独自性と、堂々とした佇まいのその香炉は、石川県立美術館とこの大樋美術館でしか観ることができません。(ご注意:大樋美術館は全館撮影禁止です。今回特別に許可を得て撮影しています)

ミシュラン観光ガイド一つ星の見ごたえ

2Fでは大樋焼を展示

2Fは、代々受け継がれてきた大樋焼の歴史を一堂に観ることができます。それぞれの作品に、技術の創意工夫があり、個性があり、美しさがあります。茶道や楽焼に詳しくなくても十分に見ごたえがあり、「私は、三代の作品が好きだな」など、楽しく観ることができるでしょう。

大樋焼の素晴らしさはさることながら、一緒に飾られた掛け軸も、ぜひ合わせて観賞してください。例えば、三代の茶碗と十代の掛軸。大樋焼を守り継いできた二人の作品が、時代を超えて調和する空気感を味わえます。

作陶の道具などが展示されている3F

3Fは、大樋家に所縁のある文化人や芸術家の作品と、奥の陳列室には作陶の道具なども展示してあります。ここまで観てきた錚々たる大樋焼。それを生み出す道具にも、きっと興味津々です。

個人美術館では例のない、ミシュラン観光ガイド一つ星をとったという大樋美術館。さすがの見ごたえです! 館内を巡り終わる頃には、すっかり大樋焼に魅了され、茶を一服飲みたい気分になりますよ。

大樋焼でいただく贅沢な茶の時間

拝観後には薄茶とお菓子も

拝観とお茶のセット券を選んだ人は、拝観後に受付の建物に戻ると、薄茶とお菓子がいただけます(絶対、このセット券をお勧めします)。そしてここでは、なんと、お茶をいただく器を選べるのです。なんて贅沢な!

茶碗を選んだら茶室へ。「作法がわからないのですが…」と伝えると、「構いませんよ。かしこまらず、ゆっくりお庭の松を眺めながらお茶をお楽しみください」と、やさしく応対してくれますので、茶を知らぬ旅人もどうぞご安心を。茶室・松濤間には椅子が用意されているので、カジュアルに一服できます。

趣ある茶室
大樋焼で楽しめるお茶

リラックスして茶をいただけるとはいえ、目の前の茶碗は大樋焼。心の襟を正し、静かに茶をいただこうという気になります。

観るものすべて見事なり

樹齢500年の赤松

縁側の窓越しからは、松濤庭の「折鶴の松」が、堂々たる姿を見せてくれます。「折鶴の松」は、この屋敷の元主人である加賀藩の名医・森快安が、折鶴の形をしているということから名付けたもの。樹齢500年の赤松で、金沢指定樹木、金沢三名松と言われるものの一つです。その神々しい姿を眺めながら茶をいただく時間は、金沢に旅したからこその貴重な一時。存分に味わってください。

「折鶴の松」へのお供えもの

「折鶴の松」は、注連縄が張られ、この地の守り神のごとく珍重されています。縁側には、「折鶴の松」へのお供えとして、お酒と濃茶、菓子があります。大樋長左衛門が自ら、その日の朝に供えたものです。

見事なフクロウの掛軸

床にはフクロウの掛軸。昔、「折鶴の松」によくフクロウがとまっていたことから、描かれたものだそうです。床飾りの一つひとつ、風炉先屏風も見事なしつらい。茶が総合芸術とされ、日本人の美意識の礎になっているということを、実感できます。

建築家・隈研吾氏が設計したギャラリー

大樋焼の書籍が並ぶ年々庵

茶を楽しんだ後は、2014年の春に新築された大樋ギャラリー茶室「年々庵」へ。いずれも建築家・隈研吾氏が設計し、黒床の落ち着き、格子から表情豊かに入る光、高く抜ける天井が、開放感のある空間を生み出しています。

上の画像は、奥に茶室「年々庵」のある側。手前には大樋焼の書籍が並んでいます。「年々庵」でも、歴代茶碗で抹茶をいただくことができますよ(有料)。

数々の有名作品が並ぶギャラリー

ギャラリーでは、大樋陶治斎と十一代大樋長左衛門の作品が並べられています。気軽に購入できる湯呑などから高価な茶碗まで幅が広いのですが、茶の湯好きならば、いつかひとつは…と思うでしょう。

金沢に旅したからこその一品をここで買って帰るかどうか、手に取ってゆっくりご検討を! 旅先での大きな買い物、それもまた、醍醐味です。

見て・触れて・味わえる大樋長左衛門窯

「大樋長左衛門窯・大樋美術館・大樋ギャラリー」は、同じ敷地内にあるので、コンパクトに歩き楽しむことができます。美術館で見て・学び、茶室で触れて・味わう体験スタイルは、金沢の伝統工芸の奥深さを五感で知れる、類稀な施設です。本物と対峙することで磨かれる美意識を、金沢旅で感じてくださいね。

取材・文・写真=なおぢ はるみ(トラベルジェイピー・ナビゲーター)

Yahoo!ロコ大樋美術館
住所
石川県金沢市橋場町2-17

地図を見る

アクセス
金沢駅[東口]から徒歩約22分
北鉄金沢駅[出口]から徒歩約23分
七ツ屋駅[出口]から徒歩約28分
電話
076-221-2397
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

この記事を書いたライター情報

LINEトラベルjp 旅行ガイド

LINEトラベルjp 旅行ガイド

LINEトラベルjpは国内・海外旅行の価格比較・商品検索サービスと旅行ガイドメディアを持つ旅行サイトです。500人を超える旅行インフルエンサー「LINEトラベルjp ナビゲーター」が 行ってよかった をお届け。現地取材で見つけたとっておきの旅先やおすすめの旅行情報をお伝えします。

LINEトラベルjp 旅行ガイド が最近書いた記事

RECOMMEND

SPECIAL

SERIES