鈴木砂羽が食べたかった華餃子! 阿佐ヶ谷「餃子坊 豚八戒」

連載

鈴木砂羽の餃子道【vol.21〜40】

2018/12/08

鈴木砂羽が食べたかった華餃子! 阿佐ヶ谷「餃子坊 豚八戒」

役者仲間や友人たちと「餃子部」を結成するほどの餃子フリークな、女優・鈴木砂羽。おいしい餃子を求めてさまざまな街を食べ歩く連載「鈴木砂羽の餃子道」第37回!

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

中国ハルビン出身のマダムが作る「華餃子」とは?

こんにちは、鈴木砂羽です。今回は阿佐ヶ谷にやってきました。高円寺と荻窪に挟まれたこの町は、長いアーケードが特徴のパールセンターなど商店街が充実していて、とっても暮らしやすそうな住宅街。そんな阿佐ヶ谷、実は餃子の町でもあるんです。そういえば、私が部長を務める餃子部でも、数年前に阿佐ヶ谷の餃子店をみんなで回ったことがあったなぁ。

阿佐ヶ谷パールセンター商店街

だけど餃子部会の時にも予約が取れなかった店が、一軒だけあったんです。それが今回訪れる「餃子坊 豚八戒(ぎょうざぼう・ちょはっかい)」。メディアにもたびたび取り上げられる大人気のお店ですが、その後もタイミング合わずなかなか伺えてなくて。ようやく念願が叶った! どんな餃子が食べられるのか楽しみです。

数年越しの願いが叶って、ようやく来ました!

オーナーの香山謙吾さんと、中国ハルビン出身の奥様・陳培霞(ちんばいか)さんが2007年に開店させた豚八戒は、6~7人も入ればいっぱいになるカウンターと2階のお座敷だけの小ぢんまりしたお店……だったのですが、2017年11月に店の奥にあった建物を借り上げて改築。テーブル席が30席ほど増えて、使い勝手がよくなりました。

2階のお座敷席には、ハシゴのような階段を登ります
増築したエリアの玄関からニッコリ微笑むのは、マダムの陳培霞さん

餃子を作るのはマダムの陳さん。ここの餃子は、陳さんが子供の頃から食べていた家庭の味を元にしているんですって。う~ん、早く食べたい! 

まずは名物「華餃子(羽根付焼餃子)」から注文してみましょう。

美しいヒダがついた餃子が、綺麗に並んでいます
華餃子(6個・580円)

うわ~っ、綺麗! 丸いフライパンに花びらみたく並べられた餃子は、薄い黄金色の皮を纏っていて、まさに羽衣のよう! 箸を入れるとホロッと壊れちゃう羽根を大事に残しつつ、餃子を口に入れると……羽根と焼き目のサクサク感と一緒に、肉の食感とキクラゲのコリコリした歯ごたえが楽しくて。もう、めちゃめちゃ美味しいわ〜!

「華餃子の餡には豚肉のほかに、ニラ、玉ねぎ、キャベツ、キクラゲが入ってて、スープも一緒に練りこんであるんです」(陳さん)

これぞ中国!という感じのいい香りが口の中に広がります

旨味たっぷりの肉汁と一緒に、八角クローブといった漢方のようなスパイスの風味が口の中でやさしく広がる。また、皮も薄めだけど弾力があって。これはかなり個性的な、今まで食べたことない餃子ですよ! そのままでも十分に旨いけど、何かつけるとしたら、この風味とやさしい味を崩さないように黒酢にお好みで辣油を合わせるぐらいがオススメです。

中国黒酢に辣油を加えるのが、砂羽さんのオススメ

精進餃子に麻辣水餃子……個性あふれる豚八戒の餃子たち

続いてテーブルに運ばれてきたのは、蒸篭に入った「八戒餃子(精進蒸餃子)」。精進餃子ってことは、肉類を使ってない餃子なのかしら? 

注文ごとに蒸篭で蒸しあげられます
八戒餃子(6個・540円)

蓋を開けるとあたたかな湯気が広がって、これまた気分が上がりますね! まずは一口食べてみましょう。

うーん、これも美味しいっ! お肉は使われてなくて、しっかり味がついてる。豆豉なのかな、味噌みたいなのが効いてますね。それに素材それぞれの食感もしっかり感じられるし、皮もさっきの焼き餃子とは違って、モチモチした食感の皮で、旨味をしっかり閉じ込めてる。

焼餃子とはまた違う、皮の美味しさが楽しめる

「餡にはしいたけ、ザーサイ、厚揚げ、干しエビなどを入れてます。皮は業者に発注して、独自に作ってもらってます。餃子それぞれにちょっとずつ変えていて、蒸し餃子のほうはモチモチ感が増すように、もち粉を入れた皮なんです」(陳さん)

素材の味や特徴を引き出して、繊細な美味しさのバランスを完成させるのは、蒸し餃子って調理法だからこそなのかも。いや~、これもまた素晴らしい餃子だわぁ。

四川風麻辣水餃子(6個・560円)

そして最後は「四川風麻辣水餃子」。なんとまぁ、綺麗な一皿! 真っ白な皮に、刻んだパクチーの緑とラー油の赤が美しいね。では、いただきます。うーーーん、つるつるでモッチモチ! これまた、前の2つとは全然タイプの違う餃子。餡も少し柔らかめで、たとえがおかしいかもしれないけど、スムージーみたいな? 

「この餃子の餡には、豆腐も練りこんであるんです」(陳さん)

なるほど! 豆腐が入ってるから、この柔らかい食感なんですね。皮も餡も、全体的に喉越しがいいように作られてるのがすごい。タレは見た目とは違って、意外と辛さは控えめ。ゴマの香ばしい風味を味わう感じかな。パクチーもいいアクセントになってる。

綺麗なだけじゃなく、ずっしり重みもあります
結構な大きさの水餃子も、ワイルドにガブリと!

「今はパクチー好きな人が増えましたけど、オープンした当初は『なんでこんなもののっけてるんだ!』って怒られたりしましたから(笑)」(香山さん)

へぇーーー! 今は餃子ブームで、いろんな餃子を受け入れる土壌ができてるけど、たしかに10年ぐらい前は、そんな感じだったかもしれないですね。そもそも、なんで阿佐ヶ谷でこのお店をはじめるようになったんですか?

彼女の餃子が美味しいし、これはお店で出せるんじゃないかって思って。当時は今みたいに餃子専門店も多くなかったですからね。で、物件を探してたら、たまたまここに『貸します』って張り紙が出てて。もともと彼女が一人でも切り盛りできるぐらいのスペースで考えてたから、ちょうどいいかって思って開店したんですけど、実際にはじめてみたら一人じゃ手が回らなくて。それで僕も手伝うようになったんです」(香山さん)

オーナーの香山謙吾さんと、マダムの陳さん。仲睦まじいカップル! お店のあたたかな雰囲気は、二人の笑顔から生まれる

香山さん自ら手がけた内装も、日本っぽくもありアジアっぽくもあり、ちょっとエスプリも利いてる感じで、すごくセンスがいいんですよね。食器のかわいさも含めて、ご夫婦のこだわりと美的感覚が端々まで行き届いてる。

それにしても今日食べた餃子は、どれも見た目的に美しくて、お皿が運ばれてくるたびに、心が華やぐような餃子だったなぁ。ここで餃子を食べてると、お腹を満たすだけじゃなくて、一口ごとに食と文化を楽しむような。お酒やお茶を楽しみながら、じっくり味わいたいですね。

餃子談義にも花が咲いちゃいます

餃子以外にも、予約限定で火鍋も食べられるほか、美味しそうな一品料理もあれこれ。お店も広くなって個室もできたことだし、今度は餃子部のみんなと食べに来ますね!

最後はみんな一緒に、ギョーポー(餃子ポーズ)でパチリ!

構成=宮内健 撮影=熊谷直子 ヘアメイク=MINEKO

この記事を書いたライター情報

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

1994年に主演映画「愛の新世界」で注目を集め、同年ブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞など多数の映画賞を受賞。以降、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」出演中。「YOU」 (集英社)にてエッセイ漫画「いよぉ!ボンちゃんZ」連載中。

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