【工場見学】八天堂きさらづ。千葉にくりーむパン工場が登場

2018/07/07

【工場見学】八天堂きさらづ。千葉にくりーむパン工場が登場

「くりーむパン」の製造工場「八天堂きさらづ」が2017年7月に木更津のかずさ鎌足にオープン。工場があるのは、研究機関やホテル、公園などを有する「かずさアカデミアパーク」内。製造過程の見学OK、工房でのパン作り体験や併設された店舗で商品も購入できると聞き、取材してきました!

ちいき新聞web

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【八天堂】とは?

昭和8年、広島県三原市港町に和菓子店として初代社長の森光香氏が開業。

二代目社長の森光義文氏は洋菓子の販売もスタート。現社長である三代目・森光孝雅氏はパン店での修業経験から、100種以上のパンの販売も始めますが、あるとき「お客様の笑顔のため」「関わっていただける人たちの笑顔のため」という初代の思いに立ち返り、それまで膨大にあった商品の点数を絞ることに。

そこで、「和」と「洋」を融合した、とろけるような食感が魅力の冷やして食べる「くりーむパン」の販売を開始します。

以来その美味しさは一躍広まり、人気は全国区になりました。

「八天堂きさらづ」は全国
でも2ヵ所目の製造拠点

東日本では初、全国でも広島工場に次いで2ヵ所目となる「八天堂くりーむパン」の製造拠点となる「八天堂きさらづ」

ここは老人ホームや障がい者施設を運営する社会福祉法人「かずさ萬橙会」が中心になって設立されました

どうして社会福祉法人がパン工場?と疑問に思った人も多いかもしれません。
そのきっかけは両社の代表が出会った4年ほど前にさかのぼります。

障がい者の自立のためにも賃金引上げや雇用環境の改善をしたいと考えていたかずさ萬橙会の渡邉理事長。
障がい者が働く工場を設立するビジョンはあるものの、そこで作る商品をゼロからブランド化するのはなかなか難しいだろう…と悩んでいました。

そんなとき、とある集まりで株式会社八天堂の森光社長と対面します。

渡邉理事長は、「八天堂」のくりーむパンや森光社長の魅力に惹かれ、初対面から「八天堂のくりーむパンを将来新設するうちの工場で作らせてほしい」と直談判!
初めは真に受けていなかった森光社長も、翌年に再会したときに「あの話、その後どうですか?」と渡邉理事長に尋ねられ、真剣に考え始めました。
八天堂の「良い品、良い人、良い会社づくり。」という企業理念にマッチしていることから、かずさ萬橙会との協働を英断。

こうして「くりーむパン」の製造拠点が木更津に造られることになりました。

製パン工場を稼動するにあたり、従業員は1年間広島に修業し、パン作りのノウハウを習得。
2017年7月のオープン以降は、広島から八天堂のスタッフも派遣され、東日本エリア(北海道含む)の商品製造を担っているそうです。

工場で「こだわり」を見学

前置きが長くなりましたが、気になる館内に入ってみましょう!

案内してくれたのは、ファクトリーリーダーの松井渚さん。なんと4人の男の子のママ!

当たり前ですが、これまで福祉関係のお仕事をずっとされていたそうで「まさかパン屋さんになるとは夢にも思ってもみませんでした」とご本人。でもユニフォームがとってもお似合いです♪

館内に入るとすぐに製造ラインが見られます。

ここでは、「くりーむパン」の要であるカスタードクリームを作る「カスターライン」、仕上げの「包装ライン」、パン生地を丸めて発酵し、焼き上げる「成型ライン」、口どけのよさが自慢のオリジナル食パンを作っている「仕上げ室」の4つをガラス越しに自由に見学できます。

ただし、午前中でほとんどの作業が完了してしまうので、見学希望の人は早めにお出掛けください~。

まず見せてもらったのは「カスターライン」。八天堂で売っているくりーむパン全てに、このカスタードクリームが使われるとあり、とっても重要なラインです!温めた牛乳と卵ペーストを合わせて、とろ火にかけながらすばやくかくはん。1分ちょっとでもったりしてきたら、平らに伸ばして冷やし、完成です。

温める人、冷やす人と二手に分かれ、どんどんカスタードクリームができ上がっていきます。

おそらく膨大な量が必要であろうカスタードクリームを、機械ではなく手作業で作っていることにビックリ。生地作りやクリームの注入、包装などもできる限り人の手で行うことも、こだわりの一つなんだそうです

続いては一番奥にある「成型ライン」。ここでは「くりーむパン」の生地を作っています。

ミキサーで練った生地を、これまた手作業で小さく分けてプレートへ。ディバイダーという機械に入れて小さな丸型に整えたのちに発酵。ふくらんだパン生地を焼いて、生地はでき上がりです。

「あれ、パンにクリームが入っていない!」と一瞬思いましたがすぐにその謎(?)は解けました。その後の「包装ライン」でクリームを注入するんです!

一般的に、パンは生地にクリームなどのフィリングを包んでから焼くことが多いもの。
八天堂では焼きあがった生地に、搾り出し機を使ってクリームを入れていきます。

「クリームを後入れすることで、生地が少しずつ水分を吸ってあの独特の食感が生まれます。
慣れるまではクリームが偏ったり、生地が破けてしまったりと失敗が多いし、時間はかかりますが美味しさには代えられません!」(松井さん)。

なるほど、納得の八天堂クオリティ!

クリームが入ったパンをバーガー袋に入れて、X線で中身をチェックして問題がなければ出荷となります。
バーガー袋に入れるのも、だんだんと生地がしっとり湿ってくるため食べやすいようにとの気遣いなんですって。

また、「仕上げ室」では「くりーむパン」と並ぶ人気商品「とろける食パン」を製造しています。
なんだか気になるネーミング!

松井さんいわく「デニッシュのような生地で口どけがとってもいい食パン」。
生地をパイローラーに何度も通して何層にも織り込むので、できあがるのに2日もかかるそうです。手間がかかっていますね!

それにしても、意外とこぢんまり、というかアットホームな雰囲気の工場。
製パンに関わるスタッフは26人ほどなんだそうです。

ここで松井さんからクイズ!「この工場では一体1日どのくらい生産しているのでしょうか?」

ヒント…個人経営のベーカリーではだいたい300~1000個弱、繁忙期の広島工場では5~6万個を1日に生産。




正解は1日約6000個

朝4時から工場は稼動していて、朝10時にはその日の分の作業が終わっているようフル回転でパン作り。
やっぱりパン屋さんは朝が早いんですね!

そして、当初の目的である「障がい者の就労支援」という役割ももちろん担っていて、現在はシール貼りや段ボールの組み立てなどバックヤードスタッフを障がい者の方が担当しています。
将来的にはパン作りにもチャレンジしたいと考えているとのこと!

くりーむパンの販売店舗は大盛況

さて、作るところを見ていたら無性に「くりーむパン」が食べたくなってきました!!

併設の店舗では、看板メニューの「くりーむパン」定番5種(カスタード210円、生クリーム&カスタード220円、抹茶220円、小倉230円、チョコレート220円)をはじめ、カスタードクリームがたっぷり入った「メロンパン(250円)」、「とろける食パン・プレーン(620円)」「とろける食パン・ショコラ(720円)」などを販売。

場所柄、「近所の人に配りたいから」とたくさん買われていくお客さんも多く、箱入りの「くりーむパン5種セット」も喜ばれているそう。セットは1,000円と、ちょっぴりお得になるんです。

さらに「八天堂きさらづ」オリジナル商品もあります!
こちらはイチゴの時季のみの販売となる「スイーツバーガー・チーバベリー(480円)」

千葉県のオリジナル品種「チーバベリー」と甘みのあるチーズクリームを組み合わせて、レアチーズケーキをイメージ。※イチゴが採れる間のみの限定販売
販売スタッフのみなさんもとっても気さくです。松井さんと「C」マークでポーズ!(Cは「くりーむパン」のCです!)

オープン直後の昨年の夏休みは、開店から1時間で1,000個売れてしまった日もあったとか。最近は落ち着きつつありますが、それでも早い時間になくなってしまう商品もあるので、やはり早めの時間に出かけるのがオススメです。

また、体験工房を予約した人に限り、事前に伝えれば「くりーむパン5種セット」の取り置きにも対応してくれるので、ぜひ利用してみてください!

体験工房でオリジナルのパン作りにも挑戦!

体験工房でできるメニューは2種類。

「ちょいパンコース」500円
所要時間 30分程度。
体験できる時間 10時30分~15時の各30分(1日6回)

小さめ生地(25g)を好きな形に成型、チョコペンで絵や文字を描いてオーブンへ。
気軽にできて小さいお子さんにも人気のコースです。
カップ入りのカスタードクリームがもらえるので持ち帰ったパンにディップして食べましょう!

ちょいパンコース

「ガチパンコース」1,500円
所要時間は90分程度。
体験できる時間 10時30分~12時、13時30分~15時

50gの生地2つをお好きな形に成型できます。「ちょいパンコース」と同様に、チョコペンでアレンジしたら焼成。
さらにクリームの注入まで体験できる本格的なコースです。(クリームの味は選べません)

ガチパンコースでは「くりーむパン」を2つ作れて、どちらもお持ち帰りオーケー!
これには深い(?)理由があるんです。

「八天堂のくりーむパンは焼き上がりから8時間ほど置いた方が、生地がしっとりしておいしいんです。
その違いを感じてほしくて、『1個は焼き立てを食べてみてください』ってご案内しているんですよ」と松井さん。

お店に並ぶ品も基本的に食べごろを迎えたもののみ。
焼き立てを食べる機会はなかなかありませんので、味の変化が知りたい人は「ガチパンコース」をぜひ体験してくださいね!

生地の準備の関係でどちらも3日前までに要予約(電話受付のみ)。
年齢制限はありませんが、子どもの場合は保護者の同伴が必要です。

かずさアカデミアパークを選んだ深イイ理由

「八天堂きさらづ」がある「かずさアカデミアパーク」は、もともと研究開発機能を集めたサイエンスパークとして生まれた場所。

約278haという広大すぎる敷地内には、「かずさDNA研究所」や「独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター」といった最先端の研究施設の他、ホテルや公園、民間企業の製造工場などがあります。

そんな「かずさアカデミアパーク」の敷地内に、袖ケ浦市にある人気店「のうえんカフェ」がプロデュースする「ファーマーズカフェ」が昨年4月にオープンしました。

こちらでは八天堂の「とろける食パン」を使ったフレンチトーストも提供。このカフェで「八天堂きさらづ」のことを知って帰りにお土産を買いに来る人もいるそう。
もちろんその逆も然りで、これまでは企業色の強かった周辺エリアに新たな人の流れができつつあるようです!

でもなぜ、この場所を選んだのか聞いてみるとちょっと不思議な話を教えてくれました。

工場の建設が決定した際、実は候補地が2つありました。

1つは現在の「かずさアカデミアパーク」だったのですが、どちらにすべきか決めあぐねていた渡邉理事長。

最後は神頼みと、それぞれの候補地に近い神社にお参りしてみたところ、鎌足の神社で柏手を打った際に一羽のカラスが鳴きながら、「かずさアカデミアパーク」の方向に飛んで行きました。
それを見た渡邉理事長は「あれは八咫烏(ヤタガラス)だ!」と直感的に思ったのだとか。
八咫烏(ヤタガラス)とは古事記に登場する三本足のカラス。後の神武天皇を大和国まで案内したといわれています。

そのようなエピソードもありつつ、かずさ萬燈会が運営する既存の就労支援施設「かんてら」が近いこと、都内からもアクセス良好で羽田空港も近いことから東日本地域の物流拠点としてふさわしいと考え、この地に工場の建設を決めたそうです。

まったく異なる業界の社長と理事長の志から生まれた「八天堂きさらづ」。

その他にもさまざまな偶然(必然?)が重なってこの地にやってきたんですね。

松井さんのお話からは、働く人も、お客さんも、地元の人もみんながハッピーになれる場所にしたいという思いがすごく伝わってきました。

そして何と言っても「くりーむパン」は美味しい!!


無条件で笑顔になれるパン工場にぜひ足を運んでみてください。

Yahoo!ロコ八天堂 きさらづ店
住所
千葉県木更津市かずさ鎌足2丁目

地図を見る

電話
0438-52-0810
営業時間
月,水~日 10:00~17:00
定休日
毎週火曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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