町中華のあんかけ揚げ餃子に鈴木砂羽も感嘆! 白山「兆徳」

連載

鈴木砂羽の餃子道【vol.21〜40】

2019/04/01

町中華のあんかけ揚げ餃子に鈴木砂羽も感嘆! 白山「兆徳」

役者仲間や友人たちと「餃子部」を結成するほどの餃子フリークな、女優・鈴木砂羽。美味しい餃子を求めてさまざまな街を食べ歩く連載「鈴木砂羽の餃子道」第39回!

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

昭和を代表する落語家やブレイク中の人気俳優も通った、町中華の名店!

こんにちは、鈴木砂羽です。今回は文京区は白山にやってきました。

餃子仲間から噂を聞いてずっと行ってみたいと思っていた「兆徳」は、1995年に開店した町中華。白山駅と本駒込駅の中間に位置し、東洋大や文京学院大、ちょっと足を伸ばせば東大の本郷キャンパスなど多くの大学が林立するエリアにあって、学生たちの胃袋を満たしてきました。ランチタイムは学生さんはもちろん、近所で働く人たちで常に大賑わい! ワタシ、このあたりはなかなか来る機会がなかったので、今日はどんな餃子に巡り合えるか楽しみです!

本郷通り、向丘二丁目交差点にあります

カウンターに陣取り、まずは瓶ビールで喉を潤して、と。お店を見回すと、三代目古今亭志ん朝さんのサイン色紙が。なんでも、開店直後から亡くなるまでよく通ってくださったんですって。大将の話では、高橋一生くんも子供の頃から家族で食べに来てたとか。地元の人たちに愛されてきたお店なんですね。さてさて、お腹空いてきた! 最初は焼き餃子からいっちゃおうかな。

古今亭志ん朝師匠も通い詰めたという名店。壁にはサイン色紙が

お店の中では元気な大将・朱徳平さんを筆頭に、中国人の店員さんがキビキビと調理している。和気藹々としながらも無駄のない働きっぷりを見るだけでも、気分が上がってきます。

昼夜問わずフル稼働の厨房

手が空けば常に皮を包んでいて、次々と餃子が作られる。ピシッと6つのひだが入った、なんとも綺麗なフォルムです。あー、早く食べたい!

見て! この美しいひだ!
大ぶりな餃子を、次々に焼き上げていきます

待つこと数分。やってきました、焼き餃子! 見事な焼き色がついた焼き餃子は、しっかり大きさもあってボリューム満点。まさにGLG(グッドルッキング餃子)! まずはそのままでいただきます!

焼き餃子(6個・450円)
まさにGLG(グッドルッキング餃子)!

うーーーん、美味しい! 厚みのある皮は、ツルッ、モチッとした食感がいい感じ。中の餡は、野菜の甘味と肉の旨味がしっかり閉じ込められてる。スープが入って、よく練り込まれていてるのかな? 町中華にありがちなニンニクをがんがん効かせた餃子とは別格にある、すごく丁寧に作られた餃子だってわかります。

「餡に入ってるのは、豚肉、キャベツ、長ネギ、ニラ、干しエビ。あとね、焼豚を煮込む時に出てくるスープを入れてるんです。食べると全然違うでしょ?」(朱さん)

スープの旨味がたまりません!
ニンニクは使ってないんですって

ほら、やっぱり! この旨味はなかなか出せないと思ったら、豚の旨味がたっぷり詰まったスープが使われてる。ワタシも、だんだん分析できるようになってきたなぁ(ムフフ)。

キャベツは一年中産地を変えて、季節ごとに横浜、千葉、群馬、岩手、北海道と移って、冬になったらまた横浜に戻る。いつも柔らかいキャベツ使ってるの。あとね、キャベツは一度ボイルしてる」(朱さん)

わっ、ボイルする一手間を加えてるからこの美味しさなのね。しかし、企業秘密をバンバン教えてくれてるけど、大丈夫なのかしら(笑)?

「大丈夫、大丈夫よ! 簡単にはマネできないから(笑)」(朱さん)

店主の朱徳平さん。陽気な人柄に惹かれちゃいます

店主の美意識が詰まった、美しすぎる揚げ餃子!

焼き餃子がこれだけ美味しかったら、他の餃子にも期待が高まります。ということで、次は揚げ餃子も頼んじゃいましょう! 前回も言いましけど、私、隠れ揚げ餃子ファンなんです。

「焼きも揚げも、同じ餃子を使ってる。でも、食べたら全然違うよ!」(朱さん)

あの厚みがほどよくある皮に、ひだがしっかりと6つも入って。カラッと揚がると、さぞクリスピーになるんだろうなぁ。繰り返し言いますけど、揚げ餃子はひだの部分のクリスピーさが美味しさの鍵ですから!

こんがりキツネ色に揚げていきます
カラッと揚がった餃子に、琥珀色をした甘酢あんをかけて……

と、頭の中で理想の揚げ餃子を妄想しながら待ってたら、目の前にやってきたのは……なんじゃこりゃ! 赤い甘酢あんがたっぷりかかってる! このツヤ! 照り! 餃!餃!餃! もうやたらと「!」を連発しちゃぐらい、想像を超えた一皿。これは初めて見るスタイルの揚げ餃子だなぁ。マスターの美意識が詰まってる! ブラボーーー!

揚げ餃子(6個・600円)。平日夜と土日祝の限定メニューになります
大将の美意識が詰まった揚げ餃子を前に、興奮気味の砂羽さん

箸でつまんで、じっくり眺めちゃう。揚げたことで、ひだの美しさが際立ちますね。そのひだからトロリと滴る甘酢あん。なんかもう、エロスすら感じさせますよ

ほら。トローリ、滴ってます!

もったいぶってないで、早速いただきましょう。おおっ、ウマーーーい! 焼き餃子と同じ餃子を揚げてるというけど、全然印象が違う! 耐久性のある皮を6つに折ったひだ、わざわざここまで折った理由がわかりますね。それを高温でしっかり揚げて、ひだの部分にブーストかかってますよ!

甘酢あんの照りで、ひだの美しさが際立ちますね

それにすごいのは、こんなに熱々の甘酢あんがかかっても、このクリスピーな食感が保ててるのはすごいことだと思う。ひだのボリュームがあってよく揚がってるから、食感も風味も、甘酢あんに負けてないんですよね。これ、誰が考えたの? 天才!

見た目だけじゃなく、味も食感も最高。思わずサムズアップ!

「東京には焼き餃子も水餃子も多いし、揚げ餃子もちょっとあるけど、あんかけのはあまりないからやってみるかなって。14、5年前に私が考えたけど、今までたぶんないよ(笑)。あ、そうそう! ウチは玉子チャーハンもオススメよ。アンジャッシュの渡部建さんが“東京で一番美味しいチャーハン”って褒めてくれたの」(朱さん)

そう! さっきから他のお客さんがチャーハン食べてて、めちゃくちゃ気になってたのよ。そんなこと言われたら食べたくなっちゃう。しかし、餃子部には餃子以外食べてはならないという鉄の掟が……アレ、待てよ? これってもしかして、揚げ餃子の甘酢あんをチャーハンにかけたら、めちゃくちゃ美味しいんじゃない? これは部長としても検証しなくては! ということで、チャーハンください!

玉子チャーハン(塩味)650円

チャーハン、キターー! 見るからに美味しそうなGLC(グッドルッキングチャーハン)。ほどよい塩味で、玉子の風味が美味しいチャーハンに、揚げ餃子の甘酢あんをかけて食べると……うーーーん、最高! ベストマッチ! これはいやらしい美味しさだなぁ(笑)。

このGLC(グッドルッキングチャーハン)に、揚げ餃子のタレを……
タラーッとかけてみると……う、美味い!

私もいろいろ餃子を食べ歩いてきたけど、今回は驚きの連発! なんでも夜の時間帯は、またメニューが増えるそう。今度は餃子部のみんなで夜に来たいですね。「兆徳」は、間違いなくトーキョー町中華の実力店でした!

最後はお店のスタッフの皆さんと一緒にギョーポー(餃子ポーズ)でパチリ!

構成=宮内健 撮影=熊谷直子 ヘアメイク=吉野麻衣子

この記事を書いたライター情報

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

1994年に主演映画「愛の新世界」で注目を集め、同年ブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞など多数の映画賞を受賞。以降、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」出演中。「YOU」 (集英社)にてエッセイ漫画「いよぉ!ボンちゃんZ」連載中。

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