犬養裕美子のお墨付き! 都心から距離をおく選択。ドンブラボー

連載

犬養裕美子のアナログレストラン【Vol.41〜】

2018/10/28

犬養裕美子のお墨付き! 都心から距離をおく選択。ドンブラボー

“アナログレストラン”はレストランジャーナリスト犬養裕美子が選ぶ「いい店」。作り手がその場できちんと料理をしていること。小さくても居心地のいい空間とサービス、かつ良心的な値段。つまり人の手、手間をかけた「アナログ」で「アナ場」な店。第58回は国領「ドンブラボー」。

犬養 裕美子

犬養 裕美子

レストランジャーナリスト

私鉄沿線で輝く個性派イタリアン

京王線の国領駅から徒歩約3分。2012年にオープン以来、ジワジワと知名度を上げてきた「ドンブラボー」。ネットではピッツェリアとして紹介されているけれど、ピッツァもあるリストランテという守備範囲の広さが人気の原因だろう。都心からわざわざ足を運ぶお客もグンと増えている。

オーナーシェフの平雅一氏は、都心ではなく地元・国領に店を構えた。「家賃の高い都心で無理をするより、郊外で自分の理想に近い店にしたいと思ってここに決めました」。父親が営業していた鉄板焼き屋を譲り受け、ピッツァの薪窯を入れ、シンプルな造りの店からスタートし、毎年のように改装を重ねてきた。試行錯誤もこの夏で最終段階を迎えた。

路地に面したファサードにコンクリートの壁
店に入る扉は以前と同じ木の扉
店内はすっきり大人っぽいイメージに変更

「今回はエントランスに思い切って壁を作り、外からの視線を遮断しました。椅子もクッションシートにしたので、全体に落ち着いた雰囲気になったと思う」と平シェフ。中に入ると、たしかに広尾や代官山のリストランテにいるような気分。それでもピザ窯があったり、子供連れもOKだったり、気軽に利用して欲しいという基本姿勢は変わらない。

ピッツァ専任の藤井淳利さん。藤井さんが焼き上げるピッツァ生地は、薄いのにカリッとモチッと。絶妙なリストランテ仕様!
ランチのマリナーラ1100円。サラダ、パン、ドルチェ付き(ランチのピッツァは日替わり)
平雅一シェフ。1979年、国領生まれ。広尾で修業をはじめ、イタリアに渡る。フィレンツェ、ミラノ、ラグーサの星付きリストランテで合計3年修業。帰国後、三宿などでシェフを務めた後、2012年独立

昼はピッツァかパスタにサラダ、パン、ドルチェがつくセット1100円~2500円。夜は5000円、7000円、10000円の3コース。「夜をコースのみにしたのは3年前からです。ようやくおまかせコースを楽しまれるお客様が増えてきた」と平シェフはうれしそうに話す。
ちなみにある日の7000円のコースは、コール・ラビの冷たいスープ、ハマグリ、アナゴのフリット南蛮漬け、鮎、かまあげシラス、パスタ、鴨、ピッツァ、ドルチェの9品
料理は和のテイストをさりげなく取り入れた皿や、シンプルな盛り付けかと思えば、パーツを重ねてさまざまな味の変化が満喫できる皿もある。まさに「おまかせ」してこそ味わえる予測不能な展開だ

サンマとレバーと栗。クラシックなレバーパテで挟んだサンマ(内臓入り)の肝の苦味、栗の渋皮煮とすりおろしたカカオとラムの甘みを一皿にまとめるとは大胆不敵

そしてなんといってもパスタとピッツァの両方を楽しめるのは、他にはない魅力。「たとえどこであろうと、技術や発想力にお客さんはお金を払ってくれる。それをここで証明したいんです」と平シェフは語る。
オープンから10年はここで頑張るという。あと4年、都心からの常連も増えてきて、さらに安定してきた「ドンブラボー」。どんな変化を遂げるのか? 郊外型リストランテの新しいスタイルをぜひとも見せてほしい。

トリッパ。15,16年前から作り続けている平シェフのスペシャリテ。ハチの巣とギアラの2種類を使い、トロトロに煮込むスタイルは一度食べると忘れられない
Yahoo!ロコドン ブラボー
住所
東京都調布市国領町3-6-43

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アクセス
国領駅[南口]から徒歩約4分
布田駅[北口]から徒歩約12分
柴崎駅[臨時口]から徒歩約14分
電話
042-482-7378
営業時間
【月・火・木~日・祝・祝前】ランチ 11:30~14:00(L.O.)/ディナー 18:00~22:00(L.O.)
定休日
水曜日 その他月1日不定休
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

スタッフ全員集合。右から平塚壮太さん、ピッツァ職人・藤井さん、平シェフ、ソムリエ・中村亮太さん。岡村勇輝さん

この記事を書いたライター情報

犬養 裕美子

犬養 裕美子

レストランジャーナリスト

東京を中心に地方や海外の食文化、レストラン事情を最前線で取材。ファッション誌から専門誌まで数多くの雑誌で連載を持ち、その店の良さ、時代性をわかりやすく解説。特に新しい店の評価に対する読者の信頼は厚い。食に関わる講演・審査員など多数。農林水産省顕彰制度・料理マスターズ認定委員。

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