知名度全国区のカレー店。個性派なのは味だけじゃない/山形

知名度全国区のカレー店。個性派なのは味だけじゃない/山形

2018/10/13

地元のみならず、全国で多くの著名人を虜にする山形市内のカレー店。魅惑のカレーを作り続けるのが山川恒一さんです。(「月刊山形ZERO☆23」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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昼はカレー。夜はカレーと吟醸酒の店

チキンカレー(1000円)

繁華街にあるわけでもなく、決して人通りに店を構えているわけでもない。それでもランチタイムには、わっと人だかりができるカレーのお店「ばんこう花」

たまにお店を数カ月閉めて酒蔵を巡ったり、ギターをかついで全国を回ったり。自由な営業スタイルにもかかわらず、客足が絶えないお店です。

カレー屋店主なのか、歌手なのか。突然始まる「カレーライスのうた」

朗々とした歌声が店内に響き渡る
店主 山川さん
店主 山川さん
「あ、いらっしゃい。え? カレーライスのうた聴いてくれたの? そう、2番目の山川さんバージョンを歌ってるのは俺だよ。ちょっとそこにギターあるから歌っちゃうね。(ギターの音:ジャーン)。作詞作曲も俺」

店の裏側にあったギターを持ち出し「カレーライスカレーライス!」と歌い始めるこの方が山川恒一さん。「ばんこう花」の主人だ。5月に「カレーライスのうた」をリリース。お店を営むかたわら、ギターも趣味でやってたんですか? と問うと「いや全然」との答え。このギターも大学の先生から借りたものだしね、とニコニコ笑う。

なんなんだこの人。というか、今日はカレー店の取材だったはずなのに……。騒然とする取材班、突拍子もなくはじまるカレーの歌。しかしこれは、おどろきのカレーなる物語の序章に過ぎなかった。

開店の日はものすごい雪。営業開始時は閑古鳥

市街地からは少し離れている
カウンターとテーブル席、奥はお酒を飲む人専用の部屋
山川さん
山川さん
「昭和57年2月8日、今でも覚えているよ。大雪の日だったね。全く人がこなかった。でもそれが逆によかったのかもしれないね」

ハンバーグ・スパゲティ・グラタン・ピザ。オープン当時の「ばんこう花」のメニューにカレーはなかった。

東京で暮らしてきた山川さんは、当時少なかった洋食専門店を開店させようと一念発起。そんなときお店に来た大学生に「カレーはないの?」と聞かれたことからカレーメニューをスタート。

山形に売ってないなら。スパイスを求めて東京へ

「とにかく俺は凝り性なんだよ〜」と山川さん

「リュックサック背負ってね、スパイスを仕入れに東京まで行ったの」と山川さん。

山形では本格的なスパイスが販売されていなかったため、急行列車に乗って定期的に東京へ。伊勢丹に行ってたくさんのスパイスを購入するためだ。

山川さん
山川さん
「スパイスに関する仕事をしていたから、何を入れればカレーができるかっていうのはなんとなくだけれどわかっていた。あとは鼻が利くの。だから他のお店でお料理を食べるときは、何が入ってるのかすぐわかる。そんなことでカレーを研究していったんだ」

吟醸酒に出会い、日本中を巡るように

スパイスカレーを極めるうちに、ひょんな出会いから吟醸酒に魅入られるようになった山川さん。全国の酒蔵の旦那衆が集まる東京の有名店に顔を出しては「カレー屋さん」と呼ばれ親しまれる。そのうち「うちの酒蔵に遊びにおいでよ」と声がかかり、全国を回るように。

オリジナルのお酒や、なかなか出会えないレアな酒蔵直送品も
山川さん
山川さん
「仕入れの最初のほうはリュックにスパイスだけ。でもそのうち両手に酒瓶を持って山形に帰ってくるようになったんだよ。そうやって、昼はカレーの店、夜は吟醸酒とカレーの店になっていったんだ」

口当たりはさらり。めっぽう辛いチキンカレー

取材の時間が遅かったから少しとろっとしているが、いつもはもっとさらさら
チキンカレーは開店直後に売り切れてしまうことも

店で出すのは「ポークカレー」「チキンカレー」の2種類のみ。手羽元とジャガイモがごろっと入った写真のチキンカレーは、コクがあるのにさらりとしたテクスチャー。

スパイスをたっぷり使用しているのに尖った感じはなく、多彩な味わいが口いっぱいに広がる。しかし油断していると後からぐわっと襲ってくる辛さがすごいのなんの……。

山川さん
山川さん
「悲しくもないのに涙があふれ、熱いはずなのに寒さをおぼえる。キケンな辛さだよ!」

カレーライスオールスターズは大晦日にしかそろわないから

「この絵、カレーじゃなくてスリッパが皿に乗ってるって言われることもあるんだよ」
店内では10分に一度くらい流れ、サビがずーっと頭の中でリピートする……

BSフジで放送されている「小山薫堂 東京会議」にたびたび出演する山川さん。

番組がきっかけで、リリースが決まったのが「カレーライスのうた」だ。カレー好きの芸能人たち(しかも錚々たる顔ぶれ!)が集結した「カレーライスオールスターズ」はなかなか集まることができない。大晦日なら大丈夫だろう! ということで狙うのはNHK紅白歌合戦だ。

山川さん
山川さん
おもしろそうなことにはなんでも乗ってみるタイプなの。あと人との出会い運はいいなって思ってる。だから、宝くじは買わない。そういうとこで運使い果たしたらいやだからね!」

取材メモ/取材時間はまるっと2時間半。そのなかで印象に残ったのは「自営業は自由業」という一言です。カレーのことをひたすら真面目に考えながらも、楽しそうなことがあったらとりあえず乗ってみるのが山川さんらしい。今回はチキンカレーをいただきましたが、優しい味わいのポークカレーもおすすめです!

取材・文=岡﨑彩 撮影=若木智美

月刊山形ZERO☆23

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毎月27日発行、300円

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