自らを“焼肉バカ”と称す、その心は究極のホスピタリティ/埼玉

特集

【特集・第3回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 焼肉編 〜

2018/11/03

自らを“焼肉バカ”と称す、その心は究極のホスピタリティ/埼玉

店主自ら“焼肉バカ”と言ってはばからない。そんな店が埼玉県三郷(みさと)市にあるという。その思いとはいかに。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

「三郷の人たちをうまい焼肉で笑顔にしたい」という熱量

店の名は「焼肉勉強」。勉強と書いて「べんけい」と読みます。

店のホームページを開けばなぜだかスーパーマンのかっこうをした店主の姿。これはなかなかキャラが濃い。一体どんな店なのか……。ちょっと腰が引けつつも店を訪ねます。

多彩なメニューで名物のタンを食べ尽くす

脂のりがよく柔らかな「厚切り上タン」は店の一番人気メニュー

「いらっしゃい」と出迎えてくれた店主・池田孝行さんは、失礼ながら思いのほか気さくで穏やかな口調。

店主 池田さん
店主 池田さん
「取材もいいけどまずは食べてみてね。店の一番人気は厚切り上タン。それからタンカルビ。最近脂ものがちょっと……? あぁ、それならカイノミがいいかな。赤身で柔らかくて、バラだけど脂がしつこくなくておいしいんですよ」
きれいなサシの入った牛タンの一番根っこ(上タン)をぜいたくに厚切りにしていきます

メニューを見るとカルビやロース、豚ミノやコリコリなどのホルモン類もメニューに並んでいますが、目を引くのがタンメニューの多さ。

焼肉だけでも4種、さらにシチューやカレー、メンチカツなどにもタンを使用。タンだけでフルコースができそうな勢い。厚切り上タンは牛タン1本からたった1人前(150g)しか取れないという超レアな部位です。

右から時計まわりに厚切り上タン、タンカルビ、カイノミ

厚切り上タンの味付けはサッと塩コショウだけのシンプルなもの。ミネラル豊富でうま味成分の強い内モンゴル産天日塩が肉の味わいを引き出すのだそう。

タンカルビの下味は、純正100%のゴマ油をほんの少し効かせた香り高いゴマ塩ダレ。こちらに使うのは、ミキサーで粉砕したまるで粉雪のようなサラサラの内モンゴル産天日塩

こうすると肉のうま味をさらに引き立てるんです。こうしたひと手間が肉の個性を際立たせています。

カレーにも牛タンとカルビ肉をぜいたくに使っています

柔らかく焼いて肉のうま味を逃さない遠赤外線の炭火焼き

店の片隅にある炭焼き窯では、出番を待つ炭が赤々と燃えています

店内には炭焼き窯があり、ここで火を起こして焼き台に炭を投入。遠赤外線の効果で肉のうま味を逃さない炭火の焼肉は格別ですよね。そして「勉強」ではもうひとつこだわりが。

太くて頑丈な焼網がおいしさを下支えします
池田さん
池田さん
「実は焼肉店で一番大変なのが焼網を洗う作業なんです。人件費もかかるし、スタッフも汚れる仕事を嫌がるので、最近じゃあ使い捨ての網を使う店が9割。でも、やっぱり太い金網を使った方が熱の伝導が早くて焼き上がりがジューシーになるんです。だから手入れが大変でもこの頑丈な網を使っています」
身がホロリと柔らかいカイノミはあっという間に食べ頃に

“もみダレ”と“つけダレ”が一体となり、思わず笑みがこぼれる

テーブルの上に置かれたつけダレは、リンゴやレモンなどの甘味を生かした爽やかな味わい。

下味用のもみダレは、昆布だしをベースにフルーツやワイン、ウィスキーに沖縄の黒糖など3種類の砂糖をブレンドした店主のお手製。焼きあがった肉とつけダレとが渾然一体となり、ひと口食べれば思わず笑顔があふれてしまいます。

池田さん
池田さん
「うちの焼肉はもみダレとつけダレが合わさって初めて完成される味。だからたっぷりとつけダレをつけて食べてもらうのをおすすめしています
食欲をかき立てる、フルーティな香りを漂わせるつけダレ

また、焼肉の仕上げには、1日限定10食の自家製杏仁豆腐(330円)。肉を堪能したあとの口の中をさっぱりとしてくれます。

ちゅるん、とろん。ほっぺたの内側をやさしくなでる食感がたまりません

明日からまた頑張るチカラが欲しい人を元気にしてあげたい

キメ細かく行き届いたこだわりを感じる「勉強」の焼肉。ただ、メニューを見ると焼肉屋の定番であるカルビは上カルビ1980円から。いわゆる「並」が見当たりません

もちろん味は保証つきですが、このメニュー構成には何か意図があるのでしょうか。

池田さん
池田さん
「私には、本気でお届けしたい味があります。今日を頑張ったご褒美に。肉を食べて明日からの活力に。そしてまた稼いでおいしい肉を食べに来たい。そう思ってくださる方たちに向けて、私が長年かけてたどり着いた味をお届けしたいんです。そう考えると“いつでも”“どこでも”“誰にでも”“激安で”といったメニュー構成にはできなくて」
お客さんを幸せにしたい。その思いが原動力と語ってくれました

「勉強」にわざわざ足を運ぶ人は、明日からまた頑張るチカラの源をと期待を込めて来てくれている人たち。少々値が張っても、良質でおいしいものをお届けしたい。

「毎日頑張る人たちを笑顔にしてあげたい」

そうすることで三郷という街全体に活気があふれてくれたらと池田さんは熱く語ります。

池田さん
池田さん
「例えば、ラブレターって特定の人、1人だけに宛てて書くものですよね。100人誰にでもあてはまることを書いても熱い思いは届きません店づくりもそれと同じだと思うんですよね

お客さんが求めているものに応えたい。届ける相手の“明日”を明確にイメージできているからこそのメニュー構成になっているのです。

たった1人だけの要望に応えたい。その思いが独立への道に

池田さんは新卒で銀座の老舗料理に入社。その後イタリアン、タイ料理などを経て、横浜関内の焼肉店へ。同業ひしめく激戦エリアでそれまでの幅広い経験を生かし、売り上げをトップに押し上げるまでになったそう。

現場をこなしながら幹部として寝る暇もなく働いていたときも楽しかったといいます。しかし複数店舗を抱える形態では、お客さんの細かな要望に応えることが難しい。それが独立へのきっかけになったそうです。

お客様アンケートには嬉しい言葉、厳しい言葉が並ぶ

店の一角にはそのアンケートが壁一面にびっしり。そこには感謝の言葉、良かった点、中には厳しい意見、直して欲しいことなどお客さんからのメッセージが。これはお客さんからのラブレター。池田さんの笑顔を届けたい思いは、お客さんからも形になって返って来ているようです。

66席と個人店にしては大型。団体や宴会にも対応できるのも、かつて銀座など都内の大箱店を回していた経験から
Yahoo!ロコ焼肉勉強(べんけい)
住所
埼玉県三郷市早稲田2-3-14

地図を見る

アクセス
三郷(埼玉県)駅[北口]から徒歩約3分
平和台(千葉県)駅[出口]から徒歩約25分
新三郷駅[東口]から徒歩約25分
電話
048-957-4129
営業時間
18:00~23:00(土・日曜、祝日は17:00~)
定休日
月曜
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/さまざまなジャンルの飲食店に勤めた中で、お客さんが一番にこやかになれるのが焼肉だったと教えてくれた池田さん。「焼肉バカ」とは焼肉を食べて自然と笑顔になってしまう、そんな場所を提供したいという思いの表れなのでした。

取材・文=篠原美帆 撮影=吉岡啓雄

次週、11/10(土)は全国の焼肉編 第4弾を掲載!

地元人が通う、一度は行きたい焼肉店。次週11/10(土)は茨城、長野、三重などのこだわりの店主が営む焼肉店を紹介予定! お楽しみに‼︎

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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