ギャンパレ・ドクソンお墨付き、神保町の家族経営ラーメン店とは

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2018/10/13

ギャンパレ・ドクソンお墨付き、神保町の家族経営ラーメン店とは

【隔週土曜日更新】おいしいラーメン店は数あれど、思い出とリンクする一杯はまた特別なもの。本連載では東京で活躍する方々に「思い出の一杯」をうかがい、その店と彼らのラーメン物語に迫ります。第1回目は9人組アーティスト「GANG PARADE」のメンバー、ユイ・ガ・ドクソンさんが登場!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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週3でラーメン通い! ユイ・ガ・ドクソンさんの思い出の味とは?

ユイ・ガ・ドクソン

ユイ・ガ・ドクソン

9人組アーティスト「GANG PARADE」メンバー

今春に9人体制となった「GANG PARADE」のユイ・ガ・ドクソンさん。よりパワフルに全国をかけ巡る彼女は、週3でラーメン店を訪れるラーメンラバーです。そんな彼女が愛するのは、安くておいしい神保町の老舗「伊峡」。ドクソンさんのラーメン好きのルーツと共に、後半では店主さんとお店の歴史をひもときます。

記事の最後には、ドクソンさんのほっこり話も。そちらもお見逃しなく!

神保町「伊峡(いきょう)」/ラーメン(430円)

「伊峡」のラーメンをひもとくキーワード3つ

1.ドクソンさんが惹かれた理由
2.創業51年。うまくて早くて安い中華そば
3.変わらない味はいかにして作られる?

1.ドクソンさんが惹かれた理由

「温かい老舗ならではの空気感」

場所は神保町駅から徒歩5分ほど。飲食店が連なる路地の角にたたずみます

「伊峡」は沢木昭司(しょうじ)さん一家が営む、1967(昭和42)年創業の老舗です。飲食店がひしめくこの地で長く愛される理由は、一杯430円からという手ごろさと昔懐かしい味。ドクソンさんが訪れたのは、とある撮影がきっかけでした。「ほかの人にも食べてほしい! と強く思ったお店の一つです」とドクソンさん。

「老舗の店構えってどこか緊張しがちけど、気さくなお母さんと温かい店主さんがかもし出す空気が心地よい。初めての方でも入りやすいと思います」(ドクソンさん)
ドクソンさん
ドクソンさん
「普段はあまりスープを飲み切らないんですが、おいしくて思わず飲み干してしまった! チャーハンもおいしかったなぁ。そしてこの安さにも驚きですよね
メニューは主に4〜500円台。ラインナップは創業時から変わりませんが、リクエストが多かった「半チャン野菜炒め(半チャーハンと野菜炒め)」(630円)のみ追加したそう

ちなみにドクソンさんの人生初ラーメンは、おばあちゃんの手作りだそう。「小さいころは、土曜日の夕飯がラーメンかうどんだと決まっていて。おばあちゃん作なんですが、いつも同じ醤油系の袋ラーメンでしたね」とドクソンさん。

「いろいろなジャンルを食べ歩くけれど、特に中華そばが好き。なんとなく家で食べていた味がルーツになっているのかなとも思います」(ドクソンさん)。

スープは奥深い醤油ダレと素材の味わいがあとを引きます
ドクソンさん
ドクソンさん
「そうそう、出てくるのもめっちゃ早いんですよ! 独特な麺の湯切りも印象的でしたね。お湯を張った中華鍋から平らな網ですくうスタイルなんですが、その身のこなしがなんとも美しくて……!

2.創業51年。“うまくて早くて安い”中華そば

ドクソンさんが驚いた店主の技

二代目店主の沢木昭司さん。寡黙ながら、温かい人柄が言葉の節々に滲みます

「伊峡」という店名は、初代の出身地である長野県・伊那市と国指定の名勝である天竜峡から。もともとこちらの目の前には、中華料理を専門に出すもう一つの「伊峡」があったそう。平成元年に初代が亡くなったのを機に、担当だったラーメン店の「伊峡」を沢木さんが受け継ぎました。

店主・沢木さん
店主・沢木さん
「餃子やレバニラ炒めなどはもう一つの『伊峡』で出していたから、ここはラーメン専門になったんだよ。だから今も、サイドメニューはチャーハンと野菜炒めくらいなの」
「昔は常に満席で。9時過ぎになったら学生達が、まだ〜? まだ〜? って来るの。11時開店なのに。雀荘からの出前では、1軒でチャーハン5、60個なんてこともあったよ」(店主・沢木さん)
時おり響(ひび)く、黒電話のジリリリリという音にも歴史を感じます
店主・沢木さん
店主・沢木さん
「初代は中華料理屋で働いていたんだけど、体を壊して僕が勤めていた会社に来たの。治って自ら店を出そうとなったときに『手伝ってくれないか』って声をかけられたのがはじまりで。あ〜、それから50年も経つんだなぁ

ドクソンさんに「湯切りする際の身のこなしが美しい!」と聞きました

店主・沢木さん
店主・沢木さん
「先代の見よう見まねで始めたけど、こんなのすぐできるよ(笑)。これなら忙しくても、一気に茹でやすいでしょ」
湯をはった中華鍋で茹で上げる。「麺は細麺で、上げるまで40秒くらいかな。注文して水を飲んでる間に出てくるよ」(沢木さん)
「ザルなら数玉入れても麺が絡みにくいでしょ。でも何玉かを一気に茹でて、均等に分けるのは難しいよなぁ。そこは慣れだよね」(沢木さん)

「安さにもびっくり!」と驚かれていて

店主・沢木さん
店主・沢木さん
すごいだろ? 父ちゃん母ちゃん兄ちゃん(家族)でやってるからだよ。うちはうまい、安い、早い!
奥様の佳代子さんも、時おり厨房に。「出会ってもう40年くらいかな。側にあった『るる』って喫茶店にいつもコーヒーを飲みに行っていたんだけど、そこでバイトしていたのがお母さんだったの」(店主・沢木さん)

ふと外を眺めながら、「昔は4、5軒だったのに、いまは周りに飲食店が増えたね。高いビルも建ってさ、この辺りで変わらないのはうちくらい」と沢木さん。変わらないのは店構えだけではありません。ラーメンの味だって、51年前のまま

3.変わらない味はいかにして作られている?

名物はラーメンと“半チャン”!

半チャーハン付きの「半チャンラーメン」(630円)

実はこちら、半チャーハンが付いた“半チャンラーメン”の名店としても知られています。「チャーハンうまいだろ?」と沢木さん(おいしかった!)。

店主・沢木さん
店主・沢木さん
「ラーメンとチャーハンって合うんだよなぁ。うちは油を控えてるからギトギトしないの。お米を洗ってから2〜30分置いて、炊きあがってからしばらく蒸すと、こんな食感になるんだよね」
粒が立ったチャーハンは、ふっくらしていながら芯はしっかり。香ばしくしつこさのない味わいは、ラーメンともちょうどいいバランス
卵とご飯、チャーシュー、ネギをさっと炒めます。ラーメンと同じく、あっという間!

ラーメンはあっさりしていながら、じんわりと旨味を感じる昔ながらの中華蕎麦。固めの縮れ麺をすすると、ぐっと醤油ダレの風味を感じます。

タレは、醤油に鶏の脂やみりんを合わせたもの。スープには鶏ガラや豚骨、タマネギ、長ネギ、昆布、ニンニク、干しエビなど、さまざまな素材がぎゅっ
同じスープとタレで仕込んだチャーシューは、噛むほどに肉とタレの味が染みる。あっさりスープ&歯切れいい麺とも絶妙に合わさるんです
創業時から仕入れている小池製麺所の麺については「早く茹でるにはこの太さがいいんだ」と沢木さん
店主・沢木さん
店主・沢木さん
うちの麺、少し多いでしょ? 一杯でお腹いっぱい食べてほしいから、一玉を多めに注文しているんだよね」
「メンマのトッピングを作ってほしい!」との声が出るほど、実はメンマも評判。スープにほどよい塩加減が引き立ちます

「あっさりしてるだろ。これが昔ながらのラーメンなんだよ」とほほえむ沢木さん。約半世紀続く老舗の中華蕎麦は、その雰囲気もあわさって滋味深い。素朴ながら、さまざまなラーメン店が集まる東京で、ついまた食べたくなる一杯でした。

ユイ・ガ・ドクソンさんとお届けした、第一回「私の一杯」。次回は10月27日(土)、とあるラーメン通の物語と、思い出の一杯に迫ります! お楽しみに。

おまけ/ドクソンさんが語る!
ラーメンを食べる時の鉄則

「思い出のラーメン店は?」とうかがうと、1時間ノンストップで語り続けていたドクソンさん。最後にもう一つ、「ラーメンを食べるときはお酒は飲まない」と、食べる際の鉄則を語ってくださいました。

「ラーメン店へ行くのは、ほとんど仕事後の夜。ご褒美なんです」(ドクソンさん)
ドクソンさん
ドクソンさん
「飲まなきゃやってらんない時期もあったんですけど(笑)、私は飲むと感覚が曖昧になるので、せっかくなら五感を研ぎすませた状態で食べたいし、いまはやっていけるからお酒は飲みません。ラーメンのおいしさとも、まっすぐ向き合えるようになりましたね」
この裏にももう一つ入口があるので、店内は風通しがいいんです。気持ちいいですよ〜

取材メモ/エレクトリカルなサウンドやユニークな歌詞が印象的な「GANG PARADE」ですが、インタビュー中はほっこりオーラに癒されっぱなしでした! 途中、「帰りに飴がもらえるお店があるじゃないですか。いつも味を選びたいけど、なんか恥ずかしくて、シュッと取るんです」とドクソンさん(そんなところに再びほっこり)。ちなみにラーメン巡りで注目している沿線は、野田線の沿いとのこと。ドクソンさんおすすめの一杯、ぜひ味わってみてくださいね。

取材・文=金城和子、撮影=三佐和隆士

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