澄んだダシ、手仕込みの種。70年変わらぬおでんを提供/宮城

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【特集・第2回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 おでん編 〜

2018/12/01

澄んだダシ、手仕込みの種。70年変わらぬおでんを提供/宮城

仙台でおでんといえば「おでん三吉」。昭和24年、先代が屋台として創業し、長年愛され続ける名店を取材しました。(「せんだいタウン情報S-style」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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一つ一つの素材の旨さが、優しく体に染みわたる

人気の種4種。「にら玉」(292円)、「いいだこ」(129円)、「大根」(238円)、「さんまのすり身」(292円)。26種類ある種は、それぞれに手間をかけて仕込まれています

「おでんといえば三吉」と誰もが口にするほど、地元でなじみの名店。先代の味をそのままに親子3代にわたって引き継ぐおでんは、県外にもファンがたくさんいます。

カウンターの中の大きな鍋で煮込まれたおでんは、澄んだダシ、ほっこりと体が癒やされるような優しい味が特徴。世代を超えて長く愛されているのもうなずけます。

長男で3代目になる浩章さんとともにカウンターに立つ店主の田村忠嗣さん。楽天イーグルスの応援団長としても有名で、応援のため遠方に出かけることも多いそう。「息子とやってるから出かけられる」と笑顔でした

仕込みの様子。この厨房で創業からの味を従業員と守っている

人気の「にら玉」もトレーいっぱいに並べられていました
提供される瞬間が一番美味しくなるよう、素材の茹で具合、巻き加減など、最適な状態に下ごしらえを施しています
人気の「いいだこ」にはかんぴょうで鉢巻きを。先代の三郎さんに似ていると評判だったそう

おでんの種はすべて手仕込み。スタッフがひとつひとつ丁寧に仕上げていきます。「にら玉」はニラの部分が崩れないように工夫され、「大根」は10時間、「こんにゃく」は2日間煮込んでダシを染み込ませるなど、素材によって仕込みにもこだわりが

店主 田村さん
店主 田村さん
「昔と今の味は多少違うかもしれないけど、変えようとしたことはありません。ダシも、種も、先代が作った味そのまま。シンプルなおでんだから、変えようがないね」

ひたすら丁寧に。特別ではない普通のおでんをぶれずに作る

長年、毎日カウンターの鍋に継ぎ足しているというおでんダシ。丁寧に頭と内臓を取りのぞかれた焼干しのダシは、ふんわり甘く、雑味がありません

「おでん三吉」の一番の特徴でもある澄んだおでんダシは、先代が試行錯誤でたどり着いたもの。青森県脇野沢の焼干しと昆布のみで澄んだダシに仕立てていますカウンターの鍋の中も変わらぬ透明度なのは驚きです。「そりゃあかなり気をつけているからね」と忠嗣さん。

鍋に整然と種を入れていく、鍋から傷つけずに種を引き上げる、これも長年の経験による技術。ダシの透明度を保つためにも重要な作業です

適切に下ごしらえした種を鍋に入れていきます。ここでの仕上げ煮込みも重要な作業。注文が入ってから、盛付けて出すまでのタイミングを考えて煮込みます

煮あがった「いいだこ」は「はんぺん」の上に並べます。こんな風景も、ほっこりと幸せな気分にさせてくれます

魚介はタイマーで時間を計って短時間で温めます。「おでん三吉」の種は、ウインナー以外は野菜と魚介のみ。動物性のものを入れないので、ダシの透明度やすっきりした味を保てるのだそうです。この鍋の中で様々な素材の味が一つになり、深い味わいを作り出します。

お客さんとのほどよい距離感がおでん屋のいいところ

カウンター、座敷の様子を眺めながら種を煮込んで提供します。1階だけで30名以上入ることができる広さですが、客との距離は近く感じます

「三吉」は「さんきち」と読みますが、創業当時は「みよし」という名前でスタート。「お客さんが、さんきち、さんきちと呼んだので、いつしか『さんきち』になった」といいます。屋台から昭和26年に現在の場所で営業するようになり、トータルで70年。4階建てのビルでの営業になっても、屋台の頃と客との距離感は変わっていないようです

田村さん
田村さん
「良かったことはいろんなお客さんに会えること。おでん屋はお客さんが構わないでくれることがいい。お互い気楽でいられる。うちはお客さんに恵まれていると思う。親父がそういうお付き合いをしてもらっていたおかげなんだけどね」
カウンターでは、屋台と同じように直接手渡し

「親父が亡くなる20年前から味を覚えてきた」と語る忠嗣さん。浩章さんも自然と一緒に仕事をするようになり、その味を引き継いでいます。親子3代、変わらず作られてきたおでんは、いつ味わっても癒やされる味。客も親から子、孫と、世代を超えて訪れます。

飲み屋街の入口に灯る提灯。地元ではなじみの風景です

開店と同時に満席になる日も多く、地元で長く愛される人気店。温かな雰囲気が店の外観からも感じられます。おでんも人も温もりいっぱいの「おでん三吉」に、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

1階はカウンター15席、座敷18席。2、3階にはイス席や大広間もある
Yahoo!ロコおでん三吉
住所
宮城県仙台市青葉区一番町4-10-8

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アクセス
勾当台公園駅[南1]から徒歩約2分
広瀬通駅[西6]から徒歩約6分
青葉通一番町駅[北1]から徒歩約8分
電話
022-222-3830
営業時間
1~4月、10・11月18:00~23:00(L.O22:30)、土曜17:00~23:00(L.O22:30)、5~9月18:00~22:00(L.O21:30)、金・土曜18:00~23:00(L.O22:30)、12月17:00~23:00(L.O22:30)
定休日
日曜・祝日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/親子3代、「あえて変えない」努力は並大抵ではないはず。しかし、お2人はそんな苦労を感じさせませんでした。にこやかで穏やかで自然体。今までも、これからも変わらない「おでん三吉」の魅力を再確認した取材でした。

取材・文=扇かおり 撮影=山口晃

せんだいタウン情報S-style

せんだいタウン情報S-style

毎月25日発行、450円

仙台・宮城のグルメ、レジャー、ニューショップなど、話題のスポットを幅広く紹介。地元の人々に愛され続けて43年のタウン情報誌。この1冊で仙台の“今”が分かる! 発行部数:60000部。

次週、12/8(土)は全国のおでん編 第3弾を掲載!

地元人が通う、一度は行きたい焼肉店。次週12/8(土)もこだわりの店主が営むおでんの店を紹介予定! お楽しみに‼︎

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