昼からほろ酔いに!ロックなママがいる札幌の隠れ酒場

昼からほろ酔いに!ロックなママがいる札幌の隠れ酒場

2018/10/26

札幌では数少ない、昼から飲める店の一つ「りたや」。ランチのついでに飲むのではなく、本当に飲みたい人のためにある小さな酒場だ。札幌中心部を観光し、ちょっと疲れたら、ここで一杯引っかけてみてはいかが?

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

二条市場のひっそりとした中小路で、昼から至福の一杯を

「札幌市民の台所」と呼ばれ、現在は札幌屈指の観光スポットとなった二条市場。明治時代から100年以上続く歴史ある市場だ。大通公園やすすきのから徒歩圏内とアクセスが良く、海産物や農産物を求める観光客でにぎわう。

創成川公園にある狸二条広場は、二条市場と狸小路を結ぶ憩いの場。大通公園のようにさまざまなイベントが開催されるので、札幌市民も注目している。そのすぐ近く、二条市場の中小路にあるのが「ひる酒と肴のお店 りたや」だ。

地下鉄大通駅36番出口から南下し、狸小路1丁目を左折。アーケードを抜けると見えるのが狸二条広場だ。交差点を渡り二条市場まで直進しよう
交差点を渡りきると、昭和の面影が残るレトロな中小路が。左手にホッピーの赤ちょうちんが見えたら、そこが「りたや」だ

酒飲みのママがオープンした昼酒の店

2018年4月にオープンした「りたや」を切り盛りするのは店主 松吉亜希子さん。とても気さくで笑顔がすてきなママだ。お客さんからは「リタさん」と呼ばれ親しまれている。彼女は北海道江差町の出身。東京のレストランやパスタ専門店、新宿ゴールデン街のバーなどで働き、15年ほど東京にいたが、縁あって5年前に北海道に帰ってきた。

入店すると、すでに常連客の姿が!早速、一杯(?)やっているようだ

札幌に住み、飲食店を離れ、事務の仕事に就いたというリタさん。また飲食店で働きたいと強く思っていたそんな時、友人が通うバー「函館電視台」のオーナーが昼にお店を開けてくれる人を探しているという話を聞きつけた。

「下準備とか何もしていなかったんですけど、『やります!』と即お返事しました」とリタさん。トントン拍子で話が進み、オープンまで2カ月を待たず、あっという間に開店したそうだ。

本名と接点のない「リタ」の名前は、アメリカンプロレスの選手が由来らしい。「あやかってネットのハンドルネームにしたら、そのままあだ名になっちゃって」とリタさんは話してくれた

それがなぜ昼酒専門の店に?「私も友達も飲ん兵衛なので、休みのたびにランチ食べに行こうって言いながら飲みに行くんですよね(笑)。でも、札幌って昼に飲める店が本当に少なくて『いっそ自分たちで作る?』って冗談で話していたのが実現しました」。

「りたや」は飲みたい人のためのお店

今や居酒屋で定食や丼を食べる「居酒屋ランチ」が当たり前になったが、「りたや」のお品書きにランチの文字はない。ランチを目的に来るお客さんはいないのだろうか。

お品書きにはガッツリ系のご飯ものや揚げものは見当たらない

「オープン当初はランチもやっていたんです。だけど、昼に飲む人って食事を済ませてから来店するんですよね。せっかく炊いたご飯も毎日余していたので、結局続きませんでした」とリタさん。なるほど、ここにはおなかを満たすことよりも、飲むことを目的に来るお客さんの方が多いらしい。

「常連さんに一杯いただきました!」とご機嫌なリタさん

しかし、リタさんからはこんな一言も。「おなかを空かせて来るお客さんには、あるもので何か作って出します」。きっとこの優しさがお客さんの心をつかんでいるに違いない。

昼から飲みたい人のための「りたや」では、酒の肴(さかな)になる料理が日替わりで用意される。今回はリタさんおすすめの3品をご紹介!

\味も量もちょうどいい/

ひる酒ちょい呑セット(1200円)

ひる酒ちょい呑セットは、りたやに行ったら注文すべき一品。好きなお酒1杯と総菜3種がセットになっている。お酒は種類が豊富なので、選べる楽しさがうれしい。

店長 リタさん
店長 リタさん
「今日はナスの煮浸し、おでん、ポテトサラダを用意しました。お酒のアテにちょうどいいとお客さんに好評なんですよ」

\店主こだわりのピクルス/

りたやのピクルス(500円)

店のメニューで一番手間をかけて作っているというピクルス。ハーブやスパイスがブレンドされた液が色鮮やかな野菜に染みわたっている。酸味が少なくまろやかで食べやすい。

店長 リタさん
店長 リタさん
「東京のレストランで働いていた時に習得したレシピをアレンジして作っています。簡単そうに見えて意外と手が込んでいるんです」

\寒くなるこれからの季節に/

もつ煮込(500円)、焼酎ハイボール(500円)

秋冬限定のあったかメニュー、もつ煮込み。丸一日かけて煮込まれたモツはやわらかく、ダイコンにも煮汁が染みていて、とても美味。下町風の焼酎ハイボールと一緒にどうぞ。

店長 リタさん
店長 リタさん
「10月からお店で出していますが、早くもお客さんに人気のメニューです。お好みで一味をかけてお召し上がりください!」

\出会えたあなたはラッキー!/

秋刀魚の甘露煮(500円)、特製レモンサワー(600円) ※秋刀魚の甘露煮は仕入れ状況によってない場合がある

秋限定のメニューがこの秋刀魚の甘露煮だ。どこか懐かしい家庭の味に心が癒やされる。輪切りにして凍らせたレモンが直立している特製レモンサワーはこのお店の名物だ。

店長 リタさん
店長 リタさん
「サンマが旬の今しか出していません。仕入れ状況によっては、店にない日もあります。レモンサワーは、SNS映えするけど飲みづらいってよく言われます(笑)」

札幌に広めたい昼酒の文化

徹底した昼飲みの姿勢を貫くリタさんに、その醍醐味(だいごみ)を聞いてみた。「やっぱり一番は優越感ですね。下地ができるから夜も楽しめるし。あとは、その日のうちに酔いが覚めるから、次の日残らないっていうのも良いところかな」

リタさんいわく、夜は食事と一緒にお酒を楽しむ人が多いが、昼から飲む人はお酒が好きで飲みに来るので、おもしろいお客さんが多いらしい。そんなお客さんたちと話せるのは、店の人間ならではの醍醐味(だいごみ)と言えるだろう。

「一杯いただいたお礼に」と日本酒をお酌。ちなみにリタさんが好きなお酒は純米酒なんだそう

SNSで「りたや」の存在を広めた「りたやのインフルエンサー(リタさん公認)」という常連客にお話を伺った。

50歳・男性会社員
50歳・男性会社員
「求めていた昼飲みの店がオープンしたってTwitterで知って、即情報拡散しました。札幌は昼から飲めるお店って少ないですから、そんな中で観光スポットである二条市場に隣接しているって、立地的に良いですよね。僕は仕事のミーティングで使わせてもらうこともあります。まぁミーティングになりませんけどね(笑)」

東京で長く働いていたリタさん、札幌の人たちはお酒に対して大らかだと話す。札幌では、ここ10年ほどで食やお酒をテーマにしたイベントがかなり増え、明るい時間からお酒を傾けることが少しずつ定着しはじめている。

「私も札幌の酒文化を築く一欠片になりたいです。主婦や子育て中の人も気軽に飲みに来てほしいし、楽しい時間を過ごせる空間を作りたいっていう思いがあります」。

ロック好きの方、歓迎します!

「りたや」のSNSにも頻繁に登場している裏店長

ところで、入店したときから気になっていた世界的にも超有名な「彼」。いったい、なぜここに? エピソードを聞いてみた。

「私、ロックや音楽フェスが好きなんですけど、それを知っている友人夫婦が送ってくれた開店祝いなんです。匿名で届いたので、Twitterで送り主を探しました。そのうち、心当たりがあるという友人が現れ『18センチのフィギュアだと思って送った』と…実際に届いたものは180センチでした(笑)」。酒好きだけでなく、ロック好きも楽しい時間が過ごせるかも。

今年開催20周年を迎えたライジングサンロックフェスティバルは、初回から皆勤賞というリタさん。「怒髪天」が大好きなんだそう

取材メモ:店の外で撮影する時、リタさんはライダースジャケットを羽織り、ダルマを抱えてきた。「怒髪天の増子さんが目を入れに来るのを待ってるの!」ということで、増子さんのご来店を祈念して一緒にパチリ。「でもこのダルマ、家内安全って書いてるんだよね(笑)」と、ちょっと恥ずかしげなリタさんなのでした。

取材・文=小林かほり、撮影=山下晴美(みんなのことば舎)

「旅先で昼ごはん。〜札幌・名古屋・大阪・福岡〜」他エリアもチェック!

\あわせて読みたい!/

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

おすすめのコンテンツ

連載