うわさの回転寿司を実食レポ 小田原「禅」はこんなにスゴかった

特集

おいしい回転寿司が食べたい!

2016/07/23

うわさの回転寿司を実食レポ 小田原「禅」はこんなにスゴかった

ネットを中心に話題となっている回転寿司店があることをご存知だろうか。それが、小田原の「あじわい回転寿司 禅」だ。別名「変態回転寿司」という、パンチの効いた(!?)通称でも呼ばれている同店。回転寿司の何がどう変態なのか? 実際に行って、その凄さを体験してきた!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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回転寿司と思えないメニューの豊富さに驚愕!

「変態回転寿司」と呼ばれるこのお店の情報を集めてみると、「回転寿司ビストロ」とのうたい文句で、回転寿司の気軽さでビストロ料理が食べられる、というのが売りのようだ。

だが、それだけでは「変態」というほどのことではない。その真相を探るべく、「あじわい回転寿司 禅」に潜入取材を試みることに。

小田原駅よりさらに車で5分。外観は至って普通の、郊外の回転寿司といった雰囲気だ
カウンター席とレーンに面したボックス席を合わせて40席の店内。回転寿司としてはやや小振りなお店という印象

なぜ、変態回転寿司と呼ばれているのか……? 店内をさらに見回してあることに気が付いた。「キャビア」「バーニャカウダー」「ソフトシェルクラブ唐揚げ」「とりのフォー」など、お寿司だけでなく、和洋中さまざまなメニューがあるのだ。

黒板にはキャビアやモッツァレラチーズ、ソフトシェルクラブの唐揚げなど、寿司屋にあるまじきメニューが多数

おっ、ちょうどネットでも見たことのある名物店長、西尾さんがホールに出てきましたね……。とりあえず、寿司には珍しい生ハムを注文して、お話を伺うとしますか。

——すみません、生ハムをお願いします!

西尾店長
西尾店長
黒板にありますのはトスカーナ産ですが、さきほど出したばかりの、スペイン産のハモン・イベリコ・デ・ベジョータ48カ月熟成はいかがでしょうか?
こちらが、某有名デパートではとんでもない価格で売られているという生ハムの原木。ごっつい土台に鎮座している

——ちなみに、どんな生ハムなんですか?

西尾店長
西尾店長
生ハムは大きく分けて、スペインの4つの州で作られているんですが、これはその中でも最北端に位置する、カスティーリャ・イ・レオン州のサラマンカ県ギフエロ産です。通常は生ハムを作るのは標高800m付近が多いんですが、ここは1100mほどの高地。寒さを生かして、じっくり熟成させることのできる環境なんです。

最近はエアコンで温度管理するのが主流ですが、これは昔ながらの方法で、暖炉で温度を調整しながら作っています。しかも塩気をおさえて肉の旨味を引き出すために、塩漬けの期間を短くしている。そのため、通常は24カ月熟成のところを倍の48カ月熟成が必要なんです。

そのくらい、スペシャルな生ハムだ、ということをお伝えいたします。

——は…はい……(変態と称される意味が分かってきた……)。

にこやかに生ハムについて解説する、店長の西尾さん。この人の凄さを、このあと嫌になるほど思い知ることになる……
こちらがお客様には出さないという生ハムの切れ端。カビの付いていない脂身は、炒め物に使うと抜群の風味が出せるのだとか
西尾店長
西尾店長
ちなみに、某高級デパートでは、100グラム単位でも相当な価格で販売されているみたいです。

——えっ……ちなみにこちらでは…
(ヤバい、値段聞くの忘れてた! そんな大金持ってきてない!)

西尾店長
西尾店長
大丈夫です、うちでは1944円で出させて頂いています。

まぁ、ちょっと食べてみてください!

——ふぅ、マジで焦った……。それにしてもそんなに高級な生ハムを、この値段で出して大丈夫なのか? という気がしてきたが、高級なしゃぶしゃぶのようなサシの入り具合が、見るからにうまそう!

こちらがハモン・イベリコ・デ・ベジョータ48カ月熟成。控えめに言っても、1944円は破格の値段である

——では、頂きます! ……塩気は抑えめなのに、噛めば噛むほど肉の旨味が出てきますね!

しかも脂身がしつこくなくて、舌の上でとろけていく!

こんなにボリュームたっぷりいただいてしまうと、ワインやお酒が進んじゃうなぁ…

西尾店長
西尾店長
口の中で香りが開くでしょう? ウチは温度管理もしっかりしているんで、本国スペインで食べるよりもおいしいっておっしゃってくれる方も多いんです。

ほかにも本格的なビストロメニューが多数。

「ここって回転寿司のお店だよな……」と思いつつ、気になるものを注文してみた。

マグロのテールステーキ ガーリックチップ添え648円。ボリュームたっぷりで、コスパ抜群! ガーリックの香りが食欲をそそる
小田原野菜と八百屋さんのバーニャカウダー1058円。南足柄と地場の畑から穫れたものが中心。味のしっかりした地元の野菜を、アンチョビの効いたアツアツのソースにディップしていただく
小田原野菜と八百屋さんのバーニャカウダー1058円。南足柄と地場の畑から穫れたものが中心。味のしっかりした地元の野菜を、アンチョビの効いたアツアツのソースにディップしていただく

どれも回転寿司で食べられるとは思えない、本格的な味。

それもそのはず、和食の総料理長クラス2名、料理長クラス1名のシェフが在籍し、その腕をふるっているとのこと。そのため、タイ料理やベトナム料理などのメニューも月代わりで登場するのだとか。

記者がビストロ料理をおいしく食べている最中も、西尾店長は忙しくお客様のテーブルを回って料理やお酒に関する解説をしている模様。

世界的に有名な醸造家が、ベンハミン・ロメオ氏が「あじわい回転寿司 禅」を訪問!

——ちなみに、さっきから気になっていたんですが、サインの入ったあのボトルは……?

西尾店長
西尾店長
ワイン界の権威・ロバート・パーカーJrが98点を付けたワイン、2008年のコンタドールです。ちなみに、2004年・2005年には100点を獲得しています。

——おおっ、すごい! ロバート・パーカーJrといえば、それまで評価の基準がなかったワイン業界において、パーカーポイントと呼ばれる100点満点のわかりやすい評価を与えることにより、世界にワインを広げることに貢献した「世界で最も影響力のあるワイン評論家」ですよね!

西尾店長
西尾店長
その彼が作った、白ワインの最高峰「ケ・ボニート・カカレアバ」を日本で一番売ったのがウチなんです。それで、生産者であるベンハミン・ロメオさんがこのお店を訪問していただいたんです。

——世界的に評価されているワインを先駆けて紹介するばかりか、その生産者がスペインから小田原まで訪れるとは……「禅」恐るべし、ですね! ワインだけでなく、海外のビールも充実してますよね。

西尾店長
西尾店長
1995年に田崎真也さんが第8回世界最優秀ソムリエコンクールにて日本人として初優勝した後、ワインブームが起きましたよね。それを受けてこの店でもワインを扱い始めたんですが、その当時はお寿司とワインを合わせるというのがなかなか定着しなかった。

——ちょっと早すぎたんですね。

ワインや日本酒は、温度管理のできるワインセラーで保存している
西尾店長
西尾店長
それで、当時日本では出回っていなかった輸入ビールも扱い始めたんですが、そうしたことでビール愛好家の方に全国から来ていただけるようになったんです。もともと6種類のベルギービールからスタートして、好評だったんでその種類がどんどん増えまして、今では生ビールを7種類、ボトルのインポートビールを50種類ほど扱わせていただいています。
訪問時はベルギービールの定番、スパイシーで爽やかな味のヒューガルデン・ホワイトと、フルーティーな香りを楽しめるレフェ・ブロンドなどが用意されていた。生の飲み比べも楽しめる
世界的なブームとなっている、IPA(インディア・ペール・エール)も当然のように充実。苦みの利いた、特徴的な味のものが多い

——それにしても、どうしてこんなに世界中の多種多様なお酒や食材がここに集まるんですか?

西尾店長
西尾店長
三ツ星レストランと取引しているようなインポーター、つまり輸入業者さんが、「この店でヒットすれば、ほかのところでも売れる」って噂を聞きつけて、「こんなおいしいのがあるから、ちょっと使ってみてよ」っていろいろなものを持ってきてくれるんです。

あとは、仲のいいソムリエさんが「このお酒はおいしいけど知名度が足りないから、いろんな人に飲んで欲しい」って知られざるおいしい銘柄を教えてくれたりもしますね。

——(それってもしかして、ここ小田原からトレンドを生み出している、ということなのでは……?)

極上のチーズやビストロ料理ももっと楽しみたかったが、今回は回転寿司特集なのでお寿司も紹介しなければ……と思い、おすすめをいくつか握ってもらった。

油断すると忘れてしまうが、ここは回転寿司屋である
西尾店長
西尾店長
もちろん、ここは回転寿司屋ですから! お魚は、主に小田原と沼津から新鮮なものを仕入れています。是非食べていただきたいのは、小田原の名物「おしつけ」ですね。別名あぶらぼうずともいう銀ダラの仲間なんですが、淡白なのに脂が乗ってるんです。
本まぐろ赤身(378円)は、見た目よりも脂がのっていて価格以上の味わい
小田原の名物、おしつけ(540円)。別名「あぶらぼうず」ともいう深海魚。なんとも不思議な味
西尾店長
西尾店長
あとはボリュームたっぷりのオマール海老。インド洋のフランス領、トリカスタンのものです。泳ぐのがオマール海老、歩くのが伊勢エビ、というのはちょっとしたマメ知識ですね。
オマール海老(1026円)肉厚で適度な弾力と、海老ならではの甘みが最高! しかもボリューム抜群!
今が旬のしまあじ(540円)は、鯵の中でも最高級。しっとりとした脂がのって旨味も十分
沼津産のこしょうだい(432円)。コリコリとした歯ごたえが魅力。その名の通り、胡椒のような斑点が見えるのが新鮮な証
伊豆の神津島で穫れた、金目鯛(540円)は淡白ながら深い味わい

少々長めのルポとなった今回の取材。「禅」の現場の臨場感を出すには、このくらいの情報量が必要でした……。時間をかけて行っても、いろんな意味で大満足できるお店ですので、是非!

※予約不可

構成・取材=木村浩章(Roaster)、撮影=新城 孝

※掲載の内容は2016年7月時点の情報に基づきます。
※2019年7月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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