日間賀島の味を届け50年。名物女将が切り盛りする名古屋の良店

日間賀島の味を届け50年。名物女将が切り盛りする名古屋の良店

2018/11/09

名古屋から一番近い島・日間賀島(ひまかじま)の味でもてなす「晴快荘」。この時期は秋の味覚・フグや、タコ、イカ、鯛など、島の味を目当てに連日たくさんのお客さんで賑わっているが、人気の理由は新鮮な活魚料理だけでなく、店を切り盛りする女将さんにあった!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ビジネス街で「いい感じ」のお店で飲みたいなら「晴快荘」

店名はご主人の実家が日間賀島で営む「ホテル晴快荘」に由来している

どこかいい感じの飲める店ない?と聞かれたら迷わず紹介したいのが「晴快荘」。名古屋市きってのビジネス街・丸の内の一角、愛知県水産会館の地下にあり、暖簾をくぐると鯛が泳ぐ水槽が出迎えてくれる粋な鮮魚料理店だ。

水槽にはその日仕入れた新鮮な魚が泳ぐ

日間賀島とは愛知県知多郡にある離島で、トラフグやタコが有名。複雑な潮流のおかげで魚介類の宝庫ともいわれる島では、食通を満足させる料理が振舞われている。「晴快荘」で出される料理の多くがこの日間賀島や南知多郡の食材だ。

だし巻き卵やぶり大根、かぶと煮など10種類以上揃う惣菜。400円~

日間賀のおいしいものを届けて半世紀

「日間賀島の味を名古屋でも食べてもらいたい」という思いで、ここ丸の内に「晴快荘」をオープンしたのが昭和42年。それから50年以上にわたり、この場所で島の味を提供してきた。
とはいえ、女将さんがこのお店に出るようになったのは昭和47年のこと。21歳のときにこのお店に嫁いできたのだという。

常連さんには「おかえり!」、初めてのお客さんには「いらっしゃいませ!今日はどちらから来たの?」と、どのテーブルにも気さくに声をかける「晴快荘」の女将・鈴木秀子さん

日間賀島の漁師の娘に生まれた女将さん。「島では姉が民宿をやっているし、甥は料理人で『てっさコンテスト』で何度も優勝しているのよ」と話す。ご主人の実家では「晴快荘」の由来となる「ホテル晴快荘」を営んでいるし、一家そろって海の人である。

名物「もずくたこしゃぶ」は
絶対はずせない一品

「もずくたこしゃぶ」(1人前2000円)。〆のぞうすいまでぺろりと平らげてしまうおいしさ!

この店に来るほとんどのお客さんが頼むという名物「もずくたこしゃぶ」は、女将さんの息子さんである「晴快荘」の二代目が編み出したオリジナル料理。
――出汁には何を使っているのですか?

女将さん
女将さん
「絶対誰にも教えない。企業秘密だもん(笑)」

なるほど。企業秘密だという出汁に、薄く切ったタコをくぐらせていただく。これが地元TV番組で取り上げられてから人気に火が付き、店の看板メニューとなった。

各業界の有名人たちもこぞって通う

店内にはゆったりと落ち着ける座敷と、カジュアルに楽しめるカウンターがあり、いたるところに有名人との写真が飾られている。座敷には愛知県知事や名古屋市長と一緒に写る写真が。

女将さん
女将さん
「この人たちはもうお友達。電話もかかってくるしね」

女将さんの口からは大物アーティストの名前がどんどん出てくる。芸能界だけでなくスポーツ界、政財界にもファンは多い。

常連さんに聞く
「晴快荘」の魅力とは

試合の帰りに飲みに来た野球チームのみなさん
オープン当初から通っているという常連の“杉山”さん
オープン当初から通っているという常連の“杉山”さん
「僕は女将がお嫁に来る前からの常連。『晴快荘』の魅力?そりゃ女将だねぇ。このお店=女将でしょ。
女将のすごいところはね、僕らの食べたそうなものをわかってくれているっていうところ。僕らメニュー見て注文したことがないの(笑)。完全にお任せだね」
女将さん
女将さん
「お客さんが何を食べたいか顔を見ればわかるの。好みも全部わかってるしね」
“杉山さん”のチームメイト
“杉山さん”のチームメイト
「安くておいしいものを自分たちの好みを考えて出してくれるから、本当にいつ来てもハズレがないんですよね。僕らの懐事情もわかってくれているからありがたい!」
オープン当初から通っているという常連の“杉山”さん
オープン当初から通っているという常連の“杉山”さん
「酔っ払いすぎると怒られるで気を付けないかん(笑)」
あっちのテーブル、こっちのテーブルと忙しく動き回る女将さん。「島の女は働き者なのよ」と言いながら、次のテーブルの鍋の様子を見に行く
女将さん
女将さん
私は“世話焼きおばさん”なの

時にはお客さんから恋愛相談を持ち掛けられたり、結婚相手を紹介されることもあるという。とにかく女将さんは聞き上手なのだ。

秋からはフグ料理がおすすめ!

秋の味覚として「松茸の天ぷら」(1500円)がこの日の目玉。リーズナブルな価格で松茸が食べられると、各テーブルで注文が相次ぎすぐに完売してしまった。10月~3月のおすすめはフグ料理。てっさやてっちり、白子などがお店のメニューに並ぶ。フグのコースは7500円~。写真を撮りたかったのだが、あいにくこの日はこちらも完売でありつけず。フグ料理はコースで予約しておくのが賢明だ。

名物タコ料理の中でも人気のメニュー

「たこの炭火焼き」(1人前1000円)。炭火で炙るとぷりっぷりの食感に

甘辛くて酒のアテにぴったりな「いかの柔らか煮」

手間暇かけて煮つけた「いかの柔らか煮」(1000円)

大人数の宴会なら豪華に「鯛の姿焼き」はいかが?

「鯛の塩焼き」(4500円時価)と刺身の盛り合わせ(1000円/写真は2人前)

魚料理に合う日本酒、焼酎あります!

「晴快荘」オリジナルの焼酎(グラス600円~)。左の白ラベルが麦、右の黒ラベルは芋焼酎

50年お店を切り盛りしてきて、一度もしんどいと思ったことはないという女将さん。

女将さん
女将さん
「そりゃあ、毎日目が回るほど忙しいけど、お客さんがさ、あぁ今日も来てよかった! おいしかった!って言ってくれるのが私の一番の喜びだからさ」

と豪快に笑う。
おいしい料理店は数あれど、聞き上手な名物女将のいるお店となるとそうそう出合えない。名古屋に訪れたらぜひチェックしてほしい名店だ。

誰に対しても分け隔てなく接する女将さんのファンは多い

厳しくも優しいお母さんのような存在
取材中「これ食べてみな」と料理を口に入れてくれたり、帰り際に「持って帰って家で食べな。ちゃんと食べて仕事がんばらなきゃね」と料理を包んで持たせてくれる女将さんの優しさたるや。身に染みました。
女将さんはせっせとお世話してくれるお母さんのような雰囲気で、とても聞き上手。つい相談してしまうというお客さんの気持ちがとてもよくわかりました。

取材・文・撮影=まつおまいこ(日本プリコム)

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