京都の風景写真の巨匠が推薦!絶対に行きたい「紅葉の名所」5選

特集

京都で平成最後の紅葉を愛でよう。

2018/11/16

京都の風景写真の巨匠が推薦!絶対に行きたい「紅葉の名所」5選

11月の京都といえば紅葉。一度は訪れたい隠れた名所、思わずインスタにあげたくなる絶景が知りたい!と、京都の風景写真の名匠・水野克比古氏に聞いてみた。 ©水野克比古

Yahoo!ライフマガジン編集部

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風景写真の達人が選ぶ紅葉の名所

50年間、ほぼ毎日、京都の街を撮影し続けている風景写真の名匠・水野克比古さんに、隠れた紅葉の名所を教えていただきました。

1.嵐山公園(亀山地区)
2.嵐山渡月橋〜落柿舎〜常寂光寺
3.哲学の道〜永観堂〜金戒光明寺
4.広沢池
5.岡崎公園・円山公園

水野さんが推薦する「金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)」の秋季夜間拝観の様子 ©水野克比古

\紹介するのは、この方!/

水野克比古さん

水野克比古さん

写真家

絶景! 京都在住の写真家が語る「紅葉の名所」

古都の歴史に惹かれ、“そうだ 京都、行こう。”と雑誌や書籍をめくった人たち。実はその多くが水野克比古さんの風景写真を目にしていることだろう。1969年(昭和44年)の秋から、故郷である京都の写真を撮り続けて約50年。77歳になった今も、ほぼ毎日、京都の街にレンズを向けている。著作も多数、まさしく京都風景写真の第一人者なのだ。

水野克比古さん。自身のフォトスペース「町家写真館」で取材。春夏秋冬の京都の風景写真が展示されている

京都の春夏秋冬の風景を、ずっと撮り続けてきた水野さんだからこそ知る、隠れた紅葉の名所、穴場が知りたい。私たちのお願いに「すぐ200の名所が思い浮かびましたよ」と、心強い返事が。その中から選りすぐりの5つを、水野さん撮影の写真とともに紹介していこう。

1.嵐山公園(亀山地区)

自然の山々の紅葉グラデーション

紅葉シーズンの「嵐山公園 亀山地区」から。千鳥ヶ淵の眺め。目の前を流れるのは保津川だ ©水野克比古

人気の観光地・嵐山。来訪者の多い「天龍寺」と、その北側の「竹林の小径」を西進すれば、目の前に「大河内山荘」、左側(南側)に「嵐山公園 亀山地区」がある。「保津川(桂川)の方を眺めれば、千鳥ヶ淵の錦秋の光景。鉄道駅から徒歩圏内で自然の紅葉を楽しめるのも、街がコンパクトな京都ならではです」。水野さん曰く、来訪は早朝がおすすめ。朝日の中で、より紅葉のグラデーションが映えるそうだ。

Yahoo!ロコ嵐山公園 (亀山地区)
住所
京都市右京区嵯峨亀ノ尾町

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アクセス
トロッコ嵐山駅[出口]から徒歩約4分
嵐山(京福線)駅[出口]から徒歩約11分
嵐電嵯峨駅[出口1]から徒歩約16分
口コミ・写真など

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2.嵐山渡月橋〜落柿舎〜常寂光寺

人気観光地にも隠れた名所が

晩秋、渡月橋を臨む桂川東側の朝の光景 ©️水野克比古

「こちらは嵐山・渡月橋(とげつきょう)北東側・左岸の紅葉。昼間は混雑しますが、朝7時くらいに行けば、住人か近隣ホテルの宿泊者しか散策していないので、ゆっくり鑑賞できます」。真っ赤に染まった川沿いの木々を、紅葉の嵐山を借景に楽しめる。渡月橋の向こうにある嵐山は北斜面なので、日当たりが悪く、紅葉の見頃も比較的遅いのだとか。「11月下旬でも、まだまだ紅葉が楽しめる年もあります」

落柿舎(らくししゃ)の外観。このあたりは田畑も広がり、のどかな雰囲気だ ©水野克比古

「また昼間に嵐山に来ても、駅から嵯峨野方面、『落柿舎(らくししゃ)まで歩いてしまえば、混雑も和らぎます」。「落柿舎」は松尾芭蕉の弟子・向井去来の別荘だった場所。芭蕉も何度か訪れ、ここで『嵯峨日記』を記したという。秋に紅葉と柿が共演するのは、庭に柿の古木が植えられているため。「江戸時代に造られた茅葺(かやぶき)の建物も、今となっては貴重な存在です」

常寂光寺(じょうじゃっこうじ)からの眺め。写真の真ん中、薄い靄に包まれて見えるのが比叡山の稜線だ ©水野克比古

その落柿舎の近くにある「常寂光寺(じょうじゃっこうじ)」も紅葉の名所。百人一首にも詠まれた小倉山の斜面に立地する。「目の前に京都市街を見下ろせ、天気の良い日は比叡山も眺められます。ここの多宝塔は檜皮葺(ひわだぶき)。柔和なシルエットが良いなぁと訪れるたびに思います」

Yahoo!ロコ落柿舎
住所
京都府京都市右京区嵯峨小倉山緋明神町20

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アクセス
トロッコ嵐山駅[出口]から徒歩約6分
嵐山(京福線)駅[出口]から徒歩約13分
トロッコ嵯峨駅[出口]から徒歩約15分
電話
075-881-1953
営業時間
9:00~17:00、1~2月は10:00~16:00
定休日
12/31、1/1
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ常寂光寺
住所
京都府京都市右京区嵯峨小倉山町3

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アクセス
トロッコ嵐山駅[出口]から徒歩約5分
嵐山(京福線)駅[出口]から徒歩約15分
トロッコ嵯峨駅[出口]から徒歩約17分
電話
075-861-0435
営業時間
通年 9:00~17:00
定休日
年中無休
口コミ・写真など

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3.哲学の道〜永観堂〜金戒光明寺

東山の名所にも穴場の紅葉あり

疏水沿い、北は銀閣寺参道近く、南は熊野若王子神社に至る「哲学の道」©水野克比古

「東山慈照寺(銀閣寺)」のすぐ西、疏水沿いに2km続く「哲学の道」は、紅葉の盛りには歩いても歩いても錦秋の景色が続く。ここも日中は混雑するが、朝ならゆっくり鑑賞ができる。「途中で西方向に曲がれば『真如堂(しんにょどう)』と『金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)』、『哲学の道』の南側には『永観堂』と『南禅寺』と、紅葉の名所がたくさんあるエリアです」

池泉回遊式庭園で約3000本の木々が色づく「永観堂」。京都で一番、多くのモミジが見られる場所ともいわれる ©水野克比古

「小さな頃、この辺りへ家族と紅葉を観に来ると『ああ真如堂 ここらで休んで永観堂 これはまことに黒谷(くろたに)、そんなええこと南禅寺』という戯れ唄を、よく祖母が歌っていました(『黒谷さん』は金戒光明寺の通称)」。水野さん曰く、歌詞に深い意味はないのだとか。「真如堂、金戒光明寺、永観堂は御本尊が阿弥陀さん。ゆえに元気なまま、コロリとあの世に行ければとの思いで、当時のお年寄りはこの唄を口ずさんだそうです」

「金戒光明寺」の山門。付近の名所に比べ、観光客も少ない ©水野克比古

その戯れ唄にも出てくる「永観堂」。京都では「もみじの永観堂」ともいわれるくらい、界隈随一の紅葉の名所だ。庭も広く、御影堂、多宝塔、放生池など、見るべき場所も多い。「永観堂もいいのですが『金戒光明寺』もおすすめしたい。哲学の道からは白川通りを挟むためか、周辺の紅葉の名所に比べて、来訪する人も少ない」。境内の「紫雲の庭」は散策にも鑑賞にも、ちょうどよい広さだと水野さんは話す。

「金戒光明寺」のライトアップの様子。2018年の秋季夜間拝観は12月2日まで ©水野克比古

また2年前から中断されていた秋季夜間拝観も、2018年より再開された。「『紫雲の庭』では、池の水面に映る紅葉が素晴らしい。実は私自身、金戒光明寺のライトアップの取りやめは残念に思っていたので、復活は嬉しいです」

Yahoo!ロコ哲学の道
住所
京都府京都市左京区

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アクセス
蹴上駅[1]から徒歩約24分
元田中駅[出口]から徒歩約30分
茶山駅[出口]から徒歩約30分
電話
075-752-0225
営業時間
平日:24時間
定休日
無休
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ永観堂
住所
京都府京都市左京区永観堂町48

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アクセス
蹴上駅[1]から徒歩約13分
東山(京都府)駅[1]から徒歩約21分
三条京阪駅[出入口1(地下鉄)]から徒歩約28分
電話
075-761-0007
営業時間
9:00-16:00(17:00閉門) ※秋の夜のライトアップは公式HP参照
定休日
無休
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ金戒光明寺
住所
京都府京都市左京区黒谷町121

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アクセス
神宮丸太町駅[5]から徒歩約19分
東山(京都府)駅[1]から徒歩約21分
蹴上駅[2]から徒歩約22分
電話
075-771-2204
営業時間
通年 9:00~16:00 ※2018年秋季夜間拝観については公式HP参照
定休日
年中無休
口コミ・写真など

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4.広沢池

紅葉の遍照寺山が水面に映える

広沢池。平安時代に建立された遍照寺(へんしょうじ)の庭池だったという説もある ©水野克比古

JR山陰本線の北側、太秦(うずまさ)駅からも嵯峨嵐山駅からも離れた場所にある「広沢池」も、水野さんお気に入りの撮影場所だ。「池の北側の遍照寺山(へんしょうじさん)が赤く染まったさまが水面に映る、水鏡(みずかがみ)を拝めるのが最大の楽しみ。広沢池と紅葉、遍照寺山が毎回、異なる表情を見せてくれるので、何度訪れても飽きることがありません」

Yahoo!ロコ広沢池
住所
京都府京都市右京区嵯峨広沢町

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アクセス
車折神社駅[出口1]から徒歩約15分
鹿王院駅[出口1]から徒歩約16分
嵯峨嵐山駅[出口]から徒歩約17分
電話
075-861-1101
口コミ・写真など

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5.岡崎公園・円山公園

街中の公園も真っ赤に色づく

円山公園は東山に向かって、起伏のある構造になっている。紅葉のシーズンの終わりごろ、石段では散り紅葉が見頃だ ©水野克比古

京都は繁華街の近くまで山がせり出し、また川や疏水も流れているので、歩いていると街のそこかしこに紅葉の名所が。たとえば八坂神社東側の「円山公園」は、敷地にまで東山が迫っているため、起伏のある造りだ。「晩秋になると木々が色づき、シーズンを過ぎたら、今度は散り紅葉が絨毯(じゅうたん)のように積もります。この写真、まるで山道のようですが、祇園交差点から10分にある錦秋の世界なんです」

岡崎疏水の紅葉。朱色の鳥居は平安神宮のものだ ©水野克比古

平安神宮や岡崎公園の南側、仁王門通に沿った、疏水べりの紅葉もいいですよ」。この辺りは桜の名所なので、秋にはあまり注目していなかったと話す水野さん。「最近はレンズを向けるごとに美しいと思うように。桜の紅葉もすばらしいと気づいたから。京都の紅葉で有名な『タカオカエデ』とは違う魅力があります」。新たな発見があるからこそ、まだまだ京都を撮影して回らなければ、と水野さんは話す。

Yahoo!ロコ円山公園(将軍塚周域)
住所
京都市東山区円山町

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アクセス
祇園四条駅[7]から徒歩約13分
東山(京都府)駅[1]から徒歩約13分
河原町(京都府)駅[1A]から徒歩約15分
営業時間
通年 0:00~24:00
定休日
年中無休
口コミ・写真など

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Yahoo!ロコ岡崎公園
住所
京都市左京区岡崎最勝寺町

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アクセス
東山(京都府)駅[1]から徒歩約8分
蹴上駅[2]から徒歩約14分
神宮丸太町駅[2]から徒歩約15分
営業時間
通年 0:00~24:00
定休日
年中無休
口コミ・写真など

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京都の紅葉は、
なぜ人を惹きつけるのか

水野さん愛用のデジカメ「パナソニックG9プロ」

以上が水野克比古さん、おすすめの紅葉の名所だ。次に2018年、京都の木々は美しく真紅に染まりそうか、尋ねてみる。「夏が酷暑だったから、きれいになります。でも直前までわからないですね」との答えだ。結局は直前、晩秋にかけての1日の寒暖差で決まるそう。温度の差が激しい方が、より美しく色づくのだ。

今出川大宮交差点南にある「町家写真館」。水野克比古さん、水野秀比古さん、水野歌夕氏の作品を展示する

そもそもなぜ人々は京都の紅葉を愛してやまないのか。引き続き、京都・西陣にある「町家写真館」で、水野さんに話を聞いた。ここは明治初期に建てられた町家を昔の形に復元した水野さんのギャラリーで、春夏秋冬の京都の風景を収めた写真などが展示される。中庭やおくどさん(かまど)など、町家の雰囲気を体感できるのも魅力だ(来館するには電話予約が必要)。

「町家写真館」にある水野さんの作品。南禅寺塔頭「天授庵(てんじゅあん)」の紅葉

なぜ京都の秋に、人々が熱狂するのか。どうしてここまで、紅葉が美しいのか。「それは寺社仏閣や個人宅の庭はもちろん、山間部に至るまで、人の手が入れられているからです」。まさか京都盆地を囲む山の木々にまで、人間の仕事が発揮されていようとは。水野さんはその理由を丁寧に説明する。

京都の紅葉がなぜ美しいのか。その真相を語る水野さん
水野さん
水野さん
「京都は1000年以上も日本の首都だったため、平安〜江戸時代に造られた、さまざまな建物が存在します。当然その間、庭にも多様な木々が植えられました。多品種が植栽されていることが、京都の紅葉が美しい理由です。京都の紅葉では、北部・高雄地区発祥とされる『タカオカエデ』が有名ですが、その他の品種も多く植えられていて、色づき方もさまざま。よって庭全体で、美しい紅葉のグラデーションを描けるのです
「町家写真館」の展示の様子。奥の中庭の木も晩秋には色づくという
水野さん
水野さん
「また京都盆地を囲む山々は標高が低いため、昔から人の手が入れられています。大自然の山々のように“全山紅葉”とならないよう、植林されているのです。それも色づいたとき、うまくグラデーションを描くように。加えて常緑樹とのコントラストも美しい。また先ほど説明した庭が、山々を借景にしている場合、二重のグラデーションで、紅葉はますます映えます。これらは全て京都人が培ってきた、錦秋の季節を楽しむための術なのです
「町家写真館」には、紅葉の名所で紹介した「落柿舎」のミニチュア模型も展示してある
水野さん
水野さん
そして京都は気候的に、紅葉が美しくなる条件を合わせ持っています。夏は酷暑で、冬はすこぶる寒い。ゆえに晩秋はぐっと冷え込み、盆地のため1日の気温差も大きい。“徐々に”ではなく“急に”、木々が根から養分を吸収できなくなることで、葉はさらに鮮やかに染まります。だからこそ京都の年間・日間を通じての温度差は、紅葉を美しくする条件に合致しているのです
今はデジタルカメラで撮影しているが、その昔、水野さんが愛用していた大判カメラ
水野さん
水野さん
「ゆえに今年2018年は、紅葉が美しくなる条件が整っているのですが。実は紅葉の当たり年は、どこもかしこもすぐに葉が色づいて落ちるから、写真家には涙目なんです。多くの場所を撮影できないから(笑)」
町家写真館のおくどさん(かまど)。水野さんご自身も、町家住まい。「かっこよく言えば、京都人の美意識を受け継ぎたいっていうのがあるけれど、実はそこまで深く考えていないよ(笑)」と謙遜して、その理由を話す

「確かに当たり年は紅葉の期間が短く、写真家泣かせかもしれませんが。50年のあいだ、ほぼ毎日撮影しても、京都の魅力は撮り尽くせないものですか?」。説明が終わった頃合いで聞いてみた。「はい、まだまだ撮るべきものがあります」。迷いなく答える水野さん。77歳にして、なお意気軒昂。自分が生まれた街・京都への関心は、どこまでも尽きないご様子だ。

ご愛用のカメラとともに。水野さんは、今でもほぼ毎日、京都の街にレンズを向けている

「とはいえ京都は、たとえば北部の高雄地区と南の伏見近辺では標高も気温も違うため、紅葉の期間は長い。京都で一番紅葉が遅いといわれる「下鴨神社」の糺ノ森(ただすのもり)は、12月中旬まで楽しめる。この鑑賞できる期間の長さも、京都の紅葉の魅力です」。取材の最後の最後まで、京都と紅葉の魅力を語り尽くしてくださった。

Yahoo!ロコ糺の森
住所
京都府京都市左京区下鴨泉川町59 下鴨神社

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アクセス
出町柳駅[6]から徒歩約12分
出町柳駅[出口]から徒歩約12分
元田中駅[出口]から徒歩約16分
口コミ・写真など

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取材・文/岡野孝次 撮影/三國賢一(人物・町家写真館のみ)

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