シンプルで奥深い。仙台セリの魅力伝える「せりしゃぶ」/宮城

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【特集・第2回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 鍋 編 〜

2018/12/31

シンプルで奥深い。仙台セリの魅力伝える「せりしゃぶ」/宮城

ご当地食材として全国的に有名になった「仙台セリ」。セリ本来の味が楽しめる「せりしゃぶ」の名店をご紹介します。(「せんだいタウン情報S-style」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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「せりしゃぶ」で、葉、茎、根、それぞれの食感や味わいを楽しむ

「せりしゃぶ」1620円(4種から選べるしめ付き。セリの追加は+1000円)

「せりしゃぶ」の先駆けとなった店で、仙台セリが広く知られるようになっても変わらぬ人気の「いな穂」。地元はもちろん、県外のファンも多く、完全無農薬栽培のセリと風味豊かな汁の味が忘れられない名店です。

震災の年に先代から譲り受けて7年。伊東さんの店としてすっかり定着しました

根を洗うことから始まる丁寧な仕事が、セリの魅力を発揮させます

根元や茎を一本一本、丁寧に洗います

仙台セリは古くから宮城県で栽培されてきた食材ですが、震災をきっかけに「せり鍋」がメディアで紹介される機会が増え、全国的に知られるようになりました。特に根の味の良さが注目されていて、「いな穂」でも「秋田のきりたんぽ鍋には、根も入れる」という声をヒントにセリを丸ごと味わえる「せりしゃぶ」を提供するようになったそうです。

「いな穂」のセリは、宮城県名取市の農家・三浦隆弘さんが栽培しているものです。農薬を使わず、古くからの栽培方法で作り続けられている三浦さんのセリを余すことなく味わってもらうため、泥をしっかり洗い流して提供しています。

昆布でダシを取った後、かつお節をたっぷり入れて煮立たせます
醤油は陸前高田市八木澤商店の濃口醬油、薄口醬油をブレンド

「いな穂」の「せりしゃぶ」は、醤油でしっかり味をつけた汁でしゃぶしゃぶするのが特徴です。醤油は2種類をブレンドし、酒とみりんを加えたもの。昆布とかつお節でとるダシに、この醤油を加えています。カモ肉を入れることでよりコクのある味わいになります。

かつお節を丁寧に漉して、ダシを仕上げる伊東さん

先代から引き継いだという「せりしゃぶ」ですが、醤油やダシは伊東さんなりの作り方で提供しています。セリの食感を損なわないために、しゃぶしゃぶする時間は「葉は2~3秒、根は10~15秒くらい」がベストだそう。

セリは1人前150g。たっぷり味わえる量です

葉、茎、根に切り分けて、順に重ねていきます。一番上にのせられた根は、根菜といえるくらいの存在感です。爽やかさ、シャキシャキ感、甘味など、部位によってそれぞれの味や食感が楽しめるのも魅力。

しめをどれにするかが悩みどころ! 300円でしめと汁の追加もできます

ご飯、うどん、餅、中華麺から、しめを1種類選べます。一番人気は地元の人気ラーメン店の自家製中華麺だそうです。カモやセリを少し残して一緒に溶き卵でとじると、汁の最後の一滴まで食べつくしてしまいます。

小さな厨房でなんでも一から手作り

一つ一つ丁寧な作業で料理を仕上げる伊東さん

伊東さんは高校卒業以来、料理の仕事をしてきました。小学生の頃は毎週のようにカレーを作っていたそう。

ハムやベーコンまで手作りするという伊東さん。手間のかかる作業も楽しんでいる様子です。その味は、一品一品お客さんの舌に、心に、印象深く刻まれます

ソースも手作りという「三角油あげピザ」(ハーフ540円)。仙台名物の三角油あげを半分にスライスし、オーブンで炙った上に、ソース、野菜、チーズを重ねて焼きます
カウンターに貼りだされた品書き。一つ一つ手間暇かけて仕込んでいる。お酒は宮城の地酒を中心に日本酒が人気
店主 伊東さん
店主 伊東さん
「『三角油あげピザ』は2人の娘に食べさせるために作ったのが最初。ソースも自分で作らないと気が済まないんですよね
「せりしゃぶ」の提供はセリの栽培の状況に合わせ、10月から、長くても4月いっぱいで終了。5~7月はミョウガタケ、8~9月は夏野菜のしゃぶしゃぶに変更

仙台セリが有名になり、季節にかかわらず要望があっても、「いな穂」は美味しい時期のセリだけを扱うことにこだわります。冬場は根がしっかり太くなるため冬セリがクローズアップされがちですが、春先の美味しさもまた格別です。

伊東さん
伊東さん
「春セリは暖かさで葉っぱと茎がしっかりしてくる。そのあたりが味わい深いと農家さんもすすめます。冬、春、それぞれの美味しさを感じて欲しいです
JR仙台駅近くの横丁にある小さな居酒屋。15時からの営業なので、新幹線に乗る前に立ち寄る県外のお客さんも多いそうです

仙台セリの時期は予約でいっぱいになります。入荷量は限られているので、あらかじめ予約をして訪れてみて下さい。

小さな厨房にカウンターと小上がりのみ。温かな雰囲気が心地良い

取材メモ/「せり鍋」で地元でも定着した仙台セリですが、しゃぶしゃぶで食べることで本当の美味しさが分かったという感じがします。実直にお仕事をする伊東さんの「せりしゃぶ」。ぜひ一度味わって頂きたいです。

取材・文=扇かおり 撮影=齋藤太一

せんだいタウン情報S-style

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毎月25日発行、450円

仙台・宮城のグルメ、レジャー、ニューショップなど、話題のスポットを幅広く紹介。地元の人々に愛され続けて43年のタウン情報誌。この1冊で仙台の“今”が分かる! 発行部数:60000部。

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