秋田市の繁華街で味わう本場仕込みの「だまっこ鍋」/秋田

特集

【特集・第1回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 鍋 編 〜

2018/12/28

秋田市の繁華街で味わう本場仕込みの「だまっこ鍋」/秋田

秋田の冬に欠かせない、鍋料理。中でも人気の「だまっこ鍋」が味わえる「ちゃわん屋」を取材しました。(「月刊あきたタウン情報」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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繁華街・川反で41年間! “おふくろ”と秋田料理を堪能できる店

「ちゃわん屋」名物「だまっこ鍋」(1人前1400円 ※写真は2人前)

醤油ベースの汁にご飯をすりつぶして丸めた“だまっこ”を煮込んだ「だまっこ鍋」は、秋田県民のおふくろの味。そんな「だまっこ鍋」を名物とする「ちゃわん屋」は、秋田市の繁華街・川反で41年間営業しています。

地元客はもちろん、観光客も多いというこの店には著名人のサインがたくさん。店のにぎわいを感じさせられます。

オーナーの豊田薫さん。その人柄の良さに、「薫ちゃん」と親しむ客も多い

夫婦二人三脚で夢を追い続ける日々。瞬く間に繁盛店に

鍋料理や日替わり一品料理などが豊富にそろいます

お店に入ると、温かい笑顔で出迎えてくれたオーナーの豊田さん。その笑顔と物腰の柔らかさに、思わず「ただいま」と言ってしまいそうになります。初めて足を踏み入れたのに不思議と居心地の良さを感じるのは、開店当時から変わっていないという店内の装いと、まるでお母さんのような安心感を放つ豊田さんがいるからでしょうか。

秋田市の繁華街・川反すずらん通りに佇む店

「ちゃわん屋」は元々、ご主人が始めた店でした。

オーナー 豊田さん
オーナー 豊田さん
「主人とは大学で知り合って、卒業したら地元・秋田でお店を開きたいという夢を聞いていました。主人の方が1つ年上なので先に卒業して、秋田に行って。その後追いかけるように、私もココに来たんです」

豊田さんは、神奈川県出身。秋田には縁もゆかりもなかったと言います。

豊田さん
豊田さん
「来てみたら、意外と人がいることにびっくり(笑)。みんな親切にしてくれたし、すぐに慣れました」

当時川反は、歩けば誰かの肩に当たるくらいの繁華街だったそう。

豊田さん
豊田さん
「開店してすぐに店は忙しくなって。呼び込まなくてもいつも満席で……」

と振り返ります。

東京農大のOBが訪れることも。懐かしい話題で会話が弾むのだとか

ご主人と知り合ったのは、東京農業大学の栄養学科。2人とも栄養士・調理師の資格を持っていますが、

豊田さん
豊田さん
「私はオーダーを取ったり、料理を運ぶのが専門。秋田料理はやっぱり地元出身の主人の担当」

それでも日々の仕込みや接客で、自然に秋田料理を覚えていったのだと言います。

最初は上手くできなかったという“だまっこ作り”も、今ではお手のもの

絶望から決意へ。店のオーナーとして一念発起

観光客や地元客、いつもたくさんのお客さんでにぎわい、順風満帆――そう思えた矢先、ご主人が倒れてしまいます。平成8年のことでした。

豊田さん
豊田さん
「料理は全部主人がやっていたし、もう続けられないと思いました。スタッフにも辞めてもらって、看板も下ろしたんです」

走り続けてきた毎日をリセットして、ご主人を看病する日々が約1カ月半続きます。

しばらくすると豊田さんの中にある決意が芽生えました。「私には店しかない。あの店に帰ってくるお客さんのためにも、店を閉めるわけにはいかない――」

固めに炊いたご飯を半ごろしにつぶす。食感が残ってとても旨い

素材選びから妥協なし。すべては「美味しい」の一言のため

豊田さん
豊田さん
「全部1人で再出発。仕入れも仕込みもオーダーも調理も、やればできるものです(笑)。最初は大変だったけれど、そのうち楽しくなって。自分で仕入れているからお客さんにも自信を持ってオススメできるし、料理の説明もスラスラと出てくるんですよ」

逆境をバネに、豊田さんも「ちゃわん屋」も輝きを取り戻していきました。

豊田さん
豊田さん
「今は4人のスタッフに手伝ってもらっているんですが、仕入れは私がやっています。せっかく来てくれたんだから、『美味しかった!』って思ってもらいたいじゃないですか。だから、自信を持ってお出しできるものしか買わないんです。求めている素材がなければ、何軒でもハシゴしますよ」

一度手放しかけた夢だからこそ、お客さんへの愛情は人並みならぬもの。豊田さんの中に妥協の2文字はありません。

1人前にだまっこは6個。汁にはなめこや舞茸などのキノコ類と、比内地鶏が入っている

本場・五城目仕込み! 秋田のおふくろ鍋「だまっこ鍋」

「ちゃわん屋」の名物は、開業当時からの味を守り続ける「だまっこ鍋」。県外からのお客さんはもちろん、県内客も良くオーダーするのだそう。「だまっこ鍋」の発祥は、ご主人の出身地でもある秋田県南秋田郡五城目町。そう、「ちゃわん屋」の「だまっこ鍋」は、本場仕込みの味なのです。

こだわりは、だまっこにエビのすり身を入れていること。風味が抜群
豊田さん
豊田さん
「うちのだまっこは、エビのすり身入り。こうすると、風味がすごく良くなるんですよ。汁はたっぷりのキノコと比内地鶏からダシをとっているから、とても濃厚」

1個1個手作業で丸めただまっこはほど良く汁を吸い、ダシが効いた醤油ベースの汁はなめこのとろみで最後まで熱々。具だくさんなのに、気付けば鍋の底が見えています。

豊田さん
豊田さん
「普段は少食だっていう芸能人の方も、お代わりしてくれたんですよ」
定番から希少な品まで幅広くそろう。日本酒はすべてメイドイン秋田

「だまっこ鍋」のほかにも、きりたんぽ、ハタハタ、45種の日替わり一品料理、秋田の地酒も豊富にそろいます。豊田さんの熱心さ、人柄を買って、特別に卸してくれる材料もあり、「ここにしかない」味に出会えるのも「ちゃわん屋」の魅力。

「何歳になっても、店までの階段を這ってでも続けていたい」と話す豊田さん。店が大好き、お客さんが大好き――、その想いがすべての料理からしっかりと伝わってくるからこそ、「また来るね!」と店を後にする客が絶えないのでしょう。

開店以来、変わっていないという内装。懐かしい居心地の良さにあふれています

取材メモ/取材は、木枯らしが吹いて寒さが本格化してきた11月。取材終わりに頂いた「だまっこ鍋」は、心もカラダも温めてくれました。終始ざっくばらんに取材に応じてくださった豊田さん。不思議と初めて会った気がしなかったその人柄もまた、「ちゃわん屋」の人気の理由でしょう。料理の味も居心地の良さも、秋田を味わい尽くしたいなら、「ちゃわん屋」一択です!

取材・文=遠藤真悠 撮影=aosaki

月刊あきたタウン情報

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毎月25日発行、390円

「秋田のたのしいコト、みつけよう!」をコンセプトに、秋田県内のグルメ、イベント情報などを紹介。

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