人気製品は数年待ち!次世代の越前打刃物を生み出す龍泉刃物

人気製品は数年待ち!次世代の越前打刃物を生み出す龍泉刃物

2018/12/16

刃物産地としては初めて伝統工芸品に認定された『越前打刃物』。現在でも、日本古来の火づくり鍛造技術、手仕上の伝統を守り抜き、1本1本手作業で作り上げています。そんな伝統を守りながらも、グッドデザイン賞を5年連続受賞するなど、新たなものづくりに挑戦している龍泉刃物に行ってきました。

Dearふくい

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人気製品は数年待ち!次世代の越前打刃物を生み出す龍泉刃物

福井県内では、全部で7品目が経済産業大臣指定の伝統的工芸品となっています。中でも越前市は、越前和紙、越前箪笥、越前打刃物と、3つの伝統工芸品の産地が集積している、全国的に見ても珍しい場所です。

今回はその中の一つ、越前打刃物にフォーカスしてみます。

伝統を守りながらも、グッドデザイン賞5年連続受賞など、新たなものづくりに挑戦し続けている株式会社 龍泉刃物。人気のステーキナイフは世界中から注目されており、注文はなんと4年待ちという人気ぶり。

龍泉刃物の人気の秘密とは、一体……。

越前打刃物の歴史

越前打刃物

福井県越前市の伝統工芸品である越前打刃物。昭和54年に刃物産地としては全国で初めて伝統工芸品の指定を受けました。

その歴史は700年も前にさかのぼり、1337年(南北朝時代)、京都の刀匠・千代鶴国安が、刀剣制作に適した地を求めてこの地にやってきたことが始まりと言われています。

国安は、刀剣制作の傍ら周辺の農民のために鎌をつくり、それが時代とともに刃物づくりへと移り変わっていくのです。

江戸時代には福井藩の保護政策で株仲間が組織され、その技術が受け継がれて発展しますが、同時に、漆かき職人が漆かきで全国に出かける際に、刃物を売り歩いたりもしていたそうです。

越前打刃物の特徴

越前打刃物は1本1本手作業で作られている

越前打刃物の最大の特徴はなんといっても、かつての製法を守り続けていることでしょう。今でも、日本古来の火づくり鍛造技術、手仕上を行っているのです。

また、二枚広げ(包丁)廻し鋼着け(まわしはがねつけ、鎌・苅込みばさみ)といった越前打刃物独特の製法も特徴。高い技術が必要とされる一方で、仕上がりの質が非常に高くなるそうです。

4年待ち!?世界中から注目されるステーキナイフ

越前打刃物の歴史や作り方を聞くと、愚直に伝統を守り続け、昔ながらの製品を作っているというイメージが湧くかもしれません。しかし株式会社 龍泉刃物では、伝統工芸品としての伝統を守りながらも、新しいものづくりに取り組んでいます。

龍泉刃物の代表的な製品といえば、『Steak Knife ASYMMETRY SK01(ステーキナイフ アシンメトリーSK01)』。

Steak Knife ASYMMETRY SK01

なんと、注文は4年待ちという人気商品です。

このステーキナイフが誕生したきっかけは、『星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート』で総料理長を務めていた浜田統之氏が、新しくオープンするレストランで使うステーキナイフの制作を依頼してきたことでした。

レストランのオープンには間に合わなかったものの、このステーキナイフは、世界中が注目するあるステージで披露されることになります。それが、料理界のワールドカップとも呼ばれる『ボキューズ・ドール国際料理コンクール』。

日本代表として出場することになった浜田氏が、日本チーム専用のナイフとして龍泉刃物のステーキナイフを採用。この際、審査員の多くが龍泉刃物のステーキナイフを持ち帰り、龍泉刃物の名前も世界中で有名になりました。

グッドデザイン賞5年連続受賞

2017年度グッドデザイン賞を受賞したカトラリー『ステーキナイフSK04+フォークFR05』

龍泉刃物は、『ステーキナイフ アシンメトリーSK01』が2013年度グッドデザイン賞を受賞したことを皮切りに、2017年度までの5年間連続でグッドデザイン賞を受賞

「これからはデザイナーと組むことも大事になってくる」
「古いものも新しい視点で見直すことで、700年の技術を現代にも活かせるのかな」
と龍泉刃物の増谷社長。

これからも、スタイリッシュなダイニングキッチンにもぴったりの、時代に合ったナイフが次々と生み出されていくのでしょう。

龍泉輪模様が美しい

龍泉輪模様

龍泉刃物の製品は、刃物の表面に浮き出た不思議な模様も大きな特徴。龍泉輪(りゅうせんりんもよう)模様と呼んでいるこの模様の名前は、泉から龍が立ち上がり、雫が水面に落ちた時に広がる模様をイメージしてつけられたとのこと。まさに龍泉刃物ならではの模様ですね。

一つとして同じ模様はないので、店頭まで買いに訪れるお客さんの中には、模様で商品を選ぶ人もいるんだとか。

現在龍泉刃物が扱っている刃物の種類は約200種類。牛刀や出刃包丁、ペティナイフなどの一般的な包丁だけでなく、レターオープナーやショコラナイフまで手がけています。

2019年には体験や購入ができるファクトリーショップのオープンも予定しているとのこと。お楽しみに!

取材・文=江戸しおり、撮影=本多啓介(一部龍泉刃物様提供)

以下の記事では、越前打刃物のより詳しい歴史や制作工程、龍泉刃物の工房見学や、越前内刃物の包丁手作り体験の様子を紹介しています。

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