鳥取だから食べられる極上ベニズワイガニ/鳥取

特集

【特集・第3回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 鍋 編 〜

2019/01/11

鳥取だから食べられる極上ベニズワイガニ/鳥取

カニの水揚げ日本一を誇る境漁港のすぐ近く、今年ミシュランにも選ばれた海鮮料理店「美佐」。味の秘訣を伺いました。(「タウン情報Lazuda(ラズダ)」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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年間10カ月水揚げのあるベニズワイガニを最高の形で届ける想い

境港ベニガニ有志の会の会長でもある店長の濱野さん

美味しいのに松葉ガニの陰に隠れているベニズワイガニの付加価値を高めたい

ベニズワイガニ
歩いてすぐの場所に境漁港があります

ベニズワイガニは深海に生息するカニなので鮮度落ちが早く、大半の9割が加工用にされ全国各地へ出荷されます。残りの1割が姿売り用で主にボイルされて販売されています。2006年に「ベニズワイガニ資源回復計画」が策定され、船に対し獲っていい量が割り当てられました。それにより漁業者は収益が減ったため、生産者と役所が「ベニズワイガニそのものの価値を高める」という趣旨で、「境港ベニガ二有志の会」を結成しました。海鮮料理店「美佐」の店主である濱野さんも飲食店としてできることがあると、この会に参加されています。

店主 濱野さん
店主 濱野さん
「身質が絹糸のようで甘みのあるベニズワイガニは味では他のカニに劣らないのですが、鮮度落ちが早いのです。だからいつも私はベニズワイガニを丁寧に扱ってくださいとお伝えしています。泥などをきちんと落とし、ちゃんとした手順で調理すると、その魅力を十分に出してくれます」

流通から調理までベニズワイガニのことを考えぬく

下準備の時に見せていただいたベニズワイガニの絹のような身質
濱野さん
濱野さん
「境港では11隻の船がベニズワイガニ漁に従事し、そのうちの1隻だけが活ベニズワイガニを扱っています。その活ベニズワイガニ100枚のうち50枚をうちで仕入れています。また調理法も『1枚のベニズワイガニで4品作る時短レシピ』を開発しました。こういったことにより、ベニズワイガニの単価も上がり、生産者も喜んでいます」

地域の良い食材を、自分で考えてさらに磨き上げ、それを最高の形で顧客に提供することで食材の価値を上げていく。境港ベニガニ有志の会の会長になられてからは8年。その地道な努力が着実に実を結んでいます。

重要な下ごしらえは自分で

下ごしらえする濱野さん
食べやすいように殻だけそぎ取る神業

ベニズワイガニを店で提供するときは、一度「このようなカニを使います」と必ずカットする前のカニをお客様に見ていただいてから包丁を入れるという濱野さん。多い時には1日30〜40杯。この丁寧な仕事に、濱野さんのベニズワイガニへの愛情がひしひしと感じられます。

濱野さんの生み出した最高の食べ方

「ベニズワイガニ2枚コース」(6480円)の「カニ鍋(1枚)」「焼きガニ(1枚)」(写真は1人前)。コースには、この他前菜や魚の刺身、ボイルガニ1/4枚などが付く
丁寧に下準備されたベニズワイガニ
カニの身を鍋にくぐらすと身が咲いていきます
別の七輪でカニ味噌を煮詰めていきます

ベニズワイガニの最高の食べ方は、炭火で香ばしく焼き、水分がほどよく飛んだカニ味噌に、鍋でしゃぶしゃぶした身を絡めた食べ方。気温の高い時期(9月、5月、6月)は鮮度落ちの早いカニのため、身が白くなり、しゃぶしゃぶは不可だそうです。

濱野さん
濱野さん
「甲羅に穴が開かないようにアルミホイルが敷いてあるので、カニ味噌がなくなっても、日本酒を注いで甲羅酒もできますよ」

信じられないぐらいの甘み

カニの身にたっぷりとカニ味噌を絡ませます

衝撃を受けました。カニが好きでいろいろ食べてきましたが、今まで食べた中で一番の美味しさ少し燻されたカニ味噌に付けることでこんなに美味しくなるのかと……。今まで城崎で食べた焼きガニが最高でしたが、はるかに超えました。試しにカニ酢でいただいたり、カニ味噌だけをいただいたりもしましたが、それよりもカニの身をカニ味噌に付けることでだいぶん味が濃く感じ、全く別物のようでした。このカニ鍋、わざわざ旅をしてでも食べる価値のある味だと思います。

境港だから食べられる味

「モサエビの刺身」(850円程度)
「ノドグロ煮付」(1200円程度)

活ベニズワイガニも鮮度の関係で境港ならではの味となっていますが、モサエビの刺身も、他の地域ではなかなか味わえない高級品。非常に甘みが強く身がプリプリしていて、辛口の日本酒によく合いそうです。そして、東京でも非常に人気になってきている魚・ノドグロ。一番人気の調理法は煮付けだそうですが、身の味がしっかりして特有の風味があり、人気なのも納得。こちらでは1200円程度ですが、東京だと3〜4倍ぐらいのお値段になるそうです。 

地域と共にお店を盛り上げていく

お店に貼られている園児からの感謝状
2019年ミシュランプレートに認定

地元保育園や高校生などにも食育のためのイベントをいろいろ開催している濱野さん。地域の食材のことを考え、地域の職を考え、地域の住民のことを考える。その想いがあってこそ、高いレベルでの料理が形になってお客さんに提供できるのかもしれません。

趣のある店内

取材メモ/生涯食べた中で、おそらく一番美味しいカニを食べさせていただきました。非常に貴重な体験だと思います。これを訪れた方達にもぜひ体験していただきたいです。取材が終わりかかった時、園児からの感謝状は撮影してほしいと言われた濱野さん。もしかしたら地域を愛する濱野さんにとってミシュランプレート以上に保育園児からの感謝状のほうが大切なのかもしれないと感じました。

取材・撮影・文=豊哲也

タウン情報Lazuda(ラズダ)

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毎月25日発行、442円

販売エリア:鳥取県・島根県 発行部数:20000部 株式会社メリットが発行する、山陰唯一のタウン情報誌。山陰両県の主要書店・コンビニなど450店舗で販売。

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