規格外のデカ盛り定食は愛情もたっぷり。大阪・弁天町の名物食堂

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旅先で立ち寄りたい地元の定食屋さん。〜札幌・名古屋・大阪〜

2018/12/22

規格外のデカ盛り定食は愛情もたっぷり。大阪・弁天町の名物食堂

昭和の時代には町の至るところで見かけた大衆食堂。時代の流れと共に徐々に数を減らしてはいるものの、まだまだ元気なお店もあるんです。今回は、大阪・弁天町で旅の土産話にしたくなること間違いなしの大衆食堂「赤丸食堂」におじゃましました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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戦後すぐに創業、74年目を迎える老舗

大衆食堂といえば、おなじみお惣菜が入ったショーケース

大阪・港区を代表する食堂として、昭和20年の創業から愛され続けている赤丸食堂。現在は3代目である四宮務(しのみやつとむ)さんが切り盛り。70年以上の歴史の中で生み出されたメニューは個性的なものも数多く、普通の大衆食堂では味わえないような楽しさにあふれています。駅から若干の距離はありますが、地元密着型のお店で食事をして住民気分を味わうのも旅ならではの楽しみ。激動の昭和~平成をくぐり抜けたお店は、その奥深さも半端ではございません。

店名にちなんだ真っ赤なひさしが目印
広々とした店内は団体客の対応もOK
現店主の四宮務さん。30年前からお店を継いで切り盛りされています
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「もともと祖父はミシン屋を営んでいて、飲食業とはまったく縁がありませんでした。それが終戦後、闇市で小豆や砂糖を仕入れたのをきっかけにぜんざいの提供を始めたことで赤丸食堂が始まったんです。お店も最初はバラックで、現在の1/4のスペースしかありませんでした」
左は生後間もない頃の四宮さんと創業者である祖父。右は昭和43年、5歳の時に七五三のお祝いに店先で撮ったもの
お店はJR弁天町駅から徒歩10分の距離。バスなら「市岡(いちおか)」バス停下車すぐ

甘味処から始まった赤丸食堂は少しずつお店を大きくし、またたく間に人気店に。まだファミレスやコンビニがなかった時代、近隣住民だけでなくタクシーやトラックの運転手がおなかを満たす憩いの場として知れ渡り、店前には常に屈強な男性客が列をなしていたといいます。

「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「その当時は、夜中もお客様が途切れないから時間がどんどん延びて、朝9時から翌4時まで営業していました。男性のお客様が9割だったのですが、数年前にテレビで紹介していただいたことがきっかけで女性のお客様が増え、今では4割ほどを占めるようになってきました」

客層の変化でお店の雰囲気も様変わりし、ファミリーでの来店も多くなったとのこと。それに伴い、現在では、なんと中学生以下はドリンク無料、子ども向けメニューである「みなと子ランチ」を注文するとオモチャが付いてくるそうな。これは次の休みに家族で行くっきゃないですね!

究極のサービス精神が生んだ神レベルのデカ盛り!

赤丸食堂の心臓部である厨房。ここからさまざまな料理が送り出されます

表の看板に「洋食・中華・うどん・丼物・おかず」とあるように、赤丸食堂はメニューの豊富さが自慢。あまりに多くて何を食べればよいのか悩んでしまうため、ここで、お店おすすめのメニューを持ってきていただきましょう。

お、さっそくトレーに乗っておいしそうな料理が運ばれてきました…って、んん?
え、ちょ、ちょっと、これ、なんというかスケール感が、その…
「はい、お待ち!」って、いや、これ絶対に1人前じゃないでしょ!

赤丸食堂 名物「天保山チキンカツ&マンガ盛りごはん」

改めてご紹介しましょう、こちらが赤丸食堂名物「天保山チキンカツ&マンガ盛りごはん」(1220円)です

厨房の奥から現れた「天保山チキンカツ&マンガ盛りごはん」は、そびえ立つ山のごときルックスがインパクト絶大。800g以上のご飯にチキンカツが5枚、総重量2kgという超ド級のボリュームで食べる人を圧倒します。ところでこれ、完食できる人いるんですか?

「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「意外と細身の男性がさらっと食べられたりしますよ。このメニューはお客様におなかいっぱい食べていただきたいという思いから生まれたのですが、さすがに量が量なのでお友達とシェアして食べるのもおすすめです」
お店特製のデミソースがかかったチキンカツはガーリックの風味が食欲をそそります。ザ・白飯ハンター!
マンガ盛り製造の様子。夢を見ているとしか思えない…

こんな超デカ盛りメニューを一人で食べる人がいるなんて……って、い、いたーーーーーーー!!!

お店からすぐの距離にお住まいのマルさん。力仕事をされているため、いつもこちらでエネルギーをチャージされているそうです
マルさん
マルさん
「今日は、かなりおなかが減っていたので天保山チキンカツとマンガ盛りにしました。量・味ともにこの店に匹敵するところはないので、お昼時になると自然と足が向きますね」

ちなみにマルさん、われわれが取材している間にご飯もチキンカツもきれいにたいらげて、お店を後にされました。超人!!!

「天保山チキンカツ&マンガ盛りごはん」は30分で完食するとお店のオリジナルTシャツをプレゼント。自信のある方、チャレンジしてみてはいかが?

マストな定食からアテまで、食べておくべき3品

お得感満載の「特ランチ」

四宮さんが子どもの頃、洋食担当のシェフが考案した「特ランチ」(864円)は、現在に至るまでお店トップの人気メニュー
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「国産の豚と牛のミンチで作っ*手ごねハンバーグに特選豚のトンカツ、ボンレスハムが盛り付けられて、お得感満載です。当店のお客様には、子どもの頃にこのメニューを食べることでナイフとフォークの使い方を覚えたという方が多いんですよ」

国産牛すじを甘辛く炊いた「ぼっかけ」

「ぼっかけ」(410円)。国産牛の牛すじをこんにゃくと一緒にじっくり煮込んだ一品。神戸の長田が発祥で、庶民の味として広く親しまれています
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「甘辛く炊いた牛すじはしっかり味が染み込んでいてビールのアテにもぴったり。しっかり食べたい人のために、『ぼっかけ丼ぶり』(648円、ランチはみそ汁付きで500円)、『ぼっかけうどん』(540円)もご用意しています」

心も体もぽかぽかになる「かす汁」

かす汁(410円)。少し甘めの味が特徴で、食べているうちにポカポカと体が温まってきます
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「こちらは、お店で出している菊正宗さんの純米酒粕で作られています。本来は3月までの限定メニューなのですが、人気も高いので、もしかしたらもう少し先までお出しするかもしれません」

クリーミーな食感とやさしい味わいで、女性のお客さんから大好評なんだそう。

港区の広報誌「みなトコ」の編集をされている谷口さん。取材の道中で食事に来ることも多いそう
谷口さん
谷口さん
「ボリュームたっぷりなメニューに目が行きがちですが、かす汁のような女性におすすめな一品もありますよ。四宮さんには取材でもお世話になっているのですが、いつも温かいお人柄に癒やされています」

しっかり食べてお土産も

お店のメニューは、鍋物以外ほとんど持ち帰りが可能。食べ切れないときは無理せず折り詰めにしてもらうのがベター。こちらは特ランチのお持ち帰りパック

おなかいっぱいご飯を食べて、普通ならそれで満足ですが、それだけじゃ愛想がないというとんでもないサービス精神がここでも発揮され、赤丸食堂にはお土産も用意されているんです。定食や一品メニューを持ち帰りにして家で食べられるだけでなく、クッキーやサイダーなど子どもにも喜ばれそうなものもそろえています。

かわいいデザインのクッキーは1枚150円
昔ながらの味が懐かしい赤丸ラムネは3本箱入りセットで540円

ありえないほどのサービスぶりがうれしい赤丸食堂。お店の情報量があまりに多すぎて、できれば、あと5回ぐらい連続で掲載したいほど。壁一面に貼られたメニューを見ていると思わず「近所にあったらなぁ~」という心の声が漏れてしまいます。

代々受け継がれる手作りの味を守る四宮さん。100周年目指して頑張ります!
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「赤丸食堂」店主・四宮務さん
「私の跡を息子が継いでくれると言ってるので、頑張っていけば100周年も迎えられるかなと思って楽しみにしています。お店で出しているものはハンバーグからマヨネーズに至るまで、ほとんど手作りしているのですが、昔からのお客様がいつ食べに来ても同じ味だと安心してもらえるように、これからもそこは守り続けて頑張っていきたいですね」

取材・文=伊東孝晃(クエストルーム) 写真=古賀亮平

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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