抜群の鮮度で味わう海の幸! 札幌中央市場で48年続く食堂

抜群の鮮度で味わう海の幸! 札幌中央市場で48年続く食堂

2019/01/09

魚介はやはり鮮度が命! 北海道中のうまいものが集まる札幌中央卸売市場 場外市場なら、フレッシュな海の幸に出会えることは間違いない。しかし、今回紹介する「海鮮食堂 味の二幸」は、鮮度のレベルが群を抜いている。その秘密は大将のこだわりにあった。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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競り落としたばかりの海鮮をいち早く堪能できる食堂

以前は場外市場内の別の場所にあった二幸。15年ほど前に現在の場所に移転した

札幌市中央卸売市場 場外市場(通称:場外市場)は中央区の北西、桑園(そうえん)と呼ばれる地区にある。JR函館本線を挟んだ向かいには、2014年に改築された札幌競馬場もあることから、札幌の観光エリアの一つとされている。

場外市場の歴史は、札幌市中央卸売市場(通称:中央市場)が設立された翌年の昭和35年から始まる。当初は小売店や飲食店を営む買出人や市民が日常的に通う場で、店が入る建物も2〜3棟しかなかった。

地下鉄二十四軒駅6出口を出てすぐに交差点がある。看板を目印に写真の方向へ渡り、次の交差点を右折しよう
三差路に突き当たったら左へ。やがて場外市場が現れるので、商店を見て歩きながら、縦長の場外市場の看板を探そう。二幸はその看板のすぐそばにある

その後、中央市場の拡大とともに、衣類や日用品を売る店なども加わり、場外市場はいわばショッピングセンターのような存在となった。しかし、昭和50年代から進出したコンビニなどの影響によって、買出人や市民の足は遠のき、場外市場の活気は減退。そこで平成に入ってからは、観光客向けの市場へと運営をシフト。今ではすっかり観光バスがひしめくスポットとなっている。

場外市場の移ろいを見守ってきた食堂

小ぢんまりとした心落ち着く店内。日によるが、朝7時から10時ごろまでなら、待たずに料理をいただける

昭和45年創業の「味の二幸」は、市場一帯の移り変わりを見守ってきた海鮮食堂だ。現在の大将は3代目の藤本康隆(ふじもとやすたか)さん。昭和50年代に藤本さんの父が創業者から店を譲り受け、さらにその後を藤本さんが継いだ。

「父は小樽で和食職人をやっていました。その後、道内を点々としていたのですが、市場で働く親戚から二幸のことを聞き、譲り受けたそうです。住居兼店舗だったので、僕も小さいころから店を手伝っていました」

生まれも育ちも場外市場と笑う藤本さん。釣りが趣味で店内には自慢の魚剥(ぎょはく)が飾られている

二幸の魚介がどこよりも新鮮な理由とは

毎朝中央市場に出向くという藤本さん。魚屋に魚介を仕入れに行くのかと思いきや、なんと競りに参加するのだという。競りに参加するには諸条件を満たして買参権を得ることが必要。たくさんの仲買人や大手スーパーの仕入れ担当に分け入り、藤本さんは自分の目で確かめた鮮魚や貝類を競り落とし、店に仕入れている

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「水産物は最終の競りが朝6時半に終わります。店の開店は7時なので、競り落とした海鮮をどこよりも早く食べられるのは、札幌でもうちぐらいじゃないでしょうか。やっぱりお客さんには鮮度の良いものを食べてもらいたいですから」
メニュー表の両面いっぱいに広がるのは海鮮丼!

店のメニューを開いておどろくのは、この丼の種類の多さ!数えると種類は22もある。実は二幸は、場外市場の食堂で最初に海鮮丼を出した店として知られているのだ。

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「観光のお客さんだって、一生に何回北海道に来られるかわからないじゃないですか。だから食べたいと思ったものをお出ししたい。なるべくその気持に応えたいんです」

観光客と地元客をうならせる丼

丼に乗せるネタを手際よくさばく藤本さん

二幸を訪れる人の多くは観光客だが、昔のように場外市場で仕入れをしてから空腹を満たしに来る人もいれば、近隣からランチをしにやって来る人も多い。今回お話を聞いた方も、地元の人の薦めでここを選んだと話す。

社員旅行で訪れた観光客
社員旅行で訪れた観光客
「今日は自由行動なので、北海道の友だちに勧められた場外市場に来てみました。通りを歩きながらたくさん試食ができて、とても楽しいです。お店の人がみんな優しくて、市場のおじさんが『味の二幸』の料理がおいしいって教えてくれたんですよ」

\海の恵があふれる宝石箱!/

海鮮丼(〈小〉2500円、〈中〉3500円、〈大〉4500円) ※ネタはほぼ通年同じ
ツヤツヤでしっとりとした色鮮やかなネタは鮮度が良い証拠!

なんと神々しいこのビジュアル! 北海道産のお米の上で輝くのは、甘エビ、イカ、ウニ、ホッキ貝、カニ、イクラ、ホタテ、サーモン。なんだかどのネタも鮮度が良すぎてドヤ顔しているかのよう。

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「始めはシンプルなウニ丼とかイクラ丼だったのが、お客さんのリクエストで盛り付けるネタが増えてきたので、1つの丼で北海道を楽しめるようにと考え、この海鮮丼が生まれました」

\揚げたてサクサクにかぶりつけ!/

天丼(1200円) ※海鮮丼同様にみそ汁と漬物がつく

熱々の衣をまとっているのは、エビ、春菊、サツマイモ、シイタケ、ピーマン、ナス。甘いタレの味についつい箸が進む。

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「うちは海鮮食堂ですが、生ものばかりを置いているわけではありません。魚介が苦手な方も大丈夫です。焼き魚やお肉を使った定食もあるので、安心してお越しください」

\大将がこだわる一品/

開ホッケ(1000円)

ホッケの開きは脂が乗っていてとても美味。道東の羅臼(らうす)、もしくは道北の礼文(れぶん)の海でとれた真ホッケを使うのが、藤本さんのこだわりだ。

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「こだわりというか、自分が好きなだけなんですが(笑)、シマホッケに比べると脂が控えめで味が濃いので、白いご飯によく合いますよ」
「ジュー!」という音とも登場! 目と口だけではなく、耳でも楽しませてくれるとは…

新年の挨拶にも最適な旬の魚介とは

魚をさばくだけでなく、釣るのも大好きという藤本さんに、冬が旬の魚介とおすすめのおみやげを伺ってみた。

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「冬はやっぱりカキかタチ(タラの白子)ですね。火を通さず、素材の味を味わってもらいたいです。おみやげは北の冷たい海でしかとれないコマイの干物とか、12月〜1月が旬のタラバガニもおいしいです」
タラバは漢字で鱈場と書く。「タラのいる場(季節)に集まるからタラバっていうんですよ」と藤本さんが教えてくれた

店を守り続けるために必要なのは客を思う心

場外市場に店を構えて48年がたった二幸。藤本さんが先代、先々代から受け継いだのは、場外市場で店を持つことの意味だった。

大将 藤本康隆さん
大将 藤本康隆さん
「ここはお客さんがわざわざ足を運ぶ場所です。だから、仕入れに来る人、観光で来る人が何を求めているかを常にイメージしています。この場所だからできる自分のパフォーマンスをこれからも発揮し続けたいです」
「二幸」の由来は、創業者が「2人の娘が幸せになれるように」と願いを込めてつけたのだそう

北海道中の食材が集結する中央市場。海・山・畑の幸を、目で見て楽しみ、舌で堪能できるのは場外市場ならではだ。家族や友人へのおみやげ探しにも最適なので、旅行で滞在中の方も、札幌に帰省中の方も、ぜひ出かけてみてはいかがだろうか。

取材メモ/藤本さんは中学生のころ、料理人の父親の教育で、だし巻き卵を毎朝一本焼かなければ学校へ行かせてもらえなかったそう。「今思えばなかなかいい経験でした」と笑う藤本さんを見て、家族の思い出がたくさん詰まった食堂なんだなと感じました。

取材・文=小林かほり(みんなのことば舎)、撮影=山下恭子

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