ここは行きつけにしたい!愛知の銘酒「義侠」が飲める日本酒処

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出張先で味わう! ご当地の地酒&グルメ〜札幌・名古屋・大阪・福岡〜

2018/12/28

ここは行きつけにしたい!愛知の銘酒「義侠」が飲める日本酒処

愛知県は味噌やたまり醤油、みりんなど醸造業が盛ん。酒蔵も多く、40軒以上あるといわれる。中にはファンが愛してやまない銘柄もあり、県西部の愛西市にある山忠本家酒造の「義侠」もそのひとつだ。「義侠」に魅せられ、そのすばらしさを多くの人に伝えたいと日本酒バーをオープンさせた人がいる。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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「義侠」の神々しい味を
多くの人々に伝えたい

“華雅ママ”こと店主の加藤直子さん

それが栄・錦三丁目にある「日本酒処 華雅」の店主で、常連客からは親しみを込めて“華雅ママ”と呼ばれている加藤直子さんだ。義侠との出会いは10年ほど前。派遣社員として働いていた頃、たまたま訪れた店で飲んだのがきっかけだった。
「口に含んだ瞬間から感動したんです。甘さや辛さ、すべてにおいてバランスが取れていて、例えるならば神々しい味わい。それまでとくに日本酒が好きだったわけではなかったのですが、『義侠』の魅力にとりつかれました」

「義侠」の魅力を語り出すと止まらない

また飲みたくなって再び店を訪ねたものの、品切れだった。店のご主人に紹介してもらった酒屋で「義侠」を購入して家飲みを楽しんでいた。店をオープンさせたのは、2011年。それを後押ししたのは、その年に起こった東日本大震災だった。
「小さくてもよいので飲食店をやりたいとは思っていました。東日本大震災で何もかもが津波に流されていくのを見て、人間の命や人生がとても儚いものだと感じました。このまま何もやらなければ後悔するかもしれない。そこで大好きな『義侠』と手作りの料理が楽しめる店にしようと思ったんです」

このラインナップは間違いなく全国でも唯一無二。名古屋出張のついでに通う「義侠」ファンも多い

義侠は、最高ランクの特A地区に指定される兵庫県加東市東条町産の山田錦を用いているため、こだわり抜いた米の旨みや仕込みの丁寧さがダイレクトに伝わるのが特徴。「日本酒処 華雅」では、11種類を用意。中には愛知と岐阜、三重の東海三県と一部地域のみ販売しているレアな『義侠 燎(かがりび)』(グラス900円)も。これだけの種類が揃うのは、おそらく日本でもここだけだろう。

華雅ママ手作りのおばんざいと「義侠」のペアリングを堪能

カウンターに並ぶおばんざいはどれもおいしそう

カウンターの上には華雅ママ手作りのおばんざいがズラリ。日替わりで15種類ほどを用意しているそうで、「義侠」がさらにおいしく飲めそうなものばかりだ。その中から筆者がチョイスしたおばんざいと、それに合う「義侠」を華雅ママに選んでもらった。

「いわしの梅煮」。これを目当てに訪れる客もいる

まずは、ここに来たら必ず注文するという客も多い「いわしの梅煮」(600円※いわしのサイズによって一人前の本数に変更あり)。骨ごと食べられるほどやわらかく煮込んである上に、名古屋人好みの甘辛い味付け。口に入れると、いわしの旨みとともに梅の酸味がじんわり。く~っ! うまいっ!

熟成期間2~3年ものをブレンドした「義侠 泰(やすらぎ)」

「いわしの梅煮は、塩分がやや強めの、3年~5年漬け込んだ梅干しで仕上げます。味に深みが出ますし、煮込んでも梅干しが破れないんです。これに熟成酒の『義侠 泰(やすらぎ)』(グラス900円)はいかがでしょう。4合瓶に入った、『義侠』の中でもかなり珍しい銘柄です。飲みやすくて、ひと言で表すと“上品な味”です」
華雅ママいわく、義侠はどの銘柄も甘さと辛さ、キレとバランスが良いのでいろんな料理に合うそうだが、ここの料理にも秘密がある。料理に使う白だしやみりん、醤油などの調味料のほとんどは地元産のものを使っているのだ。地のものに地の酒が合わないわけがない。

「椎茸の肉詰め」。そのままでもうまいが、辛子醤油をつけて食べてもおいしい

続いてこちらは、大ぶりで肉厚な椎茸を使った「椎茸の肉詰め」(700円※椎茸のサイズによって価格の変動あり)。鶏ミンチの中にクリームチーズが入っていて、椎茸と鶏ミンチの旨み、チーズのコクが相まって美味! 無性にお酒が飲みたくなる。とはいえ、塩辛い味付けをしてあるわけではないからスゴイ。それが華雅ママが作る料理の真骨頂でもある。

「義侠 純米原酒60%」。数字は精米歩合で、一般的に低いほど米の中心部分を雑味が少なくなるといわれる。米にこだわる「義侠」は、それぞれの味が堪能できる

「椎茸の肉詰め」とのペアリングを楽しむには、純米原酒60%の「義侠」(グラス700円)がおすすめ。クリームチーズとの相性はよく、さっぱりとした口当たりなのに旨みもしっかり感じる。肴→ お酒→ 肴→ お酒…… の無限ループにハマってしまった。

「ふろふき大根」。自家製の醤醢が味の決め手

最後は、寒い季節に恋しくなる「ふろふき大根」(600円)。昆布だしが中までしっかりと染みた大根の上には、大豆と小麦で作った麹にこだわりの醤油をくわえて発酵させた自家製の醤醢(ひしお)。さらに黒七味とネギをのせて仕上げてある。大根を噛むとジュワッと溢れ出す上品なだしの味と醤醢の奥深い味わい、そして黒七味の刺激とネギの香りは感動すら覚える。これもまたお酒が恋しくなる。

「義侠 純米吟醸原酒50%」。グラスは900円

「純米吟醸原酒50%の『義侠』を熱燗(1合1600円)にしました。このお酒は平成16年物の熟成酒で、店で出しているのは、おそらくウチだけだと思います。一般的に熟成酒は熟成香に好みが分かれるところですが、上品ですから心配ありません。キレがよいので、豆味噌やたまり醤油などを使った名古屋ならではの料理との相性は抜群だと思います」

華雅ママが作る
料理の原点は、母の味

「おにぎり」は、すじこなど日替わりの具が入る。「ぬか漬け」の内容も日替わりでこの日はきゅうりとミョウガ、大根

料理とお酒を堪能したら、ご飯が食べたくなってきた。そこで「おにぎり」(600円)と「ぬか漬け」(600円)を注文することに。炊きたてのご飯をふんわりと握ったおにぎりを食べているうちに、亡くなった母もこんなおにぎりを作ってくれたのを思い出した。華雅ママの料理の原点も母親の味だったという。

「『義侠』の良さを伝える店になりたいと思っています」

「私の母も料理がすごく上手で、いつも私は傍で料理を作るところを見ていました。それを思い出しながら料理を作っています。先ほどの調味料も母の味の記憶を辿りながら探したものなんです。男の人はいつまでも母の味が恋しいですよね」

山田錦を精米する際に出るぬかを使った20年物のぬか床

そんな話をしながら、何気なく「ぬか漬け」をつまんでみると、あまりのおいしさに驚いた。それもそのはず。実はぬか床に「義侠」に使用する兵庫県加東市東条町産の山田錦のぬかを使っているのだ。それも、ある飲食店の店主から引き継いだ20年物のぬか床だ。こんなの、うまいに決まってるではないか! この「ぬか漬け」を肴にしようと、もう一杯、「義侠」を注文したのは言うまでもない。

取材・文・撮影/永谷正樹

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