ツウも唸る! 名古屋で江戸前鮨の信念をつらぬく立ち喰い鮨屋

ツウも唸る! 名古屋で江戸前鮨の信念をつらぬく立ち喰い鮨屋

2019/01/11

手間ひまかけた職人技が光る“江戸前鮨”。敷居が高いイメージを持っている人も多いのでは? そんな概念を覆すお店が、名古屋市中区の新栄にある。ランチには毎日のように行列ができる、知る人ぞ知る話題のお店だ。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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東京の名店で修業を積んだ大将による実力派

名古屋随一の繁華街・栄から地下鉄でひと駅、新栄にあるビルの1Fに位置する「鮨屋 とんぼ」。2016年の11月にオープンした比較的新しいお店だが、「コスパが良すぎる!」とすでに話題店となっている。その人気の秘密とは……?

地下鉄の新栄駅から徒歩約3分。広小路通と桜通に挟まれた路地のビル1Fがお店だ

旨い鮨を多くの人に楽しんでほしい

厨房での仕込みをする大将の稲垣太さん

大将の稲垣さんは、江戸前鮨の名店である東京の「吉野鮨本店」で修業を積んだ実力派。その後、地元である岐阜県恵那市、名古屋市の池下で自身のお店を構えた。ところが人気店であったにもかかわらず、そちらを閉店して2016年に現在のお店「鮨屋 とんぼ」をオープンした。

大将 稲垣太さん
大将 稲垣太さん
「以前のお店は席数が少ないこともあり、敷居が高くて誰もが気軽に入れるお店ではありませんでした。栄に近く、お客様もたくさんいるこの地で、安い鮨屋がやりたいと思ったんです」
店内には、大将が修業を積んだ名店「吉野鮨本店」ののれんが

価格は一貫100~500円で驚くほどリーズナブル。お客さんによっては、夜でも予算2000~3000円で食事できる人もいるのだとか! カウンターにある札を使って自分で自由に注文できるので、その日の予算に合わせてタネを選べるのも嬉しいところだ。

この札をカウンターに置いておくと、大将が順番に握ってくれる。価格によって札の色が分かれているのでわかりやすい
大将 稲垣太さん
大将 稲垣太さん
「職人が作業をしているときって、声をかけづらい人もいますよね。なのでこのスタイルにしました。そのおかげが、若い女性がひとりで来店されることも多く、嬉しいですね」

稲垣さんが“安い”鮨屋をやりたいと思ったのは、多くの人に気軽に旨い鮨を楽しんでほしいから。しかし、どうしてこんなにリーズナブルな価格を実現できているのだろうか?

立ち喰いスタイルで本格江戸前鮨をリーズナブルに提供

もちろん、提供するタネや酢飯の質を下げたり、手間を省いたりしているわけではない。基本的にタネは地元の柳橋中央市場から、鮪など一部は豊洲市場から仕入れている。

人気のタネのひとつである本鮪
鮪をさばいて仕込む様子は迫力満点だ

酢飯は、赤酢と塩を使用した赤シャリだ。庶民の食べ物であった、昔ながらの江戸前鮨のスタンスを守り続ける大将の心意気を感じる。こちらも以前のお店と同様の手間ひまをかけている。

安さの理由を大将に聞いてみると……。

砂糖を使用せず、赤酢と少しの米酢、塩で作られた赤シャリ
大将 稲垣太さん
大将 稲垣太さん
「うちのお店は立ち喰いスタイルなんです。そうすることで、お客様の回転が早くなり、価格を下げることができているんですよ」
7人が入れるカウンターのみの店内
目の前で握る様子が見られるのも立ち喰い鮨の醍醐味。握った鮨はそのままカウンターに差し出してくれる

頼まずにはいられない! 人気のタネベスト3

数あるタネの中でも、オススメを聞いてみた。

まずは、お客さんの中にもファンの多い「中とろ」。基本的に豊洲市場から仕入れる厳選した鮪に、煮切りを塗って提供してくれる。赤身と脂のバランスが絶妙だ!

「中とろ」(400円)のほか、「大とろ」(500円)も驚きの価格

「穴子」は仕入れの状況や季節などにもよるが、基本的に三河産を使用している。また「穴子は腹開きではなく、背開きでさばくのがこだわりです」と稲垣さん。その方が、ふっくらと仕上がるのだとか。

「穴子」(300円)は口の中でほどけるような柔らかさだ

「玉子」は通常の出汁巻きと薄焼きが選べる。芝えびのすり身が入っている薄焼き玉子の握りは、シャリを包みこむ独特の形。

芝えびのすり身が入った「玉子(薄焼き)」(100円)

来店したら、ぜひ味わってみてほしい。

ランチも大人気! オープンと同時に行列が

夜だけでなく同じビルの奥にある「はなれ」でランチ営業もしていて、近くの会社員をはじめ、多くの人がオープン前に行列を作っている。

ビルの奥にランチを営業している「はなれ」がある

ランチは、「握り7貫+細巻1本」(1080円)と「握り11貫+細巻1本」(1620円)の2種類がある。足りなければ追加で好みのネタを1貫ずつ注文できる。

ランチ営業している「はなれ」は着席できるカウンターが12席

この日もオープン時間直後から並ぶ人の姿が。その中に、1年前から通っているという常連のご夫婦がいた。

月2回ほどのペースで訪れているという仲良しご夫婦
常連ご夫婦の奥様
常連ご夫婦の奥様
「最初はTVで知って来たのですが、このクオリティでこの値段⁉とびっくりしました。ネタは穴子がおすすめです。でも、どれも美味しいので迷ってしまいますね(笑)」
常連ご夫婦の旦那様
常連ご夫婦の旦那様
「私はとろが一番好きです。本当に美味しいから、並んででも食べたいですね」

このように常連さんも多く、食通にも支持されている「鮨屋 とんぼ」。行列に並んででも食べたい、“安くて旨い”鮨がここにあります。

取材メモ/「高くて美味しい鮨ではなく、皆さんに気軽に食べに来てもらえる美味しい鮨を提供したい」と、大将の稲垣さん。もともとは庶民に親しまれていた、江戸前鮨の基本を大切にする姿が印象的でした。客層も幅広いので、カウンター鮨デビューにも最適のお店です。

取材・文・撮影=松田支信(日本プリコム)

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