ラーメン、パスタ、そば! 中延商店街は麺ツアーが最高という話

ラーメン、パスタ、そば! 中延商店街は麺ツアーが最高という話

2019/01/30

商店街は日常生活の場であると同時に、街歩きも楽しませてくれる包容力を持っている。そんな、最近では国内外の散歩好きにも注目されている東京エリアの商店街をシリーズでご紹介。第9回は品川区の「中延(なかのぶ)商店街」を食べ歩いた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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「中延商店街」ってどんなとこ?

中延駅側の入り口はこんな感じ。2017年にはアーケードの耐震工事を行い、より明るい日差しが入るよう屋根も改装された

「なかのぶスキップロード」の愛称で親しまれる中延商店街は、中延駅(東急大井町線・都営浅草線)と荏原中延駅(東急池上線)をつなぐ、南北約330メートルのアーケード型商店街。

1920年ごろの中延は一面の竹林だった

その昔、中延一帯は竹林に囲まれタケノコの産地として知られていたが、1927年に中延駅と荏原中延駅が開業してからは住宅地として急発展。商店も次々に開業したものの、第2次大戦中の「山の手大空襲」によって焼失してしまう。しかしその後、数年で多くの店が再建され現在の商店街の基礎となった。

今回のテーマは「麺」。中延商店街ではしみじみうまい絶品麺類が楽しめる(写真は「日本そば あけの蕎」)

中延商店街は、同じ品川区の徒歩圏内にある「武蔵小山商店街パルム」や「戸越銀座商店街」といった“スター商店街”に比べやや庶民的。しかし、ガレージセールや駅弁大会などのユニークなイベントに加え、“ねぶた”や“よさこい”などのビッグイベントも行うことから、国外から観光に訪れる人も少なくない。

2年に1度行われる「中延ねぶた祭り」には国内外から多くの観客が集まる(写真は2018年の様子)

そして、中延商店街のもう一つの大きな魅力は、地域密着型飲食店の名物料理。特に麺類は地元の常連だけでなく熱狂的な麺通にも愛される逸品が多いとの情報をキャッチ。そこで今回は、魅力的な麺類を味わうため中延商店街を散歩した。


\食べ歩いた3店はこちら/
1:「中華そば専門 多賀野(たかの)」
2:「コーヒーハウス・サンタフェ」
3:「日本そば あけの蕎(あけのきょう)」
コラム:「中延ねぶた祭り誕生秘話」


ミシュランが認めた昔ながらの東京ラーメン

1:「中華そば専門 多賀野(たかの)」

食券購入後に2階の美容室の入り口を塞がないよう、案内に従って並ぶのがお作法

最初に訪れたのは、荏原中延駅前にある「中華そば専門 多賀野」。1996年に開業し、ミシュランガイドの「ビブグルマン(お手ごろ価格で満足感が得られる店)」に2015年から4年連続で選ばれた東京ラーメンの人気店だ。

店内はカウンター席が12席

ーー店長の多賀子さんはもともと主婦だったそうですが、ラーメン店を始めたきっかけは?

中華そば専門 多賀野店長・高野多賀子さん
中華そば専門 多賀野店長・高野多賀子さん
「『大将』と呼んでいる夫も私もラーメンの食べ歩きが大好きで、お気に入りを手本に自宅で作るのが趣味でした。子育てが一段落して仕事を持ちたいと思った時に、どうせ稼ぐなら自分も楽しめるラーメン作りをしたいと考えたんです」

\店長の高野多賀子さんに聞きました/

店名は店長のお名前「たかのたかこ」をもじったもの。豚、鶏、卵、煮干し、魚節類、野菜などの食材は国産を使用する

ーーこの商店街を選んだ理由は?

高野多賀子さん
高野多賀子さん
「当時大田区に住んでいたんですが、趣味の延長の店なので通える範囲で小さな店という条件で探していたところ、中延駅の近くにいい物件を見つけたんです」

ーー最初はこの場所じゃなかったんですね。

高野多賀子さん
高野多賀子さん
「500メートルほど離れた住宅街でした。『中延には駅が2つもあるから人が多いぞ』と思ったんですが、乗り換えるだけで駅の外に出ないわけ(笑)。だから1年半くらいは暇で暇でしょうがなかったんだけど、ある時『ごまの辛いそば』(850円)が口コミで広がって行列ができるようになりました」
商売繁盛の招き猫に並んでミシュランガイドの盾が飾られる
高野多賀子さん
高野多賀子さん
「認めてもらえて嬉しい半面、行列が近所迷惑になって困ったなぁと思っていたら、事情を知った不動産屋さんが、『荏原中延駅前に物件が空いた』と教えてくれたんです。この路地は線路の真上にある東急電鉄の敷地のため、行列してもなんとかなるだろうと許可をいただき2000年に移転しました」
スープと麺を大将が、具材の盛り付けを店長の多賀子さんが担当する

ーー定番の醤油味「中華そば」は以前いただいたことがあるので、今日は塩味の「特製粟国の塩そば」をお願いします。

\いよいよご対麺/
「特製粟国の塩そば」(1020円)

中江裕司監督の映画「ナビィの恋」の舞台にもなった沖縄の離島・粟国島の海岸で釜炊きされた自然塩を、キレのある淡麗スープに合わせた一品。取材当日は冬の風物詩の柚子が添えられていた

ーー凝縮されたダシを受け止める麺の存在感がいいですね。

高野多賀子さん
高野多賀子さん
「私の出身地・新潟の郷土料理『へぎそば』に使われる海藻の布海苔(ふのり)を全粒粉の麺に練り込んでモチモチ感を出しているんです。そろそろ塩そばの提供時間が終わるので、間に合ってよかったです」
「麺に海藻の布海苔、スープには煮干しと、海のものを豊富に使っているので、海水から取れる粟国島の塩を合わせたかったんです」(多賀子さん)

ーー売り切れ前に提供を止めることがあるんですか?

高野多賀子さん
高野多賀子さん
「塩そばはスープにキレがなくなった時点でお終いなんです。スープは常に温めているので、時間が経つと“ピーン”とした透明感がなくなってしまいます。その瞬間は大将にしかわからないんですが、開店から1時間半くらいまでのことが多いです」
最上の煮干しを手に入れるために3軒の乾物問屋と取引している。1番右がマイワシを乾燥させた平子(ひらこ)煮干し

ーーダシを取る煮干しは何種類も使っているんですね。

大将
大将
「現在は香川(伊吹)、広島、千葉などで捕れた4種を使用しています。煮干しは時期によって味が変わるので、3種類でも狙った味が出せることもあります」

\帰国中の海外駐在員も舌鼓/

五反田出身の本多さん(右)は、帰国するたびにお父様とラーメン店巡りを楽しむというナイスガイ

ーーお二人はどちらからいらしたんですか?

本多さん(息子)
本多さん(息子)
「日本企業のシンガポール支社で働いていますが、前から食べたかった多賀野の中華そばを味わいに、正月休みを利用して親父と来ました」

\本多さん親子のチョイスはこれ/
「特製中華そば」(970円)

「シンプルなラーメンが好み」という本多さんは定番の「特製中華そば」をチョイス

ーーシンガポールではラーメンを食べられない?

本多さん
本多さん
「ラーメンは大人気でお店もたくさんありますが、値段が高かったり、猫舌の人が多いせいか少々ぬるい(笑)。ここの中華そばはミシュランに載るだけあって、『これぞ日本のラーメン』という王道のすっきり醤油味が気に入りました」
高野多賀子さん
高野多賀子さん
「中華そばやつけ麺はお持ち帰りもあるので、海外赴任のビジネスマンがまとめ買いすることもあります」

\まかないも真剣勝負/

スタッフの昼食を支度する大将

ーー今調理しているのは何ですか?

大将
大将
「これはね、スタッフ用の食事です」

ーーいわゆる「まかない」ですね。すごく丁寧に作っていますね。

\まかないつけ麺が完成/

本日のまかないはつけ麺。毎日多賀野の中華そばが食べられるなんて羨ましい!
大将
大将
「まかないは自由にアイデアを試せるので新メニューが生まれるきっかけにもなります。だから気が抜けないんです(笑)」

ーー常に新しいメニューを考えているんですね。地域に密着した商店街で人気店であり続ける秘訣は?

高野多賀子さん
高野多賀子さん
「うちは地元の常連さんに支えてもらっている店。だから毎日食べても飽きないよう体にいい食材を吟味して、どんな天候でも狙った味を外さないということくらいですね」

中華そば専門 多賀野

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


喫茶店の矜持が宿る変化球系パスタ

2:「コーヒーハウス・サンタフェ」

黄色の看板が目印の「コーヒーハウス・サンタフェ」

2軒目は、商店街の中延駅寄りにある喫茶店「コーヒーハウス・サンタフェ」。店先のメニューによるとパスタ類が充実している様子。

\店長の横山智也さんに聞きました/

店長は高校時代からバイトで手伝いをしていた横山智也さん

ーー食事メニューが充実している喫茶店は商店街散歩に欠かせません。

コーヒーハウス・サンタフェ店長 横山智也さん
コーヒーハウス・サンタフェ店長 横山智也さん
「ありがとうございます。うちは代々、四谷(新宿区)で米穀店を営んでいました。祖父が30年ほど前に『これからは喫茶店の時代だ』と考え、現社長の父とさまざまな場所を検討した結果、ここ中延に喫茶店を作ったんです」
店内はオーソドックスでくつろげるムード

ーーお店の特徴は?

横山智也さん
横山智也さん
「開業当初は正統派喫茶店らしいピリッとした雰囲気でしたが、今では通りすがりの地元の方が『1杯飲ませて』と、1日に何度でも立ち寄れる使い勝手のいいフランクな店を目指しています」

ーー中延商店街のおいしい麺類を探しているんですが、おすすめは?

横山智也さん
横山智也さん
「ユニークなパスタ系メニューがあるので食べてみますか?」

ーーぜひお願いします!

\パスタ系の人気メニュー/
「スパゲティグラタン」(800円)

ドリアのようなビジュアルだが……

ーーホワイトソースとこんがりチーズが香ばしいドリアのようですね。

横山智也さん
横山智也さん
「ソースを割ってみてください」

\いざ入刀/

ソースの下から……

\スパゲティがこんにちは/

茹でて寝かせた乾麺にトマトソースを絡めたパスタが敷き詰められている

ーーお米じゃなくてトマト系のスパゲティが出てきました! なぜこのようなメニューが生まれたのでしょうか?

横山智也さん
横山智也さん
「喫茶店の定番フードといえばナポリタンですよね。でもうちはコーヒー専門店で厨房が狭いためフライパン料理ができない。そこで、レンジを駆使して作れるレシピを追求した結果、皿ごと焼き上げるグラタンスタイルになったわけです」

ーー名前からしてスパゲティが入ってるだろうとは想像しましたが、まさかナポリタンだとは! 意外ですが味は正統派でうまいです!

\コーヒーもお忘れなく/
「サンタフェブレンド」
(490円、ドリンクセットの場合300円)

毎日飲めるのど越しの良さに仕上げたというメインブレンドコーヒーは、横山さんの親戚が経営する世田谷のコーヒー豆専門店「アランチャート」の自家焙煎豆を使用

\生パスタもうまい/
「シーフードのトマトソース」(サラダ付き930円)

エビ、イカ、アサリが入ったトマトソースは、もっちり生麺にベストマッチ。サラダのドレッシングはゴマ、青じそ、和風クリーミー、バジルから選べる

ーー「スパゲティグラタン」は乾麺でしたが、生パスタメニューも充実している理由は?

横山智也さん
横山智也さん
「20年ほど前にコーヒーのチェーン店が急増し、飲み物だけでは個人経営の喫茶店は厳しくなりました。そこで、より満足感のある食事を楽しめる場所として使い分けてもらえるようにパスタメニューを増やしたんです」
茹でる前の1人前の生パスタ。ボリュームもたっぷり

ーーモチモチした麺がコクのあるトマトソースによくからんでうまいです! 喫茶店で生パスタって珍しいですよね。

横山智也さん
横山智也さん
「むしろ喫茶店だからこそ生パスタを使わざるを得なかったんです」

ーーと言うと?

一つのコンロをやりくりして生パスタを茹で上げる
横山智也さん
横山智也さん
「喫茶店で食事をするお客さんは急いでいる方が多い。普通の乾麺は茹で時間に6分以上必要ですが、生だと約半分で済むんです」

ーーお待たせしないというわけですね。

横山智也さん
横山智也さん
「そうなんです。仕上げは用意しておいたソースを温めてボウルで絡めるだけなので、喫茶店のスタイルを逸脱せずに満足感のある食事を提供できるようになりました」

\テイクアウトで大人気/

店先で販売されるサンドイッチは、近所に勤める女性に人気

ーー店のカウンターから商店街を眺めていて感じることはありますか?

横山智也さん
横山智也さん
「最近ではファミリー層が増えましたね。中延は、きらびやかな戸越と多くの人が行き交う武蔵小山に挟まれた庶民的な商店街ですが、都心への通勤だけでなく鎌倉・横浜に遊びに行くにも便利な割には家賃が手ごろなんです」

ーー働き盛り世代が暮らしやすいですね。

横山智也さん
横山智也さん
「祭りなど人を集める取り組みも活発だし、以前住んでいた四谷に比べ居心地がいい。おいしい飲食店も多いですし、商店街には弟が店長をしている日本そばの店もあるので、麺類の食べ歩きということでしたらぜひ寄ってあげてください(笑)」

コーヒーハウス・サンタフェ

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


商店街の散歩をシメる日本そば呑み

3:「日本そば あけの蕎(あけのきょう)」

和モダンな雰囲気の「日本そば あけの蕎」

散歩の最後にやってきたのは、「コーヒーハウス・サンタフェ」の店長・智也さんの弟さんが店長を務める商店街唯一のそば処「日本そば あけの蕎」

\お話を聞いたのはこのお二人/
社長・横山俊明さん(写真左) 
店長・横山純二さん(写真右)

店も組合も世代交代が上手に進んでいるのが中延商店街の特徴。イベント部長や理事長を歴任した俊明さん(左)は「中延ねぶた祭り」を成功させた立役者の一人

ーー先ほど喫茶店の「コーヒーハウス・サンタフェ」でグラタンスパゲティをいただきましたが、こちらも経営は同じだとか。

日本そば あけの蕎店長・横山純二さん
日本そば あけの蕎店長・横山純二さん
「そうなんです。サンタフェの店長は私の兄なんです」
店内は明るくカップルや家族づれでも入りやすい

ーーおそば屋さんが喫茶店も経営するなんてユニークですね。

日本そば あけの蕎社長・横山俊明さん
日本そば あけの蕎社長・横山俊明さん
「実は喫茶店が先なんです。30年前にサンタフェを開業した当時にはまだ商店街にそば屋はありましたが、出前が主で夕方には閉店するので、商店街の人が店を閉めた後に集まって気軽に飲んで食事ができる場所があるといいと思ったわけ」

ーー老舗そば店が喫茶店を作ったと勘違いしてました(笑)。

\まずは定番のおつまみで/
「だし巻玉子」(700円)

そば屋呑みの定番つまみ「だし巻玉子」。うまみの効いたダシとふわりとした歯ごたえが楽しめる
社長・横山俊明さん
社長・横山俊明さん
「いいそば屋が必要だと思って、四谷時代から親しかったそば屋の大将に『中延で若手に店を持たせなよ』と話していたんです。それがいつのまにか『そばの打ち方を教えるから横山さんがやれば?』ということになり、次男と修行に行ってそばの打ち方、ダシの引き方、天ぷらの揚げ方までしっかり教えてもらいました」

\そばを活かしたツマミもうまい/
「揚げ蕎麦」(500円)

あけの蕎自慢のそばをからりと揚げ、振り塩でシンプルに楽しむ
店長・横山純二さん
店長・横山純二さん
「全部教えてもらえたのは幸運でしたね。大将は『自分の店を持ってからが重要』という考えで、開店準備が整った後も、営業はせずに納得できるそばができるまで何度もそばを打っては商店街の方に試食してもらっていました」

ーー客層はどういった方が多いですか?

店長・横山純二さん
店長・横山純二さん
「地元の常連さんが中心の喫茶店よりは、町の外から来てくださる方が多い印象です。お酒とツマミを楽しんでから、シメにそばを食べるスタイルが受けたのか、最近では女性のお一人様やカップルも増えました」

\つゆを活かしたメニューもおすすめ/
「冷やしトマト」(500円)

湯むきしたトマトに大根おろしを添えそばつゆでいただく。見た目でも楽しませてくれる女性にも人気の一品

ーー“中延商店街らしさ”ってどんなところですか?

社長・横山俊明さん
社長・横山俊明さん
「ここに来て驚いたのは、『お客さんを飽きさせない』という問題意識をしっかり持っていたこと。前期まで組合の理事長を務めていましたが、2016年には若い世代に引き継いでもらえたので、他の商店街の方から『中延は世代交代できて羨ましい』と言われることも」
店長・横山純二さん
店長・横山純二さん
「そろそろシメのそばをお出ししますがお腹に隙間はありますか?」

ーーもちろんです!

\シメそばのおすすめその1/
「あけの」(1150円)

そば粉を使った鴨の治部煮、煮玉子、油揚げなど具だくさんの冷たいそば。温かいものを選ぶこともできる
店長・横山純二さん
店長・横山純二さん
「冷たいそばの多くは濃い目のつゆで食べますが、『あけの』はかけそばのつゆを冷やして使っているので、そば湯で割らなくても飲んでいただけます」

ーー豪華なツマミとシメの麺がセットで楽しめる嬉しい1皿です!

\シメそばのおすすめその2/
「胡麻ねぎ」(950円)

色鮮やかな京都産の九条ネギがたっぷり入った温かいそば。ラー油を加えるとさらに風味が引き立つ

ーー九条ネギの爽やかさとそばの香りがよく合います。お酒を飲んだ後のラーメン屋さんもいいですが、さっぱりした日本そばでシメるのもスマートですね。

のど越しのいい二八そばに九条ネギの香りがよく合う、シメにピッタリな味わい

ーー商店街で商売をされていて日々感じることは?

社長・横山俊明さん
社長・横山俊明さん
「商店街に訪れる若いファミリー層を見ていると、『買ったパンに合うコーヒー豆があるか聞いてみよう』というように、専門店を賢く利用する買い物スタイルが再評価され始めていると感じています。それがより多くの方に広まるよう、今後も中延商店街を盛り上げていきたいですね」

日本そば あけの蕎

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


和・洋・ラーメンと、三者三様の魅力的な麺類を楽しんだ中延商店街散歩も無事終了。どの店も魅力的なメニューが目白押しだったので、ぜひまた麺散歩に訪れたいと心に誓った取材班であった。


コラム:巨大ねぶたがアーケードで乱舞?
「中延ねぶた祭り誕生秘話」

アーケードを巨大な人形型の山車灯籠「ねぷた」が練り歩く

「中延寄席」や「駅弁大会」など、ユニークなイベントで人気の中延商店街。なかでも注目なのが2年に1度行われる「中延ねぶた祭り」だ。次回は2020年の開催となるこのイベントが誕生したきっかけを、中延商店街振興組合の皆さんにうかがった。

\中延商店街振興組合の方々に聞きました/

事務長・大庭さん(写真左)
スタッフ・森さん(中央)
肉の伊吾田店主・伊吾田さん(右)

ちなみに、写真右の伊吾田さんが営む「肉の伊吾田」のコロッケは絶品です

ーーそもそも、なぜ東北のお祭りの「ねぶた」を中延でやろうと思ったのですか?

大庭さん
大庭さん
「品川の商店街に所属する若手の会合で、ねぶたで町おこしをしている福島長沼町の『長沼まつり』が話題となり、縁あって長沼町の方々の協力で行ったのがきっかけでした。第1回は1990年と言われていますが、自然発生的なものだったので定かでなく、その後は自分たちでねぶたを製作することになりました」
祭りに使う山車灯籠は商店街の人々が自ら製作する

ーーそのチャレンジ精神が中延らしさなんでしょうね。

大庭さん
大庭さん
「そして1998年のある日、この建物の地下にある音楽スタジオで青森ねぷたのお囃子サークル『二木組(にもくぐみ)』が練習していたんです。で、青森県黒石出身のリーダーの方が我々の作ったねぶたを見て『え、中延でもやってんの?』ということで、青森で使った本物のねぷたを貸してくれることになったんです」

ーー青森県人の『ねぷたの血』が騒いだんでしょうね。それにしてもいきなり進化しました。

大庭さん
大庭さん
「大きなねぶたを分割して運び、この会館で組み立てるんです。商店街の道幅は6メートルなんですが、大きいものは幅が4メートルもあるんです」
ねぶたの造形美を間近で体験できるのも魅力

ーー両脇に1メートルしか隙間がないですね。

森さん
森さん
「その隙間に観客が立つので、ねぷたは目と鼻の先を通過するわけです。警備の人が『ぶつかりますよー』とか叫ぶんですが、ぶつかりそうでぶつからない(笑)」
「ハネト」と呼ばれる踊り手は当日の飛び入り参加も可能だ
伊吾田さん
伊吾田さん
「商店街を往復させるので、以前はアーケードの外に出して方向転換していたんですが、うまく回せず大渋滞を引き起こしてキツく注意されたことも。本場青森では広い場所で行うので、ある意味『中延ねぶた祭り』はレアな祭りなんじゃないかなぁ」

ーーなんかものすごく楽しそうですね(笑)。

大庭さん
大庭さん
「今年2019年には『中延よさこい祭り』が行われますのでまた遊びに来てくださいね」

取材メモ/楽しそうなイベントを次々に計画している中延商店街。戸越銀座や武蔵小山商店街とはしごするもよし、一日かけて散歩するもよしの商店街でした。

構成・取材・文・写真=杉山元洋

次回、2月13日(水)は「佐竹商店街」(台東区)を公開予定

「日本で二番目に古い商店街」のレトロなお店を食べ歩きました

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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