ラーメンYouTuber・SUSURUが学生時代から通う名店

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2019/02/06

ラーメンYouTuber・SUSURUが学生時代から通う名店

おいしいラーメンは数あれど、思い出とリンクする一杯はまた特別なもの。本連載では東京で活躍する方々に「思い出の一杯」をうかがい、そのお店と彼らのラーメン物語に迫ります。第七回目はラーメンYouTuber・SUSURUさんが登場! 日本中のラーメンを食べ歩く彼の特別な一杯とは?

Yahoo!ライフマガジン編集部

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年間約400杯! ラーメンを愛するYouTuber・SUSURU

SUSURU

SUSURU

ラーメンYouTuber

約58万人というチャンネル登録数を誇る、ラーメンYouTuber・SUSURUさん。はじまりは毎日のようにラーメンを食べ歩いていた大学時代に、サークルの先輩から「せっかくなら、いま流行っているYouTubeで動画をアップしてみたら?」と言われたことがきっかけだったそう。

いまや年間約400杯を食べるなか、思い出深い一杯として「大学生のころ友達と、一人でもよく行っていたお店」という練馬区旭町の「中華そば べんてん」を教えてくださいました。さて、いったいどんなストーリーが待っているのでしょうか?

中華そば べんてん/ラーメン 中(800円+チャーシュートッピング300円)

「中華そば べんてん」の一杯をひもとく

1.SUSURUが通いつめたチャーシュー麺
2.ブレない一杯が生まれるまで
3.こだわりの自家製麺を受け止めるスープ

1.SUSURUが通いつめたチャーシュー麺

ビルの一角に佇む「中華そば べんてん」。高田馬場から移転し、現在は成増駅から徒歩約3分の場所に

1995年に創業した「中華そば べんてん」は、2014年から2年の休業を経て、16年にここ成増で復活しました。各地からファンが訪れ、日々行列が絶えない名店としても知られています。「つけ麺が有名ですが、僕がよく食べていたのはチャーシュー入りのラーメン」(SUSURUさん)。

店内はカウンターのみ。濃い茶色のカウンターは、移転前の高田馬場店を彷彿とさせます

「(高田馬場店が)閉店すると聞いて3日前に行ったら、朝6時半の時点で30人くらい並んでいて。食べられたのは11時半ごろでした。約6時間、いままでで最長並びでしたね」と振り返ります。

メニューはラーメン、塩ラーメン、つけ麺のみ。「並」で麺は250グラムと、そのボリュームでも知られています

ラーメンはうまいだけの健康食!」という言葉を掲げ、毎日全国のラーメンをすすっているSUSURUさんですが、そのルーツは、二郎系ラーメンへの憧れでした。

「青森県出身なんですが、高校生時代から友達と『やべえラーメンがある、東京へ行ったら食べるぞ!』と写真を見ながら話していて。思えば東京に出てはじめてラーメン二郎を食べた時から、ラーメンの虜になったんだと思います。青森にも煮干しや焼きあごを使ったおいしいご当地ラーメンがあるんですが、当時はそんなに食べていませんでしたね」(SUSURUさん)。

「以前は食後に1駅分歩いたり、二郎系のラーメンは野菜から食べるようにするとか、そんなところしか気をつけていませんでしたが、いまはもう少し体に気を使っているんです!」(SUSURUさん)

そんなラーメン欲(愛)が爆発してから、少なくとも週5回はラーメン店を訪れる日々。YouTuberになってからはより、いろんなジャンルを食べるようになったそう。「ラーメンは健康食!」と熱く語りますが「でも、そんなに食べて大丈夫?」という本音をぶつけてみると……。

--体の健康も意識されていますか?

SUSURUさん
SUSURUさん
「マックや寿司、焼肉、ジャンクフードも大好きなので、ラーメンに加えて好き勝手食べていたんですが、いまは我慢しています。一日の炭水化物をすべてラーメンに注いでいる感じですね
「ほかの食事を制限することで、痩せるだけではなく、よりラーメンをおいしく食べられるようになったのは思わぬメリットでした。去年の10月からジムにも通い、2ヶ月で6キロくらい落ちて」(SUSURUさん)

--ラーメンを食べる時のこだわりは?

SUSURUさん
SUSURUさん
なるべく早く食べること。やっぱり提供された直後が、作り手が食べてほしいタイミングだと思うし。YouTubeの撮影でお邪魔した時も、1秒でも早く食べはじめるように気をつけています」

--いまはいろんなジャンルを食べ歩くと

SUSURUさん
SUSURUさん
長岡ラーメンのような醤油や、生姜系も好きなんですよ。なかでも『中華そば べんてん』さんは、移転してから動画の撮影でお邪魔した際に改めておいしいなぁと感動して
「学生時代を思い出しますね。移転後にお邪魔したとき、味は変わらないんですが、昔は当たり前で気がつかなかった奥深いおいしさを感じました」(SUSURUさん)

ラーメンって、圧倒的に人の手がかかっているじゃないですか。そんなところが好きなんです。スープをゆっくり炊いて、こちらのように麺も自家製だったり」(SUSURUさん)。

SUSURUさん
SUSURUさん
「種類も多く、リーズナブルなところも魅力の一つかなと思います。友達ともよく食べに行きますよ。YouTuberになったのも先輩の一言からだし、周りの人に恵まれて今があるなと思います

2.ブレない一杯が生まれるまで

「変わらない、唯一無二の味だと思う」

店主の田中光勝さん。寡黙な印象がありましたが、柔らかな雰囲気のなか取材は始まりました

中華そば べんてん」は1995年、店主・田中光勝さんが創業したお店。現在は成増に移転し、息子の邦彦さんと切り盛りされています。「20年来のお客さんもいてさ。学生です! って言ってた連中がみんな歳取っちゃってね。でも、歳を重ねるっておもしろいよね。そういうのがあるから楽しいんだよ」と光勝さんは笑います。

「『歳とったなぁ』なんて直接は話しかけないけどさ、年配の方がげっそりしていると、自分も大病したから心配で。そんなことを考えながらやってますよ」(光勝さん)

もとは10年間、父から継いだ大型の中国料理店を経営していたそう。人を動かすことの難しさを感じ、独立してこちらを開いたのが24年前。「宴会を受けたり、人を動かさなきゃいけないでしょ。それに疲れて、自分と家族を食べさせられればいい、一人でやろうとここを開いた。こんな風に柔らかくなったけど、当時はものすごく性格もきつかったから(笑)」(光勝さん)。

「宴会の予算を聞いて、満足がいく内容に調整するのも僕の役割だったの。チリソースなら、海老の変わりにイカや玉子と合わせたり、工夫しながらね」(光勝さん)
店主・光勝さん
店主・光勝さん
中国料理店のころは30代。みんな歳上だし『なんにも知らなかったら厨房に入って来るんじゃねぇ』なんて言われて、必死に勉強したよ。それで全部覚えて厨房に入ったらさ『お前が出てけ』って言えるじゃない。何事も勉強しない限り、なにも言えないんだよ
「昔はふざけた質問をされたら『もうちょっと勉強してから来な』なんて言ってたのよ」と光勝さん。「仕込みが18時くらいに終わってさ、昔は3時間睡眠だったなぁ。好きじゃないとやらないよ。こんな仕事(笑)」
「技術なんかなくたって、いまはYouTube見りゃ作れちゃうし。でもそれが“自分が出したいラーメン”なのかは別。それが明確にない、お客さんに食べさせたいものがないのに店なんか出せないよ」(光勝さん)

営業は11時から14時半。開店前から行列することがほとんどです。「静かにやっているから、こういうの(取材)も受けないように、とは思っていたんですよ。だけどまぁ、もう歳なんで受けてくださいって息子が言うもんだから」(光勝さん)。

なぜラーメン店として独立を? と聞くと「僕はね、めちゃくちゃラーメン好きなんだよ。うちのだけじゃなくてあらゆるラーメンがね。よそのお店にも行くし」と光勝さん。独立する際はすでに、頭の中に“べんてんの味”ができあがっていたと語ります。

光勝さんの“こんなラーメンが出したい”という思いは、中国料理店やラーメンを食べ歩いた経験があったからこそ
肉々しく柔らかなチャーシュー。「僕は貧乏臭いのが嫌いなんで、チャーシューも厚め」と光勝さん
店主・光勝さん
店主・光勝さん
「一品勝負だし、自分がどういうものを食べたいかってイメージがなかったら、ラーメン屋は開けないほうがいい。それを表現できるかはいろんな料理の知識も大事。ひきだしの多さが大切だね

好きだからこそ、やりたいことがたくさん浮かぶ。「営業しながらアイデアが浮かんでさ、作ってみるじゃない。それがうまい! ってなった瞬間がまたおもしろいんだよね。いまはちょっと具合が悪いもんだから、3種類。高田馬場のころは別のラーメンも作っていたけど」(光勝さん)。

麺の量の多さでも知られる「中華そば べんてん」。それにもちゃんと理由がありました

--SUSURUさんより「安くたくさん食べられるところも、学生にとっては有り難かった」と話されていました

店主・光勝さん
店主・光勝さん
「僕はラーメンが好きだから、この一杯でお腹いっぱいにしたいわけよ。餃子やライスもいらない。最後までズルズル食べたいの。“いや〜食べたなぁ”って感覚がいいんだよね」

--並でも250グラムありますもんね! ピチピチした麺だけでも、おいしそうです

店主・光勝さん
店主・光勝さん
「自家製麺なんだけど、打ちたてを朝切って出してるの。寝かした熟成麺っていうのもあるけれど、俺は打ちたて切りたてが好きで」
湯のなかで気持ちよさそうに、麺が泳ぐ。ザルと箸で茹であげます。「うちは量が多いし、茹でるときはずっとザルを使ってる。もう腱鞘炎だよ(笑)」(光勝さん)
「ほら見て、茹でていくと麺が太るんだよ」と光勝さん
中華そばもつけ麺も、麺は同じ
「俺は太麺が好きなんだよね。このうまさを出すためには、打ちたてがいいと思っているんで、うちで作っているわけよ」(光勝さん)
店主・光勝さん
店主・光勝さん
「きちんと茹であげた麺が一番おいしいと思っているんで。固麺が好きな人は固めで茹でるけど、麺は喉ごしじゃない。つるっとした麺がうまいんだよね

3.こだわりの自家製麺を受け止めるスープ

「ビールと食べるのも楽しみでした」

ふんわり小麦の風味を感じる麺は、つるっとコシがあり、なんともいえない気持ちよさが。厚みのあるスープが絡まって、箸が止まりません!

この量の麺を、おいしく食べさせられるスープを考えるんだよ」と光勝さん。むちっとした麺をすすると、麺にスープの旨味が吸い付いているかのように、素材と奥深いタレがの味わいが重なります。さらっとしているスープを、どうやってここまで麺に絡ませるんですか? と聞くと「それは秘密(笑)」との返事が。

「海苔を麺に巻いて食うのもうまいよ」と光勝さん。海苔と麺の香り、スープが合わさって、うまいです
店主・光勝さん
店主・光勝さん
「多い麺を受け止めるスープ、そこが難しいんだよ。食べてみりゃ分かるけど、鶏ガラや豚ガラ、和風ダシも入ってる」
スープには鶏やブタのほか、魚介、野菜も
タレに白コショウを少々。このタレが、香りや奥深さの秘密でもあります
柔らかなチャーシューや歯応えいいメンマは、どこか懐かしい味わい

「ビールを飲みながらつまむのが好きでした」と話していたSUSURUさんですが、ビールには、自家製のラー油を使ったおつまみがセットになっています。こちらも隠れた名物なのだとか。

ビール 中(お通し付き、550円)。キンキンに冷えたグラスもうれしいですね
メンマ&チャーシューに自家製ラー油を絡めた一品。結構なボリュームです。単品のつまみメンマ(300円)やつまみチャーシュー(400円)もあります。「メンマの下に細切りチャーシューも」(SUSURUさん)
店主・光勝さん
店主・光勝さん
「混ぜて食べるとなかなかうまいよ」

ピリリと食感豊かなメンマと細切りチャーシューの味わいが合わさって、こちらも箸が進む進む! 中瓶一本とちょうどいいバランスです。飲みながら話していると「ラーメン屋のいいところはね、全部自分のせいじゃん」と光勝さん。「失敗も成功も自分の責任。あとは飽きずに長くやるってことじゃないの」と続けます。

「うちも20年やってるから、お客さんもつくんでさ。いまはお店が無くなるのも早いじゃない。石の上にも三年、なんて言葉が通用しない時代なんだもん」(光勝さん)
店主・光勝さん
店主・光勝さん
それは自分を、自分の作ったものを信じられないからじゃないかな。あとはひきだしが少ないんだね。世の中いろんなものがあるんで、食べてみなきゃ味って分からないよ。それではじめて、“自分だけの一杯”が生まれるんだと思う」

取材メモ/続けることって大変。でもだからこそ、見られる景色があるんだなぁとそんなことを思った取材でした。インタビュー中に動画撮影のお話していると「根本はラーメンを楽しく食べようという気持ちでやっています」とSUSURUさん。取材の交渉から自身で動かれていると聞き驚きでした! 次回はいま話題のバンドより、ベーシストのある方が登場します。お楽しみに。

取材・文=金城和子、撮影=阿部ケンヤ

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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