大阪出身バンド・SHE’S広瀬がハマった東京のカレーラーメン

特集

忘れられないあの味「私の一杯」

2019/02/09

大阪出身バンド・SHE’S広瀬がハマった東京のカレーラーメン

おいしいラーメンは数あれど、思い出とリンクする一杯はまた特別。本連載では東京で活躍する方々に「思い出の一杯」をうかがい、そのお店と彼らのラーメン物語に迫ります。第八回目は大阪出身のピアノロックバンド・SHE’Sのベーシスト・広瀬臣吾さんが登場。東京でハマったユニークな一杯です。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

ユニークなラーメンを愛する、SHE’Sベーシストの広瀬さん

広瀬臣吾(ひろせ しんご)

広瀬臣吾(ひろせ しんご)

SHE’S ベーシスト

16年にメジャーデビューした次世代ピアノロックバンド「SHE’S」。18年末に放送されていたMBS/TBS ドラマイズム「ルームロンダリング」のオープニングテーマ曲であった4thシングル「The Everglow」に引き込まれた方も多いのではないでしょうか?

メンバーは全員大阪出身。上京して約2年という広瀬さんですが、東京ですっかりハマっているという一杯を教えていただきました。「大阪に住んでいたころから、個性的なラーメンが好きやったんですよ」と話す彼を、虜にした一杯とは?

BASSANOVA(バサノバ)/グリーンカレーソバ(1000円)

「BASSANOVA」のラーメンをひもとく

1.東京ではじめてハマった一杯
2.クラブでスカウトされラーメン店へ
3.Wスープが織りなすエスニックラーメン

1.東京ではじめてハマった一杯

「もうこればっかり食べてます」

新代田駅から1分ほど歩くと鮮やかな外壁が目に入ります

2004年にオープンした新代田「BASSANOVA」は、豚骨や和ダシのスープで仕立てるグリーンカレーやトムヤムクンラーメンなど、個性あふれるメニューで知られます。「知り合いから『おいしいよ』と聞いて入ってみたら、めちゃくちゃうまかったんですよ」と広瀬さん。

「大阪に住んでいるときからラーメンが好きやったんですけど、大阪には結構ユニークさで勝負しているお店も多いんです。東京はそんなお店が少ないんかなと思っていたら、BASSANOVAは個性抜群で! 大好きになりました」(広瀬さん)。

「よく近くのスタジオで、アルバムやシングルのミックス作業をやっていて。ふらっと立ち寄れる場所にあるのもうれしい」(広瀬さん)
「ラーメンやけど、スープはココナッツやスパイスが効いた、本格的なグリーンカレー。カレーとしてもめちゃくちゃうまいなと思っていて」(広瀬さん)

広瀬さんがラーメン好きになった原体験は、ラーメン屋台でした。「祖父の家へ行ったとき、夜になるとたまにラーメン屋台が来ていたんです。それがめちゃくちゃ楽しみで。味はあまり覚えていないけど、子供のころの自分にとってはたまらない喜びやった記憶があります」(広瀬さん)。

下北沢からも近い「BASSANOVA」は、流行に敏感な若者たちの間でも評判。個性あふれる一杯は、洒落た雰囲気にもマッチします

味はこってり系が好みなのだそう。「大阪にいたときはバカみたいにこってりばかり食べていましたね。仕事が終わった後に週2回ぐらいは……。飲んだ後なんかはあっさりが食べたいときもあるんですけど、こってりはご飯を合わせてもおいしいじゃないですか。このグリーンカレーソバも、ご飯と一緒に食べたり、最後にスープの中に入れてみてほしいですね」(広瀬さん)。

「メンバーもみんな、こってりが好きなんですよ。大学生の頃はみんなで集まっても、どこのラーメン店がうまいとか、そういう話ばかりしていました(笑)」と広瀬さん
紅ショウガや唐辛子とあえたキクラゲも。「ラーメンを食べる時間はあまり気にしません。毎日でも食べたいくらい。夜やろうが明けて朝やろうが食べに行っちゃいますけど、トータルのバランスは気にします」と広瀬さん
広瀬さん
広瀬さん
「好みのラーメン店の近くに行ったときは、絶対食べたいじゃないですか。だから毎朝、青汁生活は続けてて。飲んどけば昼も夜も、多少好きなものを食べ過ぎても大丈夫やろうっていう」

--バランスをとっているんですね! 大阪にいらっしゃったころは、お気に入りのお店はありましたか?

広瀬さん
広瀬さん
「京都のラーメン激戦区・一乗寺にある『麺屋 極鶏 』が一番好きで。スープがやみつきになる、もう究極のこってり。大阪の家から車でも1時間半ぐらいかかるんですけど、よく行っていました」
「トムヤムソバとも悩んだんですけど、グリーンカレーソバのほうがパンチがあるんちゃうかと。本当においしかったから、ずっとそればかり頼んでしまってる」(広瀬さん)Photo by Maco Hayashi

--東京にもユニークなラーメン店は、まだまだありますよ! 納豆ラーメンとか。

広瀬さん
広瀬さん
「納豆はダメなんです。納豆だけはちょっと、絶対食べられない……。1年前ぐらいに、とある企画で数年ぶりに食べたけど、全然ダメでした。だからもう一生食わへんと思います

--ひき割りでも。

広瀬さん
広瀬さん
「関係ないです。ひき割りやろうが何やろうが、何かに混ざってようが、絶対ダメ。納豆以外で、個性的なラーメンを探していこうと思います
「麺によく絡むスープがたまらないんです」(広瀬さん)

--東京生活も3年目に突入ですね!

広瀬さん
広瀬さん
「24年大阪に住んでいましたから、やっぱり人の多さを感じましたね。始めは渋谷や新宿には行きたくなかったですから(笑)。でもこうしてお気に入りのお店ができたりすると、うれしいですね

2.クラブでスカウトされラーメン店へ

「原点は豚骨ラーメンとエスニック料理」

店主の梁浦正臣(やなうら しょうしん)さん

店主の梁浦さんがラーメンの世界に足を踏み入れたのは、クラブでのスカウトがきっかけだったそう。「もう20年以上前になりますね。エスニック料理店で働いていた際に、いまは無き新宿の『ミロスガレージ』というクラブの常連だったんです。遊んでいた時に縁があってスカウトされ、この世界に入りました」(梁浦さん)。

梁浦さん
梁浦さん
「その後に豚骨ラーメン店『筑豊らーめん ばさらか』の店主を務めることになって。豚骨は福岡の筑豊地方にあった『勝山(しょうざん)』で修業しました。あとは独学です」
店名には“新しい(NOVA)ばさらか(BASSA)”という意味が。トムヤムソバやグリーンカレーソバと共に、100%豚骨スープの「豚濁ソバ」も。こちらは、かつて修業した豚骨スープが軸になっています
(左から)オランダの最高級ラード、カメリアラードで揚げたネギ&ショウガ、鰹節粉、ココナッツミルクパウダー、グラニュー糖と、キッチンにはラーメン店ではあまり見かけない調味料が
梁浦さん
梁浦さん
麺は3種。豚骨用の細麺と平打ち麺、つけ麺用に太麺を使い分けています。グリーンカレーソバはライスヌードルをイメージしてこの平打ち麺を選びました
こちらは平打ち麺。スープがほどよく絡む中太です

ユニークな品々には、エスニック料理店での経験が込められています。

--広瀬さんはもともとユニークな一杯がお好きで「BASSANOVAは個性抜群で、大好きになりました」と

梁浦さん
梁浦さん
「おぉ、ありがとうございます。カレーとしてもおいしいと言っていただけるのは、うれしいですね」

--もともとラーメンがお好きだった?

梁浦さん
梁浦さん
「料理が好きで、当時はひたすらエスニック料理店で働きながら、そのまま寝ないでクラブ遊びをしていました。90年代の始め。そしたら『裏原にラーメン店を出すから、どう?』と声をかけられたんですよ。ラーメン店をやる気はなかったので、縁は不思議なものですね
「僕がスカウトされた新宿の『ミロスガレージ』では、当時の裏原のファッションカルチャーをリードしていた面々もDJをしていたましたね」(梁浦さん)

--裏原カルチャーが始まったころ

梁浦さん
梁浦さん
「はい。藤原ヒロシさんのブランド『GOODENOUGH』や『A BATHING APE』のNIGO®さんと『UNDERCOVER』の高橋盾さんによる『NOWHERE』などができて、裏原という文化がスタートした時代です

--お店の内装やファニチャーも、どこかそんな時代を感じます

梁浦さん
梁浦さん
僕たちは感覚で生きているから、こんな感じかな、というような。特に深い意味はありません」
ステンレスのカウンターにレトロな青色の椅子が映えます

お話していると、店内はいつの間にか満席! ストリート系ファッションに身を包んだ若者からカップル、観光客まで、客層も幅広いなと見ていたら、梁浦さんがたびたびコンロの前に。「ハーフソバとの注文が人気で」と話すのは、炙りチャーシューをのせた「肉めし」(350円)でした。

チャーシューにタレを絡めながら、1枚ずつ丁寧に焼いていきます。「慣れですよ(笑)」と梁浦さんは微笑みますが、ラーメンと同時進行で作る手際のよさはまさに神業
「肉めし」(350円)。撮影の予定はなかったものの、とにかく頼む方が多かった。固めに炊いたご飯のうえに、甘いタレと焼いたチャーシューがどどん! 香ばしさ&じゅわりとあふれる旨味に海苔がいいアクセント

3.Wスープが織りなすエスニックラーメン

「豚骨に負けない濃厚な和ダシ」

醤油ベースのタレに、豚骨や昆布、煮干し、シイタケなど、さまざまな旨味が凝縮したスープ。グリーンカレーの香りとあとを引くスパイスがクセになります

広瀬さんがハマっている「グリーンカレーソバ」は、干しえびやレモングラス、ガランガー(タイのショウガ)、ピーマン、タマネギなどで手作りするカレーペーストが要。それに豚骨と和のスープをあわせているというから驚きです

釜に合わせて特注したという巨大なかまど。「豚骨は寸胴のなかで対流することでよりクリーミーに仕上がるため、この大きさに」(梁浦さん)
梁浦さん
梁浦さん
「スープの割合は同じなんですよ。和ダシは煮干しを中心に、シイタケや昆布など。上品な味わいではなくて、豚骨負けないくらいのパンチがある。ちゃんと両方の良さが生きるように、日本料理屋さんにもないほど濃く出していますね」
クリアな和のスープは、ふんわり香りいい。この色味からも、じっくり出していることが分かりますね
ネギ油や鰹節、粉末のココナッツミルク、ナンプラーなどを入れ、スープを加えたらできあがり
麺にとろんと旨味と香りが絡みつく。まろやかなココナッツの風味の後に、スパイスがふわり。ピリリとした後味が残る濃厚スープです

食べ終わった後は、広瀬さんにおすすめいただいたように白いご飯を投入してみました! ほどよく固いお米と、とろっとしたスープがまた絶妙です

食べ進めると、「小ご飯」(100円)の量とちょうどいいスープが残ります。完食しても、思いのほか体が重くないのも不思議

麺と食べる時とはまた違った、豚骨のコクと和ダシの奥深さ、素材それぞれの味が広がります。思わずかきこんでしまうほどのおいしさ、広瀬さんがハマるのも納得。

東京の東方面にはあまり行く機会がないから、おすすめのラーメンがあったら教えてください!」と広瀬さん。まだまだ、ユニークラーメン探しの旅は続きそうです。

取材メモ/広瀬さんいわく「僕の中で、『メンマの存在感がでかいラーメンはうまい』っていう勝手なジンクスあるんです」とのこと。インタビュー中は、「『薬膳ラーメン(第4回)』、興味あるな。ここ、場所は?、『ダイヤモンド☆ユカイさんが胸打たれたラーメン(第6回)』も、めちゃくちゃ面白そうやな」と、過去の回も楽しく読んでくださいました。2月16日(金)からは福島を皮切りに、全国ツアーを巡るそう。日本には、まだ知らぬユニークなラーメンが待っている気がします!

取材・文=金城和子、撮影=三佐和隆士

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

おすすめのコンテンツ

SERIES