「有田焼と食材」を追いかける器旅_其の7

「有田焼と食材」を追いかける器旅_其の7

2019/02/10

日本でも有数の知名度を誇る磁器の一つ有田焼。透明感のある肌と、多彩な文様、美しい紺色の世界が広がる染付など、今も日本人の心をとらえて離しません。今回はそんな磁器の町「有田」を中心に、器と食の魅力を追いかける旅をしてきました。7軒目は有田焼の歴史を語る上で欠かせない窯です。

おいしんぐ!

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有田焼の歴史を語る上で欠かせない「柿右衛門窯」

柿右衛門窯

柿右衛門窯には、この17世紀の初代から現在の15代に至るまでの柿右衛門窯の歴史や、柿右衛門様式の作品を展示した「柿右衛門古陶磁参考館」を併設している。

「柿右衛門様式」の特徴である、余白を残して描かれる絵画のような構図はとても美しい。

第15代酒井田柿右衛門作品 「濁手野罌粟文花瓶」

柿右衛門窯独自の特徴であるのが、「濁手」。 暖かみのある乳白色が特徴の色絵磁器で、「色絵」が生きる素地として1670年代にその製法が完成したといわれている。このやわらかな色の素地が「柿右衛門様式」の余白となるため、作品に独特の暖かみが出る。

江戸中期にオランダ東インド会社による輸出が減少したことで、一時生産が途絶えてしまいましたが、第12代と第13代の酒井田柿右衛門が古文書より製法を復元し、その陶製技術が認められ、「濁手」は1971年に国の重要無形文化財の総合指定を受けました。

伝統の手仕事

中央が「濁手」作品、左右はそれぞれ天草陶石と泉山陶石を中心にした作品だそうだ。 並べてみると「濁手」独特のやわらかな乳白色の素地がよくわかる。

「牡丹鳥紋」は代表的なデザインのひとつ

かわいらしい鳥と華やかな花が描かれた「牡丹鳥紋」は代表的なデザインのひとつ。ティーカップなどの洋食器になっても違和感なく素敵なのは、普遍的なものとして確立された美しいデザインだからだろう。

「染付」・「錦手」・「染錦」と様々な磁器

現在の柿右衛門窯では「濁手」の他にも「染付」・「錦手」・「染錦」と様々な磁器を作っていますが、図案は昔からの型をそのまま使用している。下絵は男性が、色絵は女性がという絵付け作業の分業も昔のまま引き継がれていて、描くにも花びら一枚、葉一枚と制作手順がすべて決まっている。

作業を完全分業制にし、アレンジなく同じものを作り上げることがスペシャリストを育て、また伝統を守ることにも繋がっている。

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