「有田焼と食材」を追いかける器旅_其の12

2019/02/11

「有田焼と食材」を追いかける器旅_其の12

日本でも有数の知名度を誇る磁器の一つ有田焼。透明感のある肌と、多彩な文様、美しい紺色の世界が広がる染付など、今も日本人の心をとらえて離しません。今回はそんな磁器の町「有田」を中心に、器と食の魅力を追いかける旅をしてきました。12軒目は嬉野茶を知ることができる施設です。

おいしんぐ!

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人との交流を通じて嬉野茶を知ることができる施設

嬉野茶の品質向上と普及を目的とした施設「嬉茶楽館」

「嬉茶楽館」は嬉野茶の品質向上と普及を目的とした施設となっており、品評会出品用のお茶を作ったりする他、茶摘みのシーズンには一般の方も茶摘み体験や手もみ体験、お茶の淹れ方講座などが体験できる。嬉野茶の一番の特徴は「釜煎り」というその製法にある。通常は生茶葉を蒸してから茶揉みしますが、「釜煎り茶」は生茶葉を直接高温の釜で炒る。

嬉野の炒り釜は「傾斜釜」と呼ばれており、釜を斜めに傾斜させることで製茶効率をあげる改良がなされている。釜底が400℃になった時に生茶葉を投入し、そのまま12分ほど葉を炒った後、むしろに広げて手で茶葉を揉んで行く。揉んだ茶葉は6時間ほど干すと水分が抜け、製品として加工する前の状態である「荒茶」に仕上がったときには1/5くらいの重さになっているそうだ。

蒸し製玉録茶と釜炒り茶

実際は手作業で行うのは体験時のみで、荒茶への加工は大型の機械で行われている。大まかな工程は同じですが、9つの機械を通って炒ったり揉んだりされていく。 また、こちらの工場では別のラインで蒸し製玉緑茶も作られている。そして荒茶に乾燥や分別・ブレンドという加工を施し、製品としてのお茶ができあがる。 新茶は毎年8月に全国規模の品評会が行われ、9月にその結果を受けて入札が行われる。

品評会入賞茶として店頭に並ぶのだそうだ。 嬉野茶は蒸し製玉録茶で平成21〜25年まで5年連続農林水産大臣賞を受賞しており、その後も地域賞などの受賞を続けている。捻れておらずくるりと丸まった勾玉型の茶葉が特徴で、まろやかで旨味の強いお茶だ。一方、釜炒り茶は茶葉そのものの水分で炒るので大変に香りが良く、のどごしの良いお茶になっている。

嬉野茶

こうして高品質なお茶作りの努力がなされている嬉野茶ですが、やはり農業従事者の高齢化は避けて通れない問題のようです。茶園の後継者がおらず、耕作放棄地になってしまうと、嬉野茶の生産量も減ってしまう。 また、お茶の需要がペットボトルに取って代わられつつあり、お茶専門店で販売するような品質の良いお茶を作っても、その需要がなければ生産者のモチベーションも下がってしまうと言われている。

茶心の宿 和楽園

工場見学の後は、お茶風呂に入れるという「茶心の宿 和楽園」に立ち寄りました。急須から流れ出るお湯はなんと本物のお茶!茶処嬉野が温泉地だからこそできる贅沢。

このほかにも「茶心の宿 和楽園」では、滞在中の様々なシーンに合わせたお茶を提案してくださるそうだ。

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“おいしいものには少々うるさい”編集部と筆者陣が全国各地を歩き、現地で直に話を聞きながら、料理、食材、作り手、お店、生産地などあらゆる「食」情報を日々仕入れ発信している。

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