リピーターの多い食パンを対面販売で購入できる安心の店/福井

リピーターの多い食パンを対面販売で購入できる安心の店/福井

2019/03/16

「努力は惜しまない」オーナー自身が納得のいくものしか提供しない福井市種池にある「ベイカリウム」をご紹介します。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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自由度・柔軟性のあるパンの世界

スタイリッシュな店構え
お店の看板は入口のみ

パン屋らしい目立った看板やのぼり旗が立っていない「ベイカリウム」。25歳のときに別の道からパンの道へと歩き出し、地元で人気のパン屋で12年間腕を磨き、2017年1月に西環状線沿い種池交差点の一角にお店をオープンしたオーナーの山岸さんに話を伺います。

音楽の世界からパンの世界へ

レトロモダンなおしゃれな店内

外国語大学を卒業した後、横浜に住み音楽の道へと進んでいた山岸さん。当時飲食業などはあまり興味もなく、雑貨屋でバイトをしていたそうです。しかし、食べ歩きが好きな友人といろんなところへ足を運ぶにつれ飲食にも興味を持ち、特にパンの質の高さに驚いたといいます。

50種類ほどのパンが並んでいます

音楽の道を離れ25歳で地元福井に戻り、飲食業でなにか始めたいと考えているときに、フレンチなども取り入れられる柔軟性のあるパンの道へと歩き出します。福井で人気のパン屋「NORIPAPA(ノリパパ)」で12年間腕を磨き、「Culture Junction(文化を交差させる)」をコンセプトに2017年1月に「ベイカリウム」をオープン。広告はほとんど出していませんでしたが、地元の情報誌や口コミで知名度が上がっていきました。

対面販売でお客さまとの距離を近く

ショーケースにパンを並べる対面式を採用

パン屋さんの大半はセルフ販売ですが、「ベイカリウム」では対面販売を採用しています。せっかく常連になってもらえても会話がないまま帰ってしまうより、少しでもお客さまとの会話を増やし、距離を近づけたいというオーナーの思いからこの形式を選んだそうです。

具材を引き立たせられるパンを作っている

オープン時はOLさんや会社員の方が多く来るだろうと思っていたオーナーですが、意外にも年配のお客さまが多く、あんパンや食パンをまとめ買いしていくそうです。また男性と女性のお客さまも半々の割合らしく、取材をしているときにも男性のお客さまがお一人で買いに来られる姿を多く目にしました。

リピーターの多い食パン

素材にこだわった食パン(280円・税抜き)

「ベイカリウム」では小麦やバターは全て国産のものを使用しています。材料の中にアルゼンチン産のはちみつも少し入っているのですが、噛めば噛むほど甘く、なにより小麦の風味ともちもち感が特徴の食パンです。

北海道産「キタノカオリ」がブレンドされた小麦粉を使用しています

国産小麦粉はオーナーお気に入りの北海道産「キタノカオリ」という強力小麦粉を使っています。甘さと小麦の風味、もちもち感がでるのが特徴で、粉自体の色が黄色味がかっているので食パンもほんのり黄色っぽいです。この小麦粉は、オーナーがパン屋で働いているときに知り、気に入ったそうで、自分のお店を開くときにはいろんな小麦粉で試作をしましたが、イメージした味を出せたのが「キタノカオリ」だったそうです。

毎日夕方に焼きあがります

仕込みは11時頃から始まります。前日に作った熟成された生地と当日作った生地を混ぜていきます。二次発酵のときは、あえて低めの温度で管理し、ゆっくり時間をかけて発酵させていきます。熟成された生地が多すぎたり、発酵時間を急いでしまうと小麦の風味を損なってしまうため、まだ発酵されていない生地を配合したり時間をかけて発酵させ、小麦の風味を堪能できるよう調節しているそうです。

焼きたてのいい香りが漂います

素材にこだわった食パンですがお店では「国産小麦を使っています!」や「マーガリン不使用!」といったアピールは一切ありません。

オーナー 山岸さん
オーナー 山岸さん
「素材にこだわっているけど、アピールは特にしていません。お客さま自身に判断してもらいたいから。こちらが『安心できる素材のみを使ってます』というだけで納得するのではなく、実際食べていただいてから判断していただきたいです」
2時間ほど冷ましてからカットしていきます

常連のお客さまの中には焼きあがった時間に合わせて来店される方もいるそうです。また、「子供がこの食パンしか食べない」という方や、1週間分まとめて買っていく方もいらっしゃるようです。安心して食べられ、納得のいく味わいだからこそリピーターも多いのでしょう。

具材がたくさん入ったサンドイッチ
フルーツサンド

食パンを使った商品には、具材がたくさん入った食べ応え満点な「サンドイッチ」や、ほんのり甘い食パンとの相性抜群な「フルーツサンド」があります。

食パン生地で作った丸い形のパン(280円・税抜き)

他にも「買ってすぐに食べられる食パンがあってもいいな」という考えから生まれた「モンターニュ」という名前のオリジナルパンもあります。これは同じ食パン生地を使い、形を変えて焼きあげています。型に入れずに焼くことで焼き時間も短く、柔らかい。最大の違いは「耳」がないことです。

地元食材を使った商品も

県内で生産されているブランドトマト「越のルビー」を使ったパン

商品の中には県内産の食材を使ったパンもあります。県内の有機栽培で野菜をつくっている「MURO」という農家さんから仕入れているという福井のブランドトマト「越のルビー」を使ったパンは、「越のルビー」の特徴であるフルーツのような甘さとまろやかな酸味を上手く引き立たせています。

後ろめたい気持ちでは作りたくない

お話を伺っていると素材なども「こだわっているな~」と感じましたが、オーナー自身は特にそういったつもりはないそうです。むしろ「こだわりがないのがこだわり」と仰るほど。しかし「後ろめたい気持ちでは作りたくない」から、自然と国産のものや有機野菜などを選んでいるそうです。

こだわっているつもりは特にないと語る山岸さん

「こだわりはないけど努力は惜しまない」。例えば、ハード系のパンが苦手な人でもおいしく食べてもらえたり、好きになってもらえる努力は欠かさないそうです。

今後は、アレルギーのある人でも食べられる卵や乳製品を使わないパンを作ったり、車社会の福井県だから車に乗れないお年寄りの方に直接販売できるよう移動販売やカフェの一画にスペースを設けた限定販売などもしてみたいとオーナーは語ります。

オーナーの山岸さん

自分が納得いかなければお客さまにも自信をもって提供できないという、オーナーの努力あふれる「ベイカリウム」にぜひ足を運んでください。

取材メモ/パン屋に対して思っていた概念がオーナーと話しているうちにだんだん変わっていきました。型にはまらず自由と柔軟性のあるパフォーマンスが今後も楽しみです。

取材・撮影・文=ほりかわあゆみ

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