秋田市の繁華街付近・南通に、食パンが人気のお店があるという噂をキャッチ。その美味しさの秘密を取材してきました。
Yahoo!ライフマガジン編集部
しっとりで、ふんわり。噛めば噛むほど甘い味わいに
「亀の町ベーカリー」は、秋田市南通で昨年8月にオープンしたばかり。まだまだ新しいお店でありながら、すでに売切必至の人気店として話題を集めています。素敵な笑顔で出迎えてくれたのは、店長の小松さん。オープン当時からお店を切り盛りしています。
姉妹店のカフェで人気のベーカリーが、待望の独立オープン
「亀の町ベーカリー」は、近接するカフェ「亀の町ストア」の姉妹店。カフェで出していたパンが人気で、ベーカリー部門が独立する形でオープンしました。豊富な種類の中でも、食パンは開店以来、不動の人気商品。売り切れてしまう日も多いのだとか。
売り切れ必至の人気食パンの秘密は……
- 店長 小松さん
- 店長 小松さん
- 「当店で出している食パンは3種類。『角食』(324円)、『山食』(324円)、『胚芽の食パン』(378円)です。一番人気があるのは角食で、ふたをして焼く分、クラムのしっとりとした食感が特徴。そのままでも、サンドイッチにして食べるのも美味しいですよ」
- 小松さん
- 小松さん
- 「山食はトーストにオススメ、香ばしさを楽しみたい方は胚芽の食パンもぜひ。胚芽には食物繊維やビタミンが含まれているのでヘルシーです」
3種類の食パンはどれも甲乙つけがたい人気ぶり。その秘密は、ほんのりとした甘さです。
- 小松さん
- 小松さん
- 「実は食パンに練乳を加えて焼いているんです。食べた時のサクッ、ふわっとした食感と、ほのかに甘さが出るように焼き上げています。毎日食べて欲しいから、シンプルに食べ飽きないようにという思いもあります」
しっとりとした食感に優しい甘さ。シンプルなのにクセになる「亀の町ベーカリー」の食パンは、パン通の舌も唸らせる美味しさです。小松さんと一緒にお店を支えるベーカーの照井さんと牧野さんによると、1日50斤前後を焼き、完売する日も多いのだとか。
- 小松さん
- 小松さん
- 「毎週決まった日に予約をしてくださる常連さんもいて、お客様の日常のルーティンに入れてもらえていることがうれしい」
と目を細めます。
食パン以外にも! 店内を囲む50種類以上のパン
もちろん、お店の人気商品は食パンだけではありません。ハード系のバタールやカンパーニュ、食事系、スイーツ系などさまざまな種類のパンが並ぶ中、最近の人気は、クリームチーズやドライフルーツをたっぷりといれたカンパーニュや、シナモンロール。また、土曜・日曜・月曜限定で提供する、フランスの高級発酵バターを贅沢に使用したクロワッサンも、売切必至の人気商品です。
- 小松さん
- 小松さん
- 「お店のパンの商品数は全部で50種類以上。毎日来ても飽きないお店にしたいので、店内にあるタイムスケジュールに従って焼きますが、平日しか焼かない商品があったり、店内にパンが少なくなった時しか出さない商品があったりするんです」
常連さんになるとパンスケジュールを把握していることも珍しくありません。中には“○曜の○時にいつも同じパンを予約して買いに来る”という常連さんもいるのだとか。
毎月新作パンが登場! 納得するまで試作した自信作
さらに毎月新作も出していて、心待ちにしているファンも多いのだそう。新作のアイデアは季節にちなんだ商品や、「こんなパンが食べたいよね!」と言ったスタッフ同士の意見が元になることが多いのだそう。そしてこだわりは、試作の回数――。
- 小松さん
- 小松さん
- 「私たちのパンは、現在、特別な小麦粉を使用しているわけではありませんが、出来上がりにこだわり、もともとストアで出していたパンも、もっと美味しくできないか、配合はこれでベストか、具材の組み合わせなどはどうかと日々試行錯誤し、お客様に自信を持って出せるようにしています」
新作は多い時で5〜6種類の月も。限定で出したものの、好評でレギュラー化した商品もあるそうです。「私の好きなシナモンロールも、その一つ」と笑顔で教えてくれました。
開店から半年あまりでたくさんの常連客でにぎわう人気店となった亀の町ベーカリー。小松さんにお店への思いについて伺うと、
- 小松さん
- 小松さん
- 「私たちが作りたいのは、『大事な人に食べて欲しいパン』。安心して食べることのできるパンを、毎日食べても飽きないシンプルな形で、一つ一つ大切に、心を込めて作っています」
これからの店作りについては、
- 小松さん
- 小松さん
- 「地域密着店になりたいですね。『明日の朝は「亀の町ベーカリー」のパンを食べよう』、そう思ってもらえるようなお店になれれば幸せです」
と話してくれました。
取材メモ/取材中にいただいた、角食の切れ端。しっとりとしたそのパンは密度がぎっしり、噛むほどに甘さが口の中に広がります。どうしても家でも食べたくて、お土産に購入。翌日の朝食は、食パンだけでも大満足でした!
取材・文=遠藤真悠 撮影=和賀美輝子