天然酵母がおいしい! 優しい気持ちになれるパン/沖縄

特集

【特集・第4回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 食パン編 〜

2019/03/30

天然酵母がおいしい! 優しい気持ちになれるパン/沖縄

天然酵母と石窯が織りなす、宗像堂のこだわりのパン。素朴で独特な優しい味は、どうやって生まれるのでしょうか?(「沖縄タウン情報誌「おきなわ倶楽部」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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自然の中に佇む、まるでアトリエのようなパン屋さん

宗像堂のパンを写真に収めると、まるでアート作品のような雰囲気が漂う

那覇市内から北東へ向かって車で約20分。宜野湾市嘉数高台公園のすぐそば、緑に囲まれた閑静な住宅街の中に、まるで隠れ家のように「宗像堂」は静かに佇んでいます。

自然の中に佇むその姿は、まるで外国に来たかのよう

扉を開け店内に入ると、店内には心地よいBGMが流れ、そのインテリアや設えからはパン屋さんというよりは「芸術家のアトリエ」のような印象です。さらに奥へと進むと、手作りの石窯で焼き上げた宗像堂の自家製酵母パンがカゴの中や棚の上に所狭しと並んでいます。

白を基調とした店内は、以前使用していた機材などをインテリアの一部として使用しているそう

宗像堂のパンは自家製の酵母で膨らませており、卵や牛乳、バターは一切使いません。さらに、自家栽培小麦の全粒粉と選び抜いた国産小麦をブレンドするなど、素材選びにもとてもこだわっています。石窯で焼き上げるのは週に3日の月曜、木曜、土曜のみ。なぜこの曜日なのですか、と尋ねてみると「これまでの経験と製造工程から、この曜日に焼き上げるのがベスト」なのだそう。

一つ一つ、丁寧に手作り。この後、石窯に入れて焼き上げていきます
日々発酵する生地を手や目で感じながら、進行を調整
発酵が早い場合には素早く成形し、型へ詰めていく
生地からガスを抜くことも重要。そうすることで、キメ細かなおいしい食パンが焼き上がる

その日によって変化する生地を楽しみながら作業は進んでいきます。

石窯で焼き上げる際、内部の温度は約300度にまで達するのだとか

宗像堂のはじまり

「人との出会いと、この人と何かやったら面白そうだな、というインスピレーションを大切にしています」と、宗像さん

宗像堂のオーナーである宗像誉支夫(よしお)さんは当初、大学で微生物の研究をお仕事としていたところ、以前から憧れのあった陶工へと転身。しかし体調を崩し退職、そのタイミングでお世話になっているおばあからの誘いで、天然酵母を使ったパン作りとヨーガの講習会へ参加したことがキッカケとなり、パン作りへの道を歩み始めたといいます。始めた当初は周囲からの厳しくも温かなアドバイスを受け止めつつ、試行錯誤の末、今の宗像堂が作られていきました。

「手を動かすことの面白さ」を語る宗像さん
オーナー 宗像さん
オーナー 宗像さん
「小麦の自家栽培もしていて、選別なんかも自分たちで行います。機械化するどころか、アナログに走っていますが……でもそこがいいんです」

宗像さんは笑顔でそう語ります。

数年ほど前から、鳥に食べられない古代品種の小麦の研究開発を大学と共同で行っているそう。職人であり、研究者でもある。そのモノ作りにかける姿勢はまるで、「パン」という一つの作品を仕上げるアーティストのよう。

優しい味に包まれる……宗像堂人気のパン

SNSを見てきました、という海外のお客様も多くなっているのだとか

「宗像堂で特に人気のパンを教えてください」と聞くと、紹介してくれたのが「プレーン角食パン」と「バナナ・こくるれ」。

一度は食べてみて欲しい、通販で最も人気の「プレーン角食パン」(ホール・1425円、ハーフ・713円、1/3・475円)

もちっとした食感と、ほのかな酸味がおいしいプレーン角食パンはリピーターも多く、宗像堂のお取り寄せ通販でも特に人気があるそう。

優しい甘みがとても印象的でおいしい「バナナ・こくるれ」(389円)

「バナナ・こくるれ」は黒糖生地にクルミ、レーズンが練り込まれ、減農薬バナナがたっぷり詰まった見た目以上に食べ応えのあるパン。ひと口ほおばってみると、ほのかな優しい甘みとバナナの香りが口の中いっぱいに広がり、使われている素材の良さも相まって、丁寧な手仕事の上に産み出されたパンであることが伝わってきます。

おいしいまんじゅう屋さんになりたい

パンを焼き上げて火が入っている石窯に触れてみると、ほんのりと温かい
宗像さん
宗像さん
「がつん、というおいしさではなくてじんわり内側から込み上げてくる感じなんです」

宗像さんは、自分たちが作るパンの味をこう語ります。今、使用している石窯は5代目。最初作り上げるときは、建築関係の知り合いのアドバイスをもらいながら試行錯誤をし、作っていったのだそう。

宗像さん
宗像さん
「その日の天気など、日によって出来上がりが違うので、常においしいパンを作るには感覚と経験が必要不可欠。パンと対話をするんですよ。だから、ここで働いてくれるスタッフには特に何も言いません。見て、触って、自分の感覚で宗像堂のパンを作っていってほしいんです」
スタッフの皆さんの表情が笑顔にあふれていたのも印象的

最後に、宗像堂のこれからについて伺ってみました。

宗像さん
宗像さん
「これからもパン作りを続けていきます。『昔から地元にあるおいしいまんじゅう屋さん』というか、老舗ってあるじゃないですか。ずっと良いモノを提供し続け、人々により愛されるお店にしていきたいですね」
「妥協がないモノ作りをしていきたい」と、語る宗像さん。職人として、人としての熱い想いが伝わってきます

取材メモ/僕が宗像堂を知ったのは2、3年前のこと。友人が「このパン、すごく体に優しくておいしいよ」と、勧めて教えてくれたのがキッカケでした。取材を終え、帰りながら食べた宗像堂のパンは、宗像さんのモノ作りに対する想いを知ったからか、とても味わい深く、こころのどこかが、ふんわりとしたのを覚えています。

取材・文=佐久本健太朗 撮影=砂川諒

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