地元自慢のカキを心ゆくまで味わえる札幌中心部の隠れた名店

地元自慢のカキを心ゆくまで味わえる札幌中心部の隠れた名店

2019/02/22

漁業で栄える道東・厚岸(あっけし)町は、北海道の人なら誰もが知るカキの名産地だ。今回は、地元の人が誇るブランドカキを堪能できる店をご紹介!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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道東の海で育まれたカキ そのおいしさの秘密とは

揚げたてのカキフライにはサッポロクラシックで乾杯したいところ

釧路の東に位置する海のまち厚岸町は、道内有数のカキの水揚げ量を誇っている。春と秋には町主催のカキの祭りが開催されているため、「厚岸と言えばカキ」は北海道の人にはもはや常識だ

そんな厚岸産のカキを楽しめる店は札幌市内に数多くあるが、今回取材した「貝鮮炭焼 大厚岸」(以下、大厚岸)は、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気で、出張者には大変ありがたい。実際に道外から出張で来る方も多いのだそう。

ちょっとレトロな食堂を思わせる店構え。パッと来てサッと帰るもよし、長居するもよし

店があるのは札幌中心部を東西に伸びる狸小路商店街。創成川がある東側から順に1丁目、2丁目…と続く。この5丁目にある「道産食彩HUG(ハグ)」は、北海道産の食材や加工品が揃う直売店と、北海道の名物が味わえるイートインコーナーに分かれている。

大厚岸はイートインコーナー(HUGイート)の奥にある。出迎えてくれた店主の加藤義和(かとうよしかず)さんは厚岸出身。厚岸産カキのウマさの理由と、町とカキの深いつながりについて話を伺った。

地下鉄大通駅直結の地下街ポールタウンに狸小路4丁目に通じる出口がある。そこを出て西に歩くと5丁目にたどり着く
5丁目にあるHUGマートの外観。向かって左は直売店、右は飲食店が軒を連ねるイートインコーナーだ

切っても切れない厚岸とカキの関係

厚岸のカキは、ふっくらとした大きな粒と味が濃いことが特徴だ。なぜそのように育つのか、その理由はカキが育つ海と養殖方法にあった。

カキが養殖される厚岸湾には、山や湿原からの養分を含んだ川の水が流れ込む。そして沖合には、南からの黒潮と北からの親潮がぶつかる潮目があり、プランクトンが豊富だ。厚岸の海はプランクトンを食べて育つカキにとって最適な環境なのだ。

栄養豊富な海ですくすくと育ったカキ

ブランドカキとして有名なのは「マルえもん」。ほかにも種類があり、手間暇がかかるほど高価な値で市場に出回っている。厚岸でとれたカキは一年中食べられることが特徴の一つで、全国でも非常に珍しい

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「夏、海水温が上がり産卵期を迎えたカキは、貝毒を出して自分の身を守ります。道東の海は海水温が低いので、産卵期前に冷たい水域にカキを移動させ、産卵期をコントロールすることで一年中出荷できるんです」
生も炭焼きも酒蒸しも価格は同じ。厚岸自慢のブランドカキは、それなりの手間と時間がかかっているのだ

厚岸産のカキは、この豊かな海で2〜3年かけてじっくりと育つため、身も大きくクリーミーな味わいの身になるのだ。

実は厚岸町沿岸部では、縄文時代の貝塚からカキの殻が見つかっているため、その当時からカキが生息していたことが明らかになっている。

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「一説には、厚岸はアイヌ語で『カキがとれるところ』という意味があるそうです。明治の頃から養殖が始まり、缶詰などの加工工場ができました。それ以前は現地の人しか食べられない基調な食料源だったのではないかと思います」

生でも、焼いても、揚げてもウマいカキ!

大厚岸は「次が控えているからちょっとだけでいい」という方も「おなかいっぱい食べたい!」という方も大歓迎! どちらのパターンでも楽しめるカキ料理3品を紹介する。

\カキ本来の味を堪能!/

マルえもん生牡蠣(2個)(756円)

新鮮なマルえもんを生で食べられる贅沢といったら!レモンを絞って食べると、クリーミーさが引き立つ。

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「カキは毎日平均で100個ほど厚岸から仕入れています。海と山の恵みがつまったマルえもんをご堪能ください」

\コンブの風味をまとうカキ/

昆布の上にプリプリのカキ! 今まさにおいしく焼きあがるところ
牡蠣の鬼昆布焼き(2〜3個)(864円)

これに使われているカキもマルえもん。オニコンブは、通称「羅臼(らうす)コンブ」とも呼ばれ、昆布本来の旨味が強いことが特徴だ。高級食材とされているが、地元の人には馴染みが深く、家庭でもごく普通に使われているのだそう。

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
昆布の旨味を吸い上げているので、殻を器に焼いたカキとはまた違った味と香りを楽むことができますよ」

\仕事後の一杯とともに/

カキフライ定食(1280円)

カキ料理の定番といえばカキフライ。揚げたてサクサクのカキフライにタルタルソースをつけてかぶりついたら、ビールも白いご飯もはかいく!(「はかいく」は北海道弁で、はかどる・進むという意味)

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「当店はランチ営業もしています。しっかり食べて午後からの仕事をがんばりたい方、1日の仕事を終えておなかが空いた方にピッタリのメニューです」

\サンマが丸ごと!/

ピリ辛まるっとサンマ飯(630円)

まるで押し寿司のような見た目!味付けされたサンマとノリでご飯を巻いて、炭火で軽くあぶっている。ボリュームがあるがピリ辛がクセになり、つい箸が進む。

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「道東の海と言えば、サンマが豊富にとれることでも有名です。当店はカキ以外にも、焼き魚定食やおつまみなどをご用意していますよ」

大好きな地元と海に恩返しを

コンピュータープログラマー、カフェ店員、DJなど、職歴豊富な店主

加藤さんは大厚岸をオープンする前まで、すすきのでカラオケスナックを経営していたが、2009年にHUGマートができるという話を聞き、地元の特産品であり、自分の強みでもあったカキを商材にした店を構えたいと思ったそうだ。

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「狭い町なので知り合いが多くて、親戚や先輩後輩がいる厚岸漁業協同組合から海産物を仕入れています。おかげさまで、今年で開店10周年を迎えます」
店内にはカウンター席が9つあるが、店の前には他店の料理を持ち込めるイートインスペースもある

生まれ育った厚岸と海が大好きだと笑顔を見せる加藤さん。店に足を運んでくれたことをきっかけに、地元の良さを知ってもらいたいのだそう。

店主 加藤義和さん
店主 加藤義和さん
「厚岸のものを食べていただいて、厚岸に行ってみたいと思ってもらえたら嬉しいです。できれば本当に行ってもらいたいですけど(笑)。育ててもらった町に恩返しができるとしたら、一人でも多くの人に厚岸を知ってもらうことかなって思っています」
厚岸産のウイスキーは、販売後即売り切れた幻の逸品。常に店にあるわけではないが、もしあれば味わってみてはいかが。ちなみに厚岸の道の駅では、カキに少量のウイスキーを垂らして食べることができるそう

海のミルクと言われるほど栄養たっぷりのカキ。疲労回復に効果があるタウリンも豊富なので、食べればきっと元気が湧くはず!仕事で疲れたら、氷点下の気温に心が折れそうになったら、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

取材メモ/秋に厚岸で開催される「牡蠣まつり」に、以前友人と行ったことがあります。早朝札幌を出ましたが、到着時にはやはり大混雑でした。炭焼きのカキは大変おいしかったのですが、日帰りで行くにはちょっと辛かった記憶があります。

取材・文=小林かほり(みんなのことば舎)、撮影=山下恭子

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