食パン1本にりんご5~6個!? 贅沢すぎるりんご食パン/青森

特集

【特集・第5回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 食パン編 〜

2019/04/06

食パン1本にりんご5~6個!? 贅沢すぎるりんご食パン/青森

どこを切っても果肉ギッシリ! 極限までりんごを詰め込んだ奇跡の食パンとは。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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青森りんごの危機を救う!? りんご食パンを世界に発信する理由

パンとスイーツ リトルプリンセス 青森浜田店

国内のりんご生産量のうち約58%を占めている青森。2位の長野が約18%なのを考えるとその差は歴然で、日本のりんごの将来は青森にかかっていると言っても過言ではありません。しかし今、そんな青森のりんご生産量は年々減少の一途を辿っているんだとか。そこで、青森のりんごを復活させたい! というある方の想いで誕生したのが、今日ご紹介する「ずっしり贅沢りんご食パン」。青森のりんごを惜しみなく「これでもか!」と使用し、1本の食パンに使うりんごの数はなんと5~6個というから驚き! しかもアップルパイや、シブーストでもなく“りんご食パン”って、一体どんなものなんでしょう?

現在2店舗ある「リトルプリンセス」のオーナーを務める舛田さん。隣で可愛らしくお出迎えしてくれたのは、リトルプリンセスの看板娘「プリンちゃん」

「おいしいだけじゃなく、ワクワクの詰まったパンを」というコンセプトの青森市街にあるベーカリー「リトルプリンセス」。調理パンや定番パンだけでなく、お店オリジナルのキャラクターパンにもかなりこだわっていて、思わずニコッと笑顔になる可愛い仕掛けが店内に沢山散りばめられています。今回は、2店舗あるうちの、青森浜田店にお邪魔しました。

誰かのお誕生日みたいに、ウキウキするプレイフルな店内。店名にふさわしい、おとぎの国のようなメルヘンな雰囲気が漂っています
出ました! お客さんが楽しみにしているという、季節限定キャラクターパン。今月は「雪だるまちゃん」(160円)※2019年2月

さて、噂のりんご食パンについて伺ってみると……?

オーナー 舛田さん
オーナー 舛田さん
「現在、ずっしり贅沢りんご食パンは1日10本が限界なんですよ」

ネット販売と店舗販売のバランスをみながら、店頭に買いに来た人が買えるように、現在は電話での予約注文か、ネット注文、口頭注文のみ受け付けているそうです。

今回特別に「ずっしり贅沢りんご食パン」を、1本カットしていただきました。

具がぎっしり!「ずっしり贅沢りんご食パン」1本(1.5斤)(3024円)

もともと銀行にお勤めだったというオーナーの舛田さん。なぜパン屋さんを開き、このりんご食パンを作ろうと思ったのですか?

舛田さん
舛田さん
「営業だったので、“○○の街”と呼ばれる場所に行くことが多かったんですよ。でも実際行って話を聞いてみると、どこも既に“廃れつつある”という悲しい現実を知ってしまって」

かつて地元の特産品で有名だと思っていた市町村が、実際現地の人に話を聞くとどの産業も勢いを失い、生産量も減少していることに淋しさを感じたという舛田さん。

舛田さん
舛田さん
「自分の県に置き換えたとき、青森りんごのことを想いました。生産量は変わらず国内1位を誇っているものの、他の県同様、生産量は明らかに年々減少している。このままだと将来がない、と」

農家の生産者さんたちが汗水流して大切に育んできた大切な文化のひとつ。それがなくなってしまうのはあまりにも悲しすぎる……。青森のりんごを再び盛り上げる方法はないか? そこで思いついたのが、この“ずっしり贅沢りんご食パン”だったそうです。

ずっしり贅沢りんご食パン

一般的にりんごのスイーツに向いているのは、酸味が強く生食にはあまり好まれない「紅玉」と言われますが、リトルプリンセスがこの「ずっしり贅沢りんご食パン」に使用しているのは、りんごの中でも甘みの強い「ふじ」。焼き加減や、水分量、小麦粉の個性やバランスを考えた時、必ずしも紅玉がりんご菓子に向いているとは言えないと、パン職人の加藤さんとオーナーの舛田さんが約6カ月かけて試行錯誤した結果なんだとか。

パン職人の荒井さん(左)、加藤さん(右)

奇跡の「ずっしり贅沢りんご食パン」を開発した加藤さんと、補佐の荒井さんの隣で製造過程を覗いてみました!

「クイーン<純>食パン」1斤(475円)

まず、「ずっしり贅沢りんご食パン」のベースとなっているのが、高級な「クイーン<純>食パン」。そのまま食べられる生の食パンとして人気のこちらは、希少価値の高い「カルピスバター」を使い、原材料の小麦粉も最高級のものを使っているそうです。

舛田さん
舛田さん
「トーストせず、生で食べるのが最もおすすめ!」

「カルピスバター」とは、乳酸菌飲料のカルピスを作る過程で生まれる超貴重なバターで、高級ホテルやケーキ屋さんでシェフがこぞって愛用する希少価値の高いものなのです。

ふじりんごを、生のままオーブンでこんがり焼きます。蜜がたっぷり!
両面焼いて、パリパリになる寸前でストップするのがコツだそう

ドライでもなく、ペーストでもなく、プリザーブ(砂糖煮)でもなく、生りんごをドライになる直前まで焼き、半生状態で寸止めする方法で、砂糖を一切使用せずりんごの甘みだけで完成させたのが、“セミドライ”という焼き方だそうです。

舛田さん
舛田さん
「たまたま半生まで焼いて、試しに食べたらすっごく美味しかったんです」

これを開発したのがリトルプリンセスのパン職人、加藤さん。

舛田さん
舛田さん
「はじめは、ドライりんごを発注していたんですが、1本の食パンに入れるりんごの量があまりに多すぎて、ドライりんごの発注がすぐに追いつかなくなってしまって(笑)」

そこで、自分たちで中に入れるりんごも手作りすることにしたのがきっかけだったそう。

100%りんごジュース

水を一切使用せず、パンの生地には全てりんごの果汁を100%使用しているというこだわりよう!

セミドライしたりんごを、絶妙な歯応えになる大きさにカット
それを包んでいきます

ここで大きなポイントとなるのがりんごの敷き詰め方! 一度敷き詰めて包んだだけでは、重みでりんごが偏って、切った時にムラができてしまうんだそうです。そこで、一度りんごを敷き詰めたあと、くるくる巻き、また引き伸ばして、その上に「これでもか!」とまたりんごを敷き詰める作業を繰り返すのだそう。このひと手間によって、安定した“ぎっしりりんごな側面”がまんべんなく仕上がるというわけです……!

表面がボコボコ……! 極限まで敷き詰められている感が凄いです

これで焼きあげれば、完成! ちなみに、美味しい食べ方を聞いてみると?

舛田さん
舛田さん
「1時間で半解凍になるので、冷たいりんごのまま食べると夏とかすごく美味しいですよ。りんごって冷やしても、熱しても甘みが増す果物なので、半解凍で食べても美味しいし、トーストしてバターを付けても最高に美味しいんです」

私は今回、バターを乗せてトーストしていただくことに。

伝わります? この最高にパリパリでジューシーな美味しさ。絶品!! すぎて、言うことありませんでした。たまりません……

最後に、オーナーの1番の夢はなんですか?

舛田さん
舛田さん
「青森のりんご文化を残していくことです。便利、簡単で行きやすい場所が若者や住む人々から好まれるのは当然かもしれませんが、コンビニやフランチャイズ店ばかりがオープンし続ければ、地域性はどんどん薄れていってしまいます。りんごがもう少し活性化されれば、りんごってやっぱりいいね! と思う人が増えて、後を継ぐ人も出てくると思うので、それを信じてこの『ずっしり贅沢りんご食パン』を世界に発信し続けていきたいと思っています!」

取材メモ/青森りんごの良さを余すことなく最大限詰め込んだ「ずっしり贅沢りんご食パン」。地元が誇る最高に美味しいりんごを、最高に美味しい状態で、贅沢に味わってもらいたい! そんな青森県民特有の“サービス精神の旺盛さ”と、“地元を愛するひたむきな想い”が、このずっしりとした重みに託されているかのようでした。

取材・文・撮影(一部公式サイト抜粋)=阿部万里英

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