札幌最古の炉端焼き店で北海道の味覚を満喫!

札幌最古の炉端焼き店で北海道の味覚を満喫!

2019/03/10

目の前の炭火で焼かれた魚介や野菜を味わうことができる炉端焼き。素材の味がストレートに感じられるため、新鮮な食材が揃う北海道には最適と言っていい食のスタイルだ。心落ち着く隠れ家のような空間で、地元のおいしい食材を楽しもう。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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創業65年、炉端焼き一筋の変わらない空間

まるでタイムスリップしたかのような風情のある店内。すすきののネオン街の喧騒を忘れさせてくれる

炉端焼きは仙台が発祥の地といわれ、北海道には釧路に伝わったとされている。それまでは主に野菜を焼いていたが、釧路が港町であったことから鮮魚や貝類も焼くようになり、次第にそのスタイルが全国へ広まっていったそうだ。

炉端の「炉」の字には、囲炉裏という意味がある。ガスや電気などが無かったころの日本では、囲炉裏が炊事場としての役割も兼ねていたため、炉端焼きは日本の伝統的な食文化の一つといえるだろう。

囲炉裏は炊事以外に、暖房、照明、時には洗濯物を乾かすために使われるなど、一台で何役もこなす優れものだった

今回紹介するのは、札幌で最も古いとされている炉端焼きの店「炉ばた焼 ウタリ」(以下、ウタリ)だ。「北海道といえば」から連想されるおいしい海の幸や野菜、郷土料理などが楽しめる。

地下鉄すすきの駅の4出入口を出て、西方向へ直進し、1つ目の交差点を左折
左折後、信号を1つ越えると右手に趣のある店が見えてくる

炉端の魅力は炭火にあり!

創業から65年になる店を切り盛りするのは、店長の高柳壽世(たかやなぎひさよ)さん。炉端の前に立ち続けて10年という高柳さんに炉端焼きの良さを伺った。

「目の前で焼かれた料理が、手を加えられること無くそのまま運ばれてくることでしょうね。お客さまにとっても安心だと思いますよ。ガスや電気で調理するのとは比べものにならないほど、おいしく焼き上がりますから、それも魅力だと思います」

飲食業に携わるようになって、かれこれ30年の店長

高柳さんはウタリで働き始めた当時、先代の方が焼いたホッケを食べて、あまりのおいしさに衝撃を受けたそう。ふっくらとしたやわらかい身と、絶妙な脂の乗りが忘れられないのだとか。それ以来、ホッケは家で焼いていないらしい。

ウタリを見守ってきた伝統ある囲炉裏

大きなカウンターの中に、どんと構える囲炉裏は創業時から変わらない店の主だ。創業当時で樹齢1000年だったというエゾマツをくり抜いて作られている。

店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
「うちにあるのはいくつかに切ったうちの、一番下の部分だそうです。当時の樹齢とここに来てからの年月を合わせると、もう1065歳になるんですが、今でも現役で働いています」

食べるとポカポカあたたまる北海道らしい料理がズラリ

北海道産の食材にこだわるウタリの料理から、焼いておいしい海鮮と体が温まる郷土料理をご紹介!

\店長も太鼓判の逸品!/

ジューという音とともに、店内にはホッケのいい香りが漂う
ほっけ(1944円) ※仕入れ状況により、産地が変わる場合あり

この日、用意していただいたホッケは羅臼(らうす)産の真ホッケ。表面のカリカリ感、身のふわふわ感は炭火でなければ出せない食感だ。

店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
「ホッケなどの魚は、店内で3〜4時間干しています。余分な脂と水分が抜けるので、くどくないし、水っぽい感じもしないんです。これは実際に食べていただかないと、おいしさが伝えられないわね(笑)」

\お酒のアテにピッタリ!/

網の上でじんわりと焼けるのを待つホタテ。鋭い人はちょっとした違和感に気がつくかも
ほたて(864円) ※仕入れ状況により、産地が変わるあるいは提供できない場合あり

噴火湾産の大ぶりのホタテは弾力があり、かめばかむほど貝柱の甘さが口の中に広がる。あぶった貝ひもがついてくるなんて、飲ん兵衛にはたまらない一品だ。

店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
「貝殻の上で焼くのが一般的ですが、当店では貝柱を直接網に乗せて焼いています。バターやしょうゆで味をつけなくても十分おいしいんですよ

\オリジナルの日本酒!/

日本酒 神威岬(540円)※左は燗(かん)酒用、右は冷酒用(辛口)

ホタテのお供にしてもらいたいのがこの日本酒。囲炉裏のそばの瓶(かめ)であたためられると、ひしゃくですくい、おちょこ代わりの小さな壺に入れてくれる。甘さはなく、さらっとしていて飲みやすい。

熱々の日本酒をひしゃくですくって…
ホタテの貝ひもをアテにちびりちびり
店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
神威岬は当店と姉妹店だけで提供している日本酒で、女性の方にも人気ですよ。和食に合うように作られています」

\北海道の郷土料理/

三平汁(540円)

大きくカットされたジャガイモ、ニンジン、ダイコンとサケの身が入った三平汁(さんぺいじる)。昆布で出汁を取り、塩とサケの身に含まれる塩分のみで味付けされているので、さっぱりとした味わい。

店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
「うちはサケですが、ニシンやタラを入れる地域や家庭もありますね。ジャガイモは煮崩れないように別の鍋でじっくり煮ています。そうすると汁を透明な状態で仕上げることができます」
ホッケ、キンキ、シシャモなどが囲炉裏で干されている。海外からの観光客にはキンキが人気なのだそう

複数名で店に行ったら、お店おすすめの「お造り4点盛り」や大きさが自慢の「油揚げ」も味わってみてほしい。「玉ねぎホイル包み焼き」は囲炉裏の端に置き、時間をかけてじっくり焼くので食べてみたい方はあらかじめご予約を。焼き上がりにはあめ色の玉ねぎとなり「待ったかいがあった!」と思うこと間違いなし。

「変わらないこと」を絶やさない心

店の奥には団体で入れるテーブル席もある。ちなみにカウンターは15名程度、テーブルは10名程度座ることができる

ウタリは、すすきので56年続く「きょうど料理亭 杉ノ目」の姉妹店で、初代社長の奥さん(杉ノ目の大女将)が取り仕切って開店した店の一つ。1954年に現在の場所に開店して以来、そのままの状態で今も営業している。高柳さんはウタリを継ぐ時、先代の店長からさまざまなことを教わったという。

店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
「こうしなきゃいけない、これはやってはダメっていうマニュアルみたいなものはありません。お客さまは人それぞれですから、常に自分で考えて動くように、と教わりました。囲炉裏の扱い方、灰の管理など、教えていただいたことは今でもきちんと守っています」
初代社長はアイヌの方と交流があったそう。「ウタリ」はアイヌの言葉で、仲間、友だち、親類などの意味がある

創業時から変わらないウタリは、昔から通い続けている客にとって「ただいま」と言いたくなるようなホッとする空間だ。「いやぁ変わらないな」「先代のお母さんは元気にしてるか?」という会話ができるほど、30〜40年近く通う常連客も多いのだとか。

店長 高柳壽世さん
店長 高柳壽世さん
「私の前の方々がちゃんと基盤を作ってくれているんです。それは壊したくないし、私が辞めるまで貫き続けたいと思っています。『なんか最近変わったな』って言われることがないように、これからも変わらない懐かしさを感じでもらえる店であり続けたいです」
BGMが無い店内では、炭がパチパチとはぜる音、焼きものがジューっと焼ける音がよく聞こえる

目まぐるしく慌ただしい日々に追われている働き盛りのみなさん。今夜はそんな日常からちょっと離れて、囲炉裏のあるあたたかな空間で、おいしい食事とゆったり流れる時間を楽しんでみてはいかがだろうか。

※店長 高柳さんの「高」は正しくは「はしご高」

取材メモ/個人的にはメニューにある「おもち(磯辺・きなこ)」にも心惹かれました。囲炉裏でお餅を焼くなんて、日本らしくてすごく風情がありますよね。プライベートで行ったときには、迷うことなく注文しようと思います。

取材・文=小林かほり(みんなのことば舎)、撮影=山下恭子

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